EFOとは?取り組む目的から具体的な対策ポイントまで解説
Webサイトに設置されている入力フォームは、ECサイトでの商品購入などユーザーに必要な情報を入力してもらう場面において、重要なパーツです。ユーザーにとって入力しやすいフォームにするための施策は、EFO(入力フォーム最適化)と呼ばれています。
EFOがされていない場合、ユーザーにとって不親切なサイトになりかねないため、可能な限り施策を実行しましょう。
今回は、EFOの概要を解説します。対策ポイントも解説するため、EFOの概要を詳しく知りたい方は参考にしてください。
1.EFO(入力フォーム最適化)とは?
EFOとは、日本語に訳すと「入力フォーム最適化」という意味のマーケティング用語です。名称の通り、Webサイトに設置されている入力フォームをユーザーが入力しやすいように最適化して、最後まで入力してもらえる確率を上げることを言います。
Webサイトに設置されている入力フォームは、すべてのユーザーが最後まで入力してくれるとは限りません。コンテンツを熟読した熱量の高いユーザーでさえ、入力の途中で離脱しすることもあります。
EFOは、入力フォームに情報を入力するユーザーの手間やストレスを極力減らすことができ、CVRの向上につなげることもできます。少ないコストや労力で効果が大きいことから、Web業界で大きな注目を集めています。
1-1.入力フォームで途中離脱が発生する理由
ここでは、ユーザーが入力フォームで途中離脱してしまう理由を解説します。離脱の理由について把握しておくことで、EFOに取り組む際に改善点を見出し、効果的な打ち手を施しやすくなるでしょう。
途中離脱する原因はさまざまあり、なかでもよくある原因は下記の通りです。
ユーザーが入力フォームで途中離脱する原因
- セキュリティに不安を感じるため:29%
- 入力フォームが長すぎるため:27%
- 広告やアップセルを警戒するため:11%
- 不要な質問項目があるため:10%
出典:THEMANIFEST「6Steps for Avoiding Online Form Abandonment」
一般的なイメージとしては、入力フォームの長さや入力項目数の多さが原因と考えがちです。しかし、入力フォームでは個人情報を入力することから、セキュリティ上の不安を感じるという意見が最も多いことがわかります。
EFOを行う際は、無駄を省いた使いやすいフォームを作成すると同時に、ユーザーにセキュリティ上の不安を感じさせないことにも留意しましょう。「信頼できるサイトである」ことをユーザーに印象付ければ、最後まで入力してくれることが期待できます。
2.EFOに取り組む目的
EFOに取り組む最大の目的は、コンバージョンをより多く獲得するためです。
Webサイトの運営にあたっては、より多くのCVを獲得するために、インターネット広告やコンテンツの充実に多大なコストや労力を費やします。しかし、Webサイトを訪れてフォームまで辿り着いたユーザーでも、入力フォームの途中で離脱することは珍しくありません。
したがって、EFOによりフォーム離脱率を軽減することは、広告やコンテンツにエネルギーを注ぐことと同様の意義があると言えます。
例えば、フォーム到達までの広告コストが3,000円でフォーム離脱率が90%であった場合、獲得単価は30,000円です。しかし、離脱率が80%となると15,000円となります。わずか10%のフォーム離脱率の改善で、CV獲得のコストを大幅に抑えることが可能です。
EFOがWebマーケティングにもたらす効果は非常に大きく、施策に必要なコストや労力が少なく済むため、優先的に取り組むべき施策として注目されています。
3.コンバージョンにつながる入力フォームを作るEFOのポイント
EFOがCVRの向上に重要であることは理解したものの、具体的にどのような施策や改善を行えば良いのか、わからない方もいるのではないでしょうか。ここでは、効果的なEFOを行うための具体的なテクニックを6つ紹介します。
EFOに取り組んでみたいと考えている場合は、参考にしてください。
