CTAとは?重要な理由や改善ポイント・注意点・事例も解説

Webマーケティング

CTAとは?重要な理由や改善ポイント・注意点・事例も解説

自社サイトのCVが思うように獲得できず、効果的なCTAの作り方やCTAの改善方法について知りたいWeb担当者もいるのではないでしょうか。Webサイト・Webメディアのユーザー導線の最終地点に位置するCTAは、僅かな変化でもCVR(コンバージョンレート・コンバージョン率)に大きな影響を与えます。

今回は、CTAの概要や重要性、CTAの改善のポイント、設置における注意点などを解説します。CTAの機能・役割を再確認したい方や、効果的な改善を施してCVを獲得したい方は、ぜひ参考にしてください。

1.CTA(Call To Action)とは?

CTA(Call To Action)とは、日本語に訳すと「行動喚起」のような意味をもつマーケティング用語です。WebサイトやWebメディアを閲覧したユーザーに起こして欲しいアクションへと誘導するボタンやリンクといった形式で設置されます。

CTAが目的とするアクションは多岐にわたり、主に下記のような目的が挙げられます。

■CTAが目的とするアクション
  • 製品やサービスの購入
  • 資料請求
  • 問い合わせ
  • コメント投稿
  • 各種会員登録
  • 各種ユーザー登録

ユーザーが資料請求や問い合わせを行うなど、各種CTAの目的が達成されることを、マーケティング用語で「Conversion:CV(コンバージョン)」と言います。

CTAは基本的に下記のようなCVの獲得につながりやすい場所に設置されます。

■CTAが設置される主な場所
  • コンテンツの下部
  • コンテンツのヘッダーやフッター
  • ページ遷移時のポップアップやモーダルウィンドウ
  • サイドバー

多く見られる設置場所は上記で挙げた通りですが、コンテンツの途中やコンテンツの間に設置される場合もあります。

CTAは営業活動で言えばクロージングのような役割をもっており、Webサイト・Webメディアの運営にあたって非常に重要な役割をもつパーツです。

2.CTAが重要な理由

CTAが重要である理由は、「CVを獲得するための最終的な導線」であるためです。Webサイト・Webメディアによるマーケティング活動は、情報を提供するだけに留まらず、商品購入や問い合わせ誘発のために運営されています。

Webサイト・Webメディアの情報を閲覧して熱量の高まったユーザーが、CTAの不備が原因でCVにいたらないならば、これほど勿体ないことはありません。

Web担当者は、CV獲得の契機となるCTAの重要性と、CVRに与える影響の大きさを改めて認識しておきましょう。

3.効果的なCTAコピーを作るために意識するべき6原則

CVにつながる効果的なCTAコピーを作成するためにおすすめの方法が、社会心理学者「ロバート・B・チャルディーニ」が提唱する「説得力の6原則」を活用することです。

チャルディーニの原則は効果性と有効性が認められ、6原則が記載された著書「影響力の武器」が出版されてから30年以上経過した今でもあらゆるビジネスに活用されています。「説得力の6原則」をCTAのコピーにも活用することで、CVの獲得につながる効果的なコピーを作れるでしょう。

以下では、「説得力の6原則」の各原則について紹介します。効果的なCTAコピーを作りたい方は、ぜひ活用してみてください。

3-1.返報性

返報性とは、人は他人から好意を受けた場合には、なにかを返さなければならないと感じるという原則です。

Webマーケティングにおいては、まず有益な情報やアドバイスを無料で提供して、購入や申し込みにつなげるという方法がよく用いられています。

3-2.一貫性(コミットメント)

一貫性の原則とは、人は一貫性があると見られたいといった強い欲求があるという原則です。そのため、人はなにかにコミットメントした際には、一貫性を維持するために行動を継続する可能性が高まります。

