ルートドメインとは?サブドメインとの違いや調べ方を解説
ドメインはインターネット上の住所や名前などと例えられますが、インターネットを使うユーザーの多くは、ドメインを意識せずにインターネットを利用しています。
しかし、企業のWeb担当者やマーケティング担当者であれば、ドメイン管理者となることもあるでしょう。ドメイン管理者になる際は、ルートドメインやURLの構造、サブドメイン・サブディレクトリとの違いを把握することが必要です。
今回は、ルートドメインの概要を解説します。サブドメインとの違いやURLの構造なども併せて解説するため、ルートドメインのことを詳しく知りたい方は参考にしてください。
1.ルートドメインとは?
ルートドメインとは、ドメインのルート(根っこ)という意味であり、ドメインの基本の部分を指す重要な要素です。ドメインには「トップレベルドメイン」や「セカンドレベルドメイン」などさまざまな種類がありますが、ルートドメインは最上位のドメインとして認識されています。
1-1.サブドメイン・サブディレクトリとの意味の違い
サブドメインとは、ドメインの前に追加した文字列を指します。1つのドメインを目的別に使い分けたいときに使用されることがほとんどです。
ドメインを取得していればサブドメインは簡単に追加でき、作成も簡単に行えます。
サブディレクトリとは、ドメイン配下の階層のことを指します。
ドメイン配下となるため、サブディレクトリのページ評価はドメインにも直接影響を与えます。
サブディレクトリは、ルートドメインで扱っているテーマと同じである、あるいは関連した内容でなければなりません。
ドメインの違いはそれぞれ下記のとおりです。
ドメイン | ドメイン全体のこと | www.○○○.com |
---|---|---|
ルートドメイン | ドメインの一番右端にあるドット(通常は表示されない) | www.○○○.com. |
サブドメイン | ドメイン前に追加した文字列 | www.shop.○○○.com |
サブディレクトリ | ルートドメイン配下の階層のこと | www.○○○.com/shop |
2.【徹底解説】URLの構造とルートドメイン
ルートドメインを正しく理解するためには、URLの構造やドメインについても詳しく知る必要があります。
ドメインは、IPアドレスという数字の羅列を文字列に置き換えたものです。文字列であるURLの構造にはそれぞれ役割があるため、事前に把握しておきましょう。
ここでは、URLの構造とルートドメインの概要を解説します。
2-1.ドメインは複数の階層に分かれる
ドメインは複数の階層から成り立つため、それぞれに分けて考えてみましょう。
例えば以下のURLの場合、階層は3段階です。
〇「https://www.○○○.com」の場合
「www」はホスト名と呼ばれ、インターネットに接続したサーバーにつけられた名称です。
「○○○.com」はドメインと呼ばれ、「com」をトップレベルドメイン、「○○○」をサードドメインと呼びます。
www | |
---|---|
ホスト名 | |
○○○.com | |
ドメイン | |
○○○ | com |
サードレベルドメイン | トップレベルドメイン |
それぞれの階層の間にある「.」は、階層の区切りをつけるために記述します。普段見慣れているURLは複数の階層に分かれており、それぞれで名称が異なります。
実際の住所を例にして確認すると分かりやすいでしょう。
日本>東京都>新宿区>西新宿
上記のように、右に進むにつれてエリアが狭まる階層構造は、URLの階層構造と類似する部分があります。
2-2.ルートドメインは省略される
ドメインには、トップレベルドメイン・セカンドレベルドメイン・サードレベルドメインがあります。
例として、以下のURLで解説しましょう。
〇http://www.○○○.co.jpの場合
トップレベルドメインは「TLD」とも表示され、ドメインの末尾にあたる「jp」の部分を指します。セカンドレベルドメインは、トップレベルドメインの手前にある「.(ドット)」で区切られた部分の「co」です。
サードレベルドメインは、トップレベルドメイン・セカンドレベルドメインの手前の部分「○○○」を指します。
○○○.co.jp | ||
---|---|---|
ドメイン | ||
○○○ | co | jp |
サードレベルドメイン | セカンドレベルドメイン | トップレベルドメイン |
ドメインの構成要素のうち、それぞれのドメインは「.」で区切られ、右からトップ・セカンド・サードと呼ばれます。また、本来は「○○○.co.jp」の右側にも「.」がついています。
トップレベルドメインの「jp」よりも上の階層にあるドメインがルートドメインであるものの、一般的に「.」が表記されることはありません。
そのため、「https://www.○○○.co.jp.」というように、トップレベルドメインの後に「.」がついているURLが正式な表記と言えます。
2-3.独自ドメイン=ルートドメインという考え方も登場
近年では、独自ドメインをルートドメインとする考え方も登場しています。
独自ドメインとは、www.○○○.comの場合「○○○.com」の部分です。
無料で作成できるドメインとは異なり、ドメイン取得サービスなどを利用して好きな文字列を指定し、作成することができます。
独自ドメインの取得には費用がかかるものの、オリジナリティを出せることから多くのサービスが独自ドメインを取得しています。
サブドメインの部分を除いた独自ドメインの部分を、ルートドメインとする考え方が登場しました。
独自ドメインをルートドメインと呼ぶ理由の1つとして、「サブドメインを作る際にベースとなるドメインであるため」という考えがあります。
サブドメインを作る場合のURLは「www.△△.○○○.com」や「www.□□.○○○.com」が基本です。どちらのURLの場合でも末尾が「○○○.com」となり、根っこの部分と認識されるため、ルートドメインと考えられることも増加しました。
そのため、記事内ではURLの最後につく「.」をルートドメインと呼ぶと説明しましたが、場合によっては独自ドメインをルートドメインと呼ぶ場合もあります。
3.ルートドメインはDNSとも関わる
DNSとは「Domain Name System」の頭文字を意味し、インターネット上でドメインを管理・運用するためのシステムです。
インターネット上でコンピューター同士が通信する際は、「111.2.333.444」のように数字をドットでつないだIPアドレスで通信相手を特定します。しかし、IPアドレスを覚えることは難しいため、IPアドレスを文字化したドメインの利用が一般的です。
DNSはドメインに関するデータを持っているため、クライアントの問い合わせに対してデータベースを検索し、回答します。データを得る際はDNSでの検索の起点となるDNSサーバーを辿ることで、最終的に必要な情報の取得が可能です。
閲覧したいサイトのURLを打ち込むと、DNSは打ち込まれたURL内のルートドメインなどからIPアドレスを探し出し、結果を表示します。
このように、DNSとも深く関わる仕組みがルートドメインです。
ドメインの最上位の階層がルートドメインであるため、DNSサーバーはまずルートドメインから順次下の階層までアクセスします。ドメイン名からIPアドレスを知るうえで、ルートドメインは重要な役割を担っていると言えます。
まとめ
今回は、ルートドメインの概要に関して、サブドメインとの違いやURLの構造も併せて解説しました。
ドメインは複数の階層に分かれており、その中でもルートドメインはドメインの根っこのような部分を指します。サブドメイン・サブディレクトリとの違いが分かりにくく感じることもあるものの、階層の見方を確認しておけばそれぞれの違いが理解できます。
インターネット上の住所に例えられるドメインは、システム管理者や技術者以外でも基本概念を知っておけば、役に立つ知識です。ドメインに関する基礎知識を身につけて最適なドメインを選び、ウェブサイトを運用しましょう。