ヴェニスアップデートとは?効果的なローカルSEO対策も紹介
Webマーケティングの一環としてSEO対策を実施する場合、アップデートに合わせた対策を施すことは必須です。なかでも、地域に密着したお店などはヴェニスアップデートを理解することが求められます。
しかし、ヴェニスアップデートという言葉を聞いたことがあるものの、詳しい詳細について知らない人は珍しくありません。
今回は、ヴェニスアップデートの概要を解説します。効果的なローカルSEO対策も紹介するため、ヴェニスアップデートについて詳しく知りたい人は参考にしてください。
1.ヴェニスアップデートとは?
ヴェニスアップデートとは、検索結果に検索ユーザーの位置情報を反映するため、2015年にGoogleが実施した検索エンジンのアルゴリズムアップデートです。このアップデートにより、地域性が重要と考えられるキーワードを検索すると、現在地周辺の情報が検索結果ページに上位表示されるようになりました。
たとえば、新宿区にいるときに新宿区にあるレストランを検索するとします。この場合、地域名を含めず「レストラン」と検索するだけで、新宿周辺にあるレストランの情報を容易に得ることが可能です。
しかし、仮に豊島区にいる場合、「レストラン」と検索するだけでは豊島区周辺のレストラン情報が表示され、新宿区の情報は得られません。ほかのエリアに居ながら新宿区のレストラン情報を得るためには、「レストラン 板橋区」のように、従来通り地域名も入力して検索する必要があります。
1-1.ヴェニスアップデートの影響を受けるビジネスの例
ヴェニスアップデートの影響を受ける主なビジネスの種類と検索キーワードは、下記のとおりです。
ビジネスの種類 | 検索キーワード |
---|---|
飲食 | レストラン・カフェ・居酒屋・ラーメンなど |
美容 | 美容室・床屋・エステサロン・マッサージなど |
介護・医療 | 介護施設・病院・歯医者・耳鼻科など |
教育 | 塾・予備校・ピアノ教室・英会話など |
士業 | 弁護士・税理士・行政書士・司法書士など |
クリーニング・修理 | クリーニング・清掃・鍵・水漏れなど |
上記に挙げられているものをはじめ、実店舗を構えているローカルビジネスは、ヴェニスアップデートの影響を受けやすいと考えてよいでしょう。一方、インターネット関連のビジネスなど、実店舗を構えていないビジネスはヴェニスアップデートの影響を受けにくいと言えます。
1-2.ピジョンアップデートとの違い
ヴェニスアップデートと混同されやすいものとして、ピジョンアップデートが挙げられます。
ピジョンアップデートは、地域によって呼び名が異なるキーワードの検索結果を最適化するため、2014年にGoogleが実施したアルゴリズムアップデートです。たとえば、セブンイレブンは地域によって「セブン」「イレブン」「セブイレ」などと呼ばれます。ピジョンアップデートの導入によって、どのキーワードで検索してもセブンイレブンの情報が表示されるようになりました。
ヴェニスアップデートとピジョンアップデートは、ローカル検索関連のアップデートという点で共通しています。しかし、根本的には異なるアップデートと考えてよいでしょう。
2.ヴェニスアップデートに効果的なローカルSEO対策4つ
ヴェニスアップデートを活用すれば、そのエリアにいるユーザーへ効率的にアプローチすることができます。しかし、ヴェニスアップデートに対応できなければ検索順位が下がってしまうこともあるため、対策が必要です。
ヴェニスアップデートに対応し、検索結果で上位を保つためには、ローカルSEO対策が必要不可欠です。ここでは、ヴェニスアップデートに効果的なローカルSEOを紹介します。
2-1.Googleマイビジネスに登録する
ヴェニスアップデートに対応するための第一歩は、Googleマイビジネスに登録することです。
Googleマイビジネスとは、GoogleマップなどのGoogleサービスに自らが経営する店舗などの情報を掲載できる無料ツールです。Googleマイビジネスに登録すれば、店舗名・電話番号・住所などの基本情報はもちろん、営業時間や混雑度合いなどの情報も発信できます。
また、関連するキーワードが検索された際には、検索結果の目立つところに店舗情報が表示されるため、大きな集客効果も期待できるでしょう。
2-2.titleタグに地名キーワードを入れる
運営するWebサイトをヴェニスアップデートに対応させるためには、titleタグに地名キーワードを入れることが有効です。
たとえば、港区で「ちろる」という名前のカフェを経営し、Webサイトを運営しているとします。このWebサイトのtitleタグにカフェ名の「ちろる」のみならず、「港区」を加えるとヴェニスアップデートの恩恵を受けられる可能性が高まります。
<title>港区にある隠れ家カフェ「ちろる」</title>
titleタグのほか、h2タグにも地名を加えればSEO効果が高まると言われています。ただし、不自然かつ過度に地名を挿入すると、Googleからペナルティを受けてしまう可能性があるため、十分注意してください。
2-3.NAPを統一する
ヴェニスアップデートの効果を高めるためには、自社が運営するWebサイトやGoogleマイビジネスなどに掲載するNAPを統一する必要があります。
NAPとは、名前(Name)・住所(Address)・電話番号(Phone number)の総称です。Web上に公開するNAPを統一しておけば、Googleが自動的に情報を紐づけ、店舗情報をユーザーにわかりやすく伝えてくれます。
一方、WebサイトによってNAPが異なっていたら、Googleは同一店舗の情報と認識できず、情報を紐づけることができません。結果として、ヴェニスアップデートの効果が半減してしまいます。
2-4.地域に関連する記事コンテンツを作る
ヴェニスアップデートに対応し、コンテンツマーケティングの効果を最大化したいと考える場合は、地域に関連する記事コンテンツを制作しましょう。
たとえば、品川区でエステサロンを経営しているとします。この場合、Webサイトの価値を高めるための施策としては、エステ帰りに立ち寄れそうな品川区にある飲食店を紹介する記事制作などが考えられます。
ターゲットが求める地域情報を発信することを意識し、SEOに強く、競合サイトとの競争に負けない記事コンテンツを制作することが重要です。
3.検索上位を狙うためには専門性のあるコンテンツが必須
ローカルSEO対策を行う際には、Webサイトの雰囲気に合うコンテンツを制作する必要があります。しかし、検索上位を狙うためには、ページの雰囲気以上に専門性を意識することが重要です。
Googleは、検索順位を決める際に用いる評価基準の1つとして、「専門性」を掲げています。Googleが問う専門性とは、1つのテーマについて広く深く掘り下げられており、検索者が抱える問題を解決し得るものであるかどうかです。
たとえば、「X」と「Y」という同じテーマのWebサイトがあったとします。Xは、そのテーマに関する情報を1つしか掲載していません。一方、Yはそのテーマに関する情報を多数掲載しているうえ、どの情報も大変詳しく内部リンクも充実したものとなっています。これら2つのWebサイトを比較するとすれば、GoogleはYを検索結果の上位に表示するでしょう。
ヴェニスアップデートにかかわらず検索上位を狙いたい場合は、ユーザーが欲する情報を把握し、地域にまつわる専門性の高いコンテンツを制作してください。
まとめ
ヴェニスアップデートは、検索したユーザーの位置情報を反映させるものです。ピジョンアップデートと混同されることもありますが、両者はそれぞれ異なる性質があります。
Webサイトをヴェニスアップデートに対応させるためには、Googleマイビジネスに登録するなどのローカルSEO対策が有効です。また、ユーザーの検索意図を理解し、専門性のあるコンテンツ制作を心がけることも欠かせません。
今回紹介した情報を参考に、ヴェニスアップデートの効果を享受できるような施策を講じてください。
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