Webマーケティングでは無料オンライン講座でコミットメントを獲得して、上位の有料講座へとつなげる方法が多く見られます。

3-3.社会的証明

社会的証明の原則とは、人は他人と同じ行動を取ることで安心するという原則です。

WebサイトやWebメディアに訪問者数を掲載したり、ユーザーレビューを大量に掲載したりすることは、社会的証明の原則を利用したものとなります。

3-4.権威

権威の原則とは、人は納得のいかない内容であっても、権威のある人物に従う傾向が強いということを示した原則です。

ビジネスシーンにおいては、「代表取締役」「統括営業部長」といった肩書や、医師の白衣や高級スーツなどの視覚的な権威付けが利用されています。

3-5.好意

好意の原則とは、人は人を好きになるほど、その人の意見を聞き入れやすくなるという原則です。

Webマーケティングで企業が自社のスタッフ紹介や取り組みを積極的に紹介していることは、顧客からの好意を獲得して問い合わせや資料請求へとつなげるためです。

3-6.希少性

希少性の原則とは、製品やサービスが入手困難であるほど、人は魅力的に感じるという原則です。人は機会損失を嫌うため、希少性を活用すると人の行動を強く促すことができます。

この原則は「数量限定」「期間限定」「残り○席」「本日限り半額」などといったフレーズで、非常に多く活用されています。

4.コンバージョン率をアップするCTAの改善ポイント

WebサイトやWebメディアからのCVが少ない場合やCVRが低い場合は、CTAを改善することが効果的であるケースが多くあります。もちろん、CTAだけに原因があるとは限りませんが、CTAは改善が容易であり変化を実感しやすいため、優先的に改善に取り組むことがおすすめです。

ここでは、CTA改善のポイントを8つ紹介します。

4-1.行動喚起を明確化する

CTAからCVにつながらない場合は、行動喚起が曖昧であったり不明瞭であったりすることが多く見られます。

CTAを設置する際には、コンテンツとは目的が異なるCTAであることが明確に分かるデザインにすることがポイントです。CTAの配色がコンテンツと類似していると、ユーザーに認識されずアクションを起こしてもらえる可能性も下がります。

CTAの配色やコピーについても、はっきりと「どのようなアクションを起こして欲しいのか」を記載して明確に行動喚起をすることが重要です。

ユーザーがアクションを起こしやすいように、ボタンをクリックしなくてもリンク先の表示内容や得られるベネフィットがイメージできることも重要と言えます。CTAから思うようにCVを得られない場合には、今一度明確な行動喚起ができているかを確認しましょう。

4-2.選択肢を減らす

CVが得られないCTAに多く見られるケースとして、1つのCTAに資料請求や問い合わせなど多くのアクションを促していることがあります。

選択肢を多く用意した方がCVを多く獲得できるイメージがありますが、実際には逆です。ユーザーは迷った末に選択を諦めて、結局なにも選択しないということが多くあります。この現象を消費者心理学で「決定回避の法則」と言います。

CTAはコンテンツの内容に沿って、問題解決やメリットの享受といったアクションを促す役割であるため、1つのCTAに1つの選択肢を提示することが基本です。もし、CTAに複数の選択肢が詰め込まれている場合は、選択肢を厳選して絞り込みましょう。

複数の選択肢を用意したい場合は、リストページ(一覧ページ)やランキングページを作成して、個別の各コンテンツページへ遷移できるようにしましょう。1つのCTAに1つの選択肢という基本を遵守しつつ、複数の選択肢を提示できます。

4-3.デザイン・コピーをテストする

CTAは一度作成して終わりではなく、常に改善を重ねてベストプラクティスを模索することが重要です。ユーザーの目を惹くデザインや、より多くのアクションを起こしてもらえるコピーを作成して、実際にどのような反応が得られるかを効果測定しましょう。

ベストプラクティスを模索するおすすめの方法として、A/Bテストという方法があります。複数パターンのCTAを作成して、良い方を残すという手法です。

A/Bテストを何度も繰り返すことで、効率よく確実にCTAをブラッシュアップできるため、ぜひ実施してください。

4-4.ユーザーの心理的負担を軽減する

CTAのCVRをアップさせるためには、ユーザーがアクションを起こす心理的負担を軽減することも重要となります。人は知らないことや新しいことに対しては、無意識に警戒心を抱く心理傾向があるためです。

たとえば、「契約」「購入」といったフレーズは、警戒心からアクションを起こすことを躊躇う場合があります。会員登録フォームなどは個人情報の入力への抵抗や、情報の入力に手間がかかることから、同じくアクションを起こしてもらえないこともあるでしょう。

