SEM(Search Engine Marketing)とは?施策の種類や成功のポイント
SEM(Search Engine Marketing)という用語を見聞きしたことがあっても、詳しい意味や具体的な内容がわからないという方もいるでしょう。SEMにはやり方や効果の異なる複数の施策が含まれるため、各施策の特徴を理解することが、Webマーケティングにおいて重要です。
当記事では、SEMの定義や施策の種類、SEM対策を行うべき理由、成功のポイントについて解説します。Webサイトのアクセスを増やしたい方や、オンライン集客の費用対効果を高めたい方はぜひ参考にしてください。
1.SEM(Search Engine Marketing)とは
SEMとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンを用いて行うマーケティング施策全般を表す用語です。「Webマーケティング」や「オンライン集客」などの言葉とSEMは同様の意味と捉えられます。
スマートフォンやインターネット通信サービスが普及した現在において、SEMはなくてはならないマーケティング施策です。
商品・サービスを探している方や、悩み・疑問を解決するために情報を探している方の多くは、インターネットによる検索を行います。SEMに取り組めば、インターネット上のターゲットユーザーをWebサイトへ誘引し、集客につなげることが可能です。
SEMによって自社の情報を表示できる場所として、検索エンジンの結果画面のほか、広告枠のあるWebサイトや動画サイト共有サイト、アプリの操作画面などがあります。
複数の媒体を組み合わせて使えば、SEMによる集客効果が高まりやすい傾向です。たとえば、検索エンジンから自社のサイトにアクセスし、商品を買わずに離脱したユーザーに対して、広告を使って再度アプローチすることもできます。
2.施策の種類|SEMとの違いも
SEMに含まれる主な施策は「SEO対策」「リスティング広告」「ディスプレイ広告」の3種類です。SEO対策はWebサイトコンテンツの改善などによって行う施策で、リスティング広告とディスプレイ広告は表示箇所が異なるWeb広告となっています。
3つの施策の特徴やメリット、SEMとの違いは次の通りです。
2-1.SEO対策
SEOは「Search Engine Optimization」の略称で、検索エンジン最適化を表します。
SEO対策に取り組むと、検索エンジンで特定のキーワードが検索された際、自社のページを検索結果の上位に表示させることが可能です。
SEO対策のメリットとして、検索順位が高まれば広告コストをかけずにアクセスを集められる点があげられます。ただし、効果が得られるまでに時間がかかる点や、検索アルゴリズムの変更で順位が急落するリスクを踏まえた施策が必要です。
SEMがインターネットによるマーケティング手法全般を表すことに対して、SEO対策は検索エンジンへの上位表示に特化した施策を表すことが違いとなっています。
2-2.リスティング広告
リスティング広告は、検索結果のリスティング広告枠に表示されるWeb広告です。検索エンジンで特定のキーワードを検索したユーザーに対して、自社商品に関する広告を表示できます。
リスティング広告のメリットは、購買意欲の高いユーザーを狙って広告を出せる点です。ただし、競合他社の多いキーワードは1クリックあたりの広告費用が高く、費用対効果があわない可能性があるため、適切な運用ノウハウが必要となります。
SEMが自然検索を含むWebマーケティング手法全般を表すことに対して、リスティング広告は検索ユーザーを対象とした広告施策だけを表すことが、主な違いです。
2-3.ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、広告枠のあるWebサイトや動画共有サイト、アプリなどに表示されます。ユーザーの興味や関心・年齢・性別などによってターゲティングを行い、自社の広告をネット上の広い範囲に表示させることが可能です。
ディスプレイ広告のメリットとして、リスティング広告よりも数多くのユーザーに広告を出せる点があげられます。ただし、ディスプレイ広告は購買意欲の高まっていないユーザーにも表示されるため、商品やサービスの購入に結び付けるためには広告運用のスキルが必要です。