3-1.入力項目の削減
EFOで重要なポイントは、入力項目の削減です。入力項目が多いと手間や時間がかかり、興味・関心を持っているユーザーであっても、離脱してしまうことが多くなります。例えば、下記のような項目は削除しても問題ないでしょう。
- ふりがな
- FAX番号
- メールアドレス確認欄
- アンケートや意見を求める欄
入力フォームはビジネス上必要となる最小限に留め、極力無駄を省いたシンプルな入力フォームにすることが理想です。そうすることで、ユーザーが入力フォームを見た際の視覚的な心理的抵抗が弱まり、CVRの向上につなげることができます。
3-2.不要な要素の削除
入力フォームには、無駄な入力項目以外にも不要な要素が設置されていることがあります。例えば、フォーム入力後に表示されるリセットボタンや「やり直す」ボタン、入力フォーム外に遷移する余計なリンクなどです。
このような要素があると、ユーザーは間違えて押してしまう可能性もあります。必要性もないため、入力項目以外にも不要な要素があればすぐに削除しましょう。
3-3.自動入力・入力補助機能の活用
入力フォームでの入力は手間のかかる動作であるため、自動入力や入力補助機能などを実装し、ユーザーの入力をサポートすることが重要です。例えば、郵便番号から住所を自動入力する機能や、半角項目と全角項目の自動切換などが挙げられます。
ユーザーのフォーム入力に対する手間や時間を省くことで、心理的障壁を取り除くことにもつながり、CVRの向上が期待できます。入力サポート機能を簡単に実装できるEFOツールもあるため、活用してみましょう。
3-4.必須項目と任意項目の区別
入力フォームの項目には、CVに必須の項目だけではなく、できれば自社が入力してほしい項目も存在します。しかし、すべての項目をフォームに設置すると入力項目が多くなるため、ユーザー離脱の原因となってしまいます。
このような場合は、「必須項目」と「任意項目」を分けたフォームを作成することが効果的です。ユーザーが入力項目について明確に判断できるよう、アイコンを色分けするなどして視覚的にわかりやすくすることがおすすめです。
任意項目の入力をユーザーの意思に一任すれば、速やかに入力したいユーザーと詳細に入力したいユーザーの両者を同時にフォローすることができます。
3-5.入力中項目やエラーはリアルタイム表示
入力フォームは複数箇所で情報を入力することから、ユーザーがスムーズに入力できるようなアシスト機能を実装すると、最後まで入力してくれる可能性が高まります。実際の入力フォームで多く見られる事例は下記の通りです。
- 入力中のテキストボックスの色を変えて、視認性と操作性を向上させる
- 入力エラーや入力漏れは、その場で修正できるようにリアルタイムで通知する
- 各項目に入力例を表示して、入力すべき内容をイメージしやすくする
アシスト機能を実装し、ユーザーフレンドリーな入力フォームを作成しましょう。
3-6.入力ボックスの位置・サイズの調整
入力フォームの位置やサイズも、視認性や操作性に影響を与えます。例えば、各入力項目のテキストボックスが不揃いであったり、入力内容に対して幅やサイズが適切でなかったりすると、ユーザーはストレスを感じてしまいます。
細かい部分となりますが、ユーザーが少しでもスムーズに情報を入力してCVにつなげられるよう、入力ボックスの位置やサイズについても気を配りましょう。
まとめ
ECサイトや会員登録が必要なサイトにおいては、ユーザーが情報を入力するためのフォームを設置することは必須です。EFOは、Webサイトを訪れたユーザーを取りこぼさないための、重要かつ効果的な施策であると言えるでしょう。
EFOがCV獲得数や獲得単価に与える影響は、広告やコンテンツ充足にエネルギーを注ぐことに匹敵します。速効性があるため、時間やコストはさほどかかりません。
入力フォームの離脱率が高かったり、CVにつながらなかったりすることで悩んでいる場合は、今回の内容を参考にし、EFOに取り組んでみましょう。