このようなケースにおいては、CTAのコピーを柔らかい表現へと変えたり不安を払拭したり、CVへのステップを簡略化したりすることが効果的です。

CVへの心理的障壁を意図的に取り除くことで、ユーザーはアクションを起こしやすくなるため、CVRの改善も期待できます。

4-5.設置場所を絞る

CTAをどこに設置するかは重要なポイントです。一般的にCTAはヘッダーやフッター、コンテンツ直下、サイドバーなどに設置されます。

CTAの設置数をむやみに多くしても、クリックにつながりません。CTAがたくさんあると、ユーザーがどれを押すべきか迷ってしまい、行動を促す効果が弱くなるためです。また、画面上にいくつもCTAがあると、ユーザーが心理的抵抗を覚えてページを離脱するケースもあるでしょう。

CTAは、コンテンツに目を通したユーザーがサービスや商品に興味をもったときにすぐ押せる位置に配置することが大切です。不要なCTAは削り、もっとも効果的な場所を考えて設置しましょう。

4-6.ターゲットごとに内容を変える

CTAに表示する内容は、記事のターゲットに合わせて変えることが大事です。たとえば、情報収集が目的の人をターゲットにした記事なら、「購入」「会員登録」などよりも「資料はこちらから」などのほうがクリック率を上げられるでしょう。

また、CTAのテキストは分かりやすく簡潔な内容にすることも大切です。CTAに「弊社のサービスに興味をもった方はこちらから資料がダウンロードできます」などと長々書かれていると、かえってユーザーが読み飛ばしかねません。「資料ダウンロード」とだけ書かれているほうが一目でなんのボタンか把握でき、アクションを起こしやすくなります。

4-7.ヒートマップやGA4で効果を確認する

コンバージョン率を改善するには、サイトを訪問したユーザーの行動を分析し、必要に応じてCTA改善に努めることが大切です。ユーザー行動は、ヒートマップやGA4などのツールを利用すれば分析できます。

ヒートマップとは、サイトを訪れたユーザーの行動を、色によって分かりやすく可視化するツールです。どのくらい読まれているのか、どこまでスクロールされているのか、どこがよくクリックされているかなどが分かります。

GA4は、Googleが無料で提供するGoogleアナリティクスと呼ばれる分析ツールです。ユーザーのサイトへの流入経路やリンクのクリック・ダウンロードといったサイト訪問後のユーザーの動きなどが分かります。

4-8.マイクロコピーを活用する

CTAボタンの周辺に配置する短めのテキストをマイクロコピーと言います。

たとえば、「会員登録する」ボタンの上部に「\無料で登録できます/」といったテキストが設置されているのを見たことがある人は多いでしょう。短いメッセージですが、無料でできることが伝わり、クリックを促す効果があります。

「販売実績No.1」などの実績を提示したり「送料無料」などの特典を提示したりと、クリックを後押しする文言を記載するとよいでしょう。

ボタンの下部には「いつでも解約可能です」「会員登録なしで購入できます」などのユーザーが抱きがちな不安や疑問を払拭する言葉を入れると効果的です。

5.CTAの設置における注意点

CTAを設置してもほとんどクリックされない場合、いくつかの点に注意するだけで改善する可能性があります。

ここでは、コンバージョンにつながる可能性を高めるために気を付けたいポイントを紹介します。

5-1.1ページにいくつも設置するのを避ける

ユーザーにアクションを起こさせようと、1ページにむやみにCTAを設置することはよくありません。「資料請求はこちら」「問い合わせはこちら」「購入はこちら」と、1ページ内にいくつもの種類のCTAを設置すると、ユーザーの混乱を招きます。

また、同じ内容のボタンであっても、あまりに数多く設置することは避けるべきです。たとえば、「購入はこちら」ボタンがページ内のいたるところに目立つように設置されていると、ユーザーは押し売りされているような不快感を覚える可能性があります。

ユーザーの検索意図を考慮し、求めているものを理解した上で、悩みを解決するのに適したCTAを適度な数で設定しましょう。

5-2.CTAと遷移先のページに一貫性をもたせる

ユーザーをCTAのクリックまで導けても、遷移した先で離脱されてしまうと意味がありません。企業がユーザーにしてほしい行動を促すには、CTAと遷移先のページの内容に一貫性をもたせることが大切です。

