コンバージョン率(CVR)の平均は?業界別・最適化する方法も
企業のWeb担当者や、Webマーケティングを学んでいる方は、Webマーケティングに用いられる概念・用語について理解を深める必要があります。
Webマーケティングに用いられる指標の中でも、特に重要となる数値が「コンバージョン率(CVR)」です。
コンバージョン率について学ぶことで、Webサイトの現状分析・改善施策を行う際に役に立ちます。
今回は、コンバージョン率の概念・計算方法から、業界別平均値から見るコンバージョン率の目安・コンバージョン率を最適化する方法まで解説します。
Webマーケティングで成果を出したい方や、Webマーケティングの知識・技術を向上させたい方は、ぜひ参考にしてください。
1.コンバージョン率(CVR)とは?
コンバージョン率(CVR)について理解するために、まずはCV(コンバージョン)について理解することが先決です。
コンバージョンとは、Webサイト上であらかじめ設定した「成果」を、ユーザーが達成したことを指します。
例えば、ECサイトなどで「商品販売」を目標とする場合は、商品が売れたらコンバージョンとなり、10個売れた際は10CVとカウントします。
以下は、コンバージョンに設定する成果の例です。
コンバージョンの設定例 |
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コンバージョン率とは、訪れたユーザーのうち、どの程度の割合でコンバージョンしたかを示す数値です。
コンバージョン率は割合値であるため、Webサイトを訪れるユーザーが少ない場合でも、コンバージョン率が高ければ売上が上がります。
一方で、訪れるユーザーが多い場合でも、コンバージョン率が低ければ売上は下がります。
コンバージョン率を把握することで、Webサイトの現状分析・問題点の発見・改善施策の立案などに役立てることが可能です。
1-1.コンバージョン率の計算方法
コンバージョン率は、ユーザーがWebサイトに訪れた回数である「セッション数」と、「コンバージョン数」を用いて求めることができます。
以下は、コンバージョン率の求め方です。
コンバージョン率の求め方 |
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コンバージョン率(%)=(コンバージョン数÷セッション数)×100 |
一般的なコンバージョン率は上記の数値を使用しますが、セッション数ではなく、「ユニークユーザー数」を用いて求める場合もあります。
ユニークユーザー数とは、設定期間内に訪れたユーザーの数です。
セッション数は、訪問から離脱までの流れであるため、同じユーザーが複数回訪れた場合も、訪問数に応じてカウントします。
一方で、ユニークユーザー数は、同じユーザーが複数回訪れた場合も、1件とカウントされます。
以下は、ユニークユーザーを基にした「ユニークコンバージョン率」の求め方です。
ユニークコンバージョン率の求め方 |
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ユニークコンバージョン率(%)=(ユニークコンバージョン数÷ユニークユーザー数)×100 |
セッション数を基にしたコンバージョン率だけではなく、複数のコンバージョン率を求めることで、多角的にWebサイトの効果測定・分析を行うことができます。
2.【業界別】コンバージョン率の平均値
コンバージョン率は、各業界によっても平均値が異なります。
業界別のコンバージョン率の平均値を知ることで、以下のメリットを受けることが可能です。
業界別のコンバージョン率の平均値を知るメリット |
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コンバージョン率の平均値を物差しとすることで、的外れな施策・余計な分析などを回避できます。
以下は、WordStream社が調査した、検索広告(リスティング広告)とディスプレイ広告における、業界別平均コンバージョン率です。
各業界の平均コンバージョン率 業界種別 CVR(検索広告) CVR(ディスプレイ広告) 求職・人材サービス 5.13% 1.57% ファイナンス・保険 5.10% 1.19% 健康・医療 3.36% 0.82% 家庭用品 2.70% 0.43% 産業サービス 3.37% 0.94% 法律 6.98% 1.84% 不動産 2.47% 0.80% テクノロジー 2.92% 0.86% 旅行・観光 3.55% 0.51% 擁護団体 1.96% 1.00% 自動車 6.03% 1.19% BtoB 3.04% 0.80% 消費者サービス 6.64% 0.98% マッチングアプリ・出会い系サイト 9.64% 3.34%