SEMが自然検索を含むオンライン集客を表すことに対して、ディスプレイ広告はコンテンツやアプリを見ているユーザーに表示される広告であることが違いとなっています。
3.マーケティングにおいてSEM対策を行うべき理由
多くのビジネスにおいて、SEMは欠かせないマーケティング施策です。SEMを行うべき主な理由として、次の2つがあげられます。
- ユーザーの目に留まる回数を増やすため
- 利益を長期的に増やすため
上記の理由を理解しておくことは、SEMの施策を行う際に有用です。ここでは、2つの理由について詳しく解説します。
3-1.ユーザーの目に留まる回数が増える
SEMの施策を拡大すれば、ユーザーとの接触機会を増やすことが可能です。
SEO対策によって多くの検索キーワードでWebサイトを上位表示させれば、ユーザーの目に留まる回数が増えます。また、リスティング広告やディスプレイ広告を使用し、複数の配信先へ広告を出稿することも、接触機会の増加に有用です。
自社に関する情報がユーザーの目に留まる回数が増えると、認知の拡大につながります。SEM対策はアクセス数の増加に役立つだけでなく、ユーザーに商品やサービスを印象付けて、必要になった際に思い出してもらいたい場合にも効果的です。
3-2.長期的な利益増につながる
ユーザーの購買につながる行動は、デバイスやソフトウェア、通信サービスなどの技術によって変化します。そのため、ユーザーの購買行動の変化にあわせて、マーケティングの手法も変化させることが重要です。
たとえば、地図検索サービスの充実に伴って、店舗ビジネスにおけるSEM施策は大きく変化しました。地図検索の関連サービスに自店舗の情報を登録することで、近隣の飲食店や美容院などを探しているユーザーを狙ったマーケティングができます。
ユーザーの行動変化にあわせてSEM施策に取り組めば、長期的に利益を増やしていくことが可能です。
4.SEM施策を成功させる2つのポイント
最後に、SEM施策を成功させるために重要なポイントとして、次の2つを紹介します。
○費用対効果が高いか確認する
SEM施策を成功させたい場合、出せる費用と得られる効果のバランスを確認することがポイントです。特に、SEO対策で外注費を使う際や、リスティング広告・ディスプレイ広告を出稿する際は、いくらの費用をかけて何件の新規集客につながったかを確認しましょう。
たとえば、10万円の広告費をかけて新規客が50件増えた場合、新規1件獲得あたり2,000円の広告費がかかったと計算できます。しかし、自社のビジネスで新規1件につき得られる利益が2,000円よりも少ない場合は赤字となり、広告の費用対効果があっていません。
上記のようなケースでは、より費用対効果の良いSEM施策を検討するか、新規1件につき得られる利益を増やすなどの対策が必要です。
○短期・中長期のどちらで成果を出したいかで施策を選ぶ
成果を出したい期間によって、最適なSEM施策を選ぶこともポイントとなります。1か月以内など短期で集客効果を得たいなら、即効性のあるリスティング広告がおすすめです。リスティング広告を使えば、広告掲載を始めた当日から、購買意欲の高いユーザーを自社サイトに集めることができます。
一方、中長期で成果を出したいならSEO対策がおすすめです。SEO対策で自社サイトのコンテンツ量が増えれば、中長期的に検索流入を集めることができます。
自社の状況や目的にあわせて、適切なSEM施策を選択しましょう。
まとめ
SEMは検索エンジンやWeb広告を活用して行うマーケティング施策です。検索上位にWebサイトを表示させてアクセスを増やすSEO対策や、リスティング広告・ディスプレイ広告などの施策がSEMに含まれます。
SEMに取り組めば、ネット上で目に留まる回数が増え、より多くの方に自社の情報を知ってもらうことが可能です。また、ユーザーの検索行動に合わせてSEMを行うことは、長期的な利益増につながります。
Webマーケティングを成功させたい方は、今回紹介したポイントを参考に、ぜひSEM施策を実行してみてはいかがでしょうか。
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