たとえば、「詳しくはこちら」と書かれたCTAをクリックして遷移した先が商品販売のページだとしたら、情報を知りたいのに商品購入を促されており一貫性があるとは言えないでしょう。ページを訪れたユーザーは期待外れだと感じて、離れる可能性が高くなります。騙されたように感じて不快に思うユーザーもいるでしょう。

CTAと遷移先のページの内容は、ずれが起こらないよう注意することが大切です。

5-3.設置後は効果測定を行う

CTAは、設置すればそれで終わりではありません。クリック率やコンバージョン率などの効果を測定し、結果に応じてページ全体の設計やボタンのデザイン、設置位置などを改善する必要があります。

たとえば、CTAにたどりつく途中で大半のユーザーが離脱しているなら、コンテンツの内容の見直しが必要です。ユーザーの目を引くように、CTAそのもののデザインやメッセージを改善したり、設置位置を変更したりといった対策もいるでしょう。

「無料会員登録」「会員登録はこちらから!」など複数のCTAパターンを作成し、どちらにより成果があったかを検証するABテストを繰り返すのもおすすめです。CTA以外はまったく同じ条件で行いましょう。

設置場所をいろいろ変えて効果を比較するテストも必要です。繰り返し実施して、もっとも効果的なCTAのデザインや要素を見極めましょう。

6.効果的なCTAボタン設置の事例

CTAはたくさんのサイトで設置されています。中には、よく工夫され、魅力的に感じてつい押してみたくなるCTAも少なくありません。

ここでは、クリックを引き寄せる効果的なCTAの事例を紹介します。CTA設置や改善の参考にしてください。

6-1.有名ショッピングサイト

書籍から雑貨や家電、楽器まで幅広いジャンルを扱う有名ショッピングサイトでは、商品画像と説明のすぐ右横に「カートに入れる」「今すぐ買う」ボタンを設置しています。スクロールしなくても購入を示すCTAが目に入り、ユーザーが「買いたい」と思ったときにスムーズにクリックに誘導できる仕様です。

書籍の場合は、商品画像のすぐ下にシンプルな「サンプルを見る」ボタンを設置し、内容が気になったらすぐに中が確認できるようになっています。ユーザーのニーズが高まり、購入につながります。

6-2.ビジネス向けチャットツール

ビジネスで広く使われているあるチャットツールでは、ヘッダーの右側とコンテンツの下という分かりやすい位置に「サービスを始める」CTAを設置しています。2つのCTAは同じ濃い紫色で統一感があり、サイトを訪れたユーザーの目を引く設計です。

ホームページ内には、ほかにサービス内容の説明や料金プランのページに遷移するメニューが設置されていますが、テキストのみの表示で特に強調されていません。結果的に、「サービスを始める」CTAにユーザーの目が行く仕様になっています。

6-3.ストリーミングサービス

世界的な動画配信サービスでは、暗い色調の画面に赤地に白文字の組み合わせの「今すぐ始める」ボタンを配置することで、CTAを目立たせています。メールアドレスの入力欄がすぐ横に配置されているので、ユーザーはなにをすべきか迷うこともありません。

さらに、ボタン上に「いつでもキャンセルOK」のメッセージをそえることで、ユーザーの心理的抵抗を軽減しています。「いつでも解約できるなら、試しに入会してみよう」と考えるユーザーは多いでしょう。ユーザー心理をうまく利用した設計です。

まとめ

CTAはWebサイト・Webメディアを閲覧して興味・関心をもってくれたユーザーを、具体的なアクションにつなげるための重要なパーツです。CTAのデザインやコピーによってCVRも大きく変わるため、できる限りユーザーを取りこぼさない、効果的なCTAを設置することが重要となります。

Webマーケティングにおいて、CVRに影響を及ぼす要素は複数ありますが、CTAは比較的改善が容易で速効性があることがメリットです。

Webサイト・WebメディアのCVを増やしたい方は、ぜひ今回の情報も参考に、CTAの見直しやブラッシュアップにチャレンジしてください。

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