出典:WordStream「Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]」
基本的に、扱う商材の価格が高額である業界ほど、コンバージョン率が低くなりやすい傾向です。
また、不動産・BtoB・テクノロジー業界など、即決が難しい業界もコンバージョン率が低めとなっています。
業界によって「何をコンバージョンの目標としているか」が異なる点に留意した上で、自社のWebマーケティングに活用してください。
3.コンバージョン率を最適化する方法3つ
コンバージョン率が低い場合は、ビジネスで成果をあげるためにも、最適化を行う必要があります。
コンバージョン率の最適化は、「CRO(Conversion Rate Optimization)」と呼ばれます。
コンバージョン率を最適化する際は感覚ではなく、具体的なデータを分析した上で、根拠ある施策を行うことが重要です。
ここでは、コンバージョン率を最適化するための代表的な施策について解説します。
3-1.ユーザー導線の把握
コンバージョン率最適化のために、ユーザー導線を把握しましょう。
以下は、ユーザー導線を把握する上で、確認すべきポイントです。
ユーザー導線を把握する際に確認すべきポイント |
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LP(ランディングページ)であれば、広告流入によるユーザーをファーストビューで惹きつけ、ベネフィットを訴求し、購買意欲を高めた上でコンバージョンへと導きます。
しかし、意図したユーザー導線と実際のユーザー導線が異なる場合は多くあります。
想定外の箇所で離脱することはもちろん、狙っていなかったキーワードから流入しているケースなどもあります。
ユーザー導線を把握する際は、Google Analyticsやヒートマップツールなどを活用しましょう。
各種ツールを用いて設計導線との相違点を調査し、コンバージョン率が高まる改善策を施すことが大切です。
ユーザー導線の把握・改善は、コンバージョン率最適化において影響の大きい項目です。
そのため、改善策が成功した場合も定期的に確認を行うことが重要です。
3-2.A/Bテストの実施
A/Bテストとは、「A・Bの2つのパターンを作成して比較検証を行い、良い結果を得たほうを採用する」という、Webマーケティングにおける定石施策です。
必要に応じて2つ以上のパターンを作成したり、1つのパターンで複数回のテストを行なったりする場合もあります。
コンバージョン率を最適化する際も、各施策をブラッシュアップするためにA/Bテストは欠かせません。
以下の項目で、A/Bテストを活用すると良いでしょう。
A/Bテストで確認したい項目 |
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コンバージョン率が低い場合には、各施策の改善パターンを作成してA/Bテストを行い、目標数値に近づけるように各要素をブラッシュアップします。
A/Bテストは、検証を繰り返すほど改善が期待できる施策であるため、地道に取り組むことがポイントです。
3-3.CTAの改善
CTAとは、資料請求・商品購入など、ユーザーに具体的なアクションを起こしてもらうためのボタン・画像などを指します。
コンバージョンに繋がる重要なパーツであるため、CTAの検証・改善は重要です。
以下は、コンバージョン率が低く、CTAがクリックされていない場合に見直したい要素です。
CTAの改善要素 |
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複数あるコンバージョン率最適化施策の中でも、CTRは比較的改善が容易であり、大きい効果が期待できます。
複数パターンのCTAを作成して、A/Bテストを活用し、コンバージョン率を最適化しましょう。
まとめ
Webマーケティングの効果測定に用いられる数値は多数ありますが、コンバージョン率はWebサイトからどの程度成約に至ったかを示す、重要度の高い指標です。
コンバージョン率は、コンバージョン数をセッション数で割ることで求められます。
また、各業界のコンバージョン率は平均値が発表されているため、目安として活用すると良いでしょう。
コンバージョン率を最適化するためには、ユーザー導線を把握し、A/BテストやCTAの改善を行うことが大切です。
ここまで紹介したことを参考に、ぜひ自社のWebマーケティングに役立ててください。
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