Googleアナリティクスの「参照元」とは|参照元除外リストの設定方法
Googleアナリティクスは、Webサイトに訪れるユーザーの動向をチェックするうえで非常に便利なツールです。しかし、便利で多機能な反面、調べたり設定できたりする項目の「何が調べられるのか」「どこに何があるのか」を把握できていない人は少なくありません。
そこで今回は、Googleアナリティクスの「参照元」について、メディアとの違いや参照元の見方、判定ルールの特徴について解説します。余分な参照元を省く参照元除外リストの設定方法と設定時の注意点も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
1.Googleアナリティクスの「参照元」とは
「参照元」とは、ユーザーの流入元となったWebサイトのことです。
基本的に、ユーザーが訪問する直前に開いていたWebサイトの情報を、参照元として取得できます。具体的には、Googleなどの検索エンジンや、自社サイトへのリンクが貼られているWebサイトのドメイン名などです。
参照元を分析することで、ユーザーがどの流入経路でWebページにアクセスしたかを把握し、流入数と照らし合わせることができます。
ただし、Googleアナリティクスでは訪問履歴のあるユーザーが直接流入を行った際、以前の記録にさかのぼって参照元を適用する特徴があります。
1-1.参照元とメディアの違い
Googleアナリティクスで参照元とメディアを確認すると、「Google(参照元)/organic(メディア)」のように表示されます。
参照元とメディアの違いは、下記のとおりです。
- 参照元:流入元となったWebサイト・ページの種類
- メディア:ユーザーがクリックしたリンクの種類
参照元には、GoogleやWebサイトのドメインなど、ユーザーがリンクを踏んだWebページの種類が表示されます。メディアに表示される内容は「organic(検索結果)」「display(ディスプレイ広告)」など踏まれたリンクの種類です。
2.Googleアナリティクスの参照元の見方
下記の手順で、Googleアナリティクスの参照元を確認することができます。ここで表示される情報は、Webサイトに訪れた全ユーザーの参照元です。
1 | Googleアナリティクスのメニューバーから「レポート」を開く |
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2 | 「集客」→「すべてのトラフィック」→「参照元/メディア」をクリックする |
3 | 画面の右下側に「参照元/メディア」の一覧が表示される |
下記のように参照元とメディアの組み合わせによって、流入元のページ(参照元)にあるどのリンクをクリックしたか(メディア)を判別することができます。
- google/organic:Googleの検索結果をクリックした
- google/cpc:Googleのリスティング広告をクリックした
2-1.各ページの参照元の確認方法
Webサイト全体ではなく、1ページごとに参照元を確認したい場合の手順は下記のとおりです。
1 | Googleアナリティクスのメニューバーから「レポート」を開く |
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2 | 「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」をクリックする |
3 | 画面の右下側にWebページごとのアクセス情報が一覧で表示される |
4 | 一覧から参照元を確認するWebページのアドレスをクリックする |
5 | 表の左上にある「セカンダリディメンション」をクリックする |
6 | 「集客」→「参照元/メディア」を選択する |
以上で、選んだWebページの参照元とメディアの全組み合わせを確認することができます。
3.Googleアナリティクスにおける参照元の判定ルールの特徴
Googleアナリティクスには、他のアクセス解析ツールと異なる特徴があります。ユーザーがブックマークなどから直接流入した場合、過去に訪問履歴があれば、前回自社サイトに訪問した際の流入元を「参照元」としてカウントする点です。
例えば、一度目のアクセスがGoogleの検索結果からであった場合は「google/organic」に分類されます。
この際ブックマークに登録し、二度目のアクセスはブックマークから直接流入したとしましょう。他のアクセス解析ツールであれば「参照元なし」に分類されるケースがほとんどです。しかし、Googleアナリティクスでは、一度目と同じ「google/organic」として分類されます。
ただし、過去に訪問履歴があったユーザーでも、Googleアナリティクスのキャンペーン保存期間を超過していた場合の判定は「参照元なし」です。
他にも、ユーザーが下記のような経路で流入した場合は「参照元なし」に分類されます。
▼「参照元なし」となる例
- ブックマークからの閲覧
- アドレスバーにURLを直接入力して閲覧
- アプリやメールなどに記述されたリンクからの閲覧
- リダイレクトによる訪問
Googleアナリティクスが、他のアクセス解析ツールと同様の分類を行うケースもあります。自社サイト内でリンクを踏んで移動した場合です。
基本的に参照元として計測されるWebサイトは、外部のWebサイトのみとなっています。そのため、自社サイト内で何ページ閲覧しても、一度の訪問で計測される参照元は基本的に一番最初に訪れた際の参照元のみです。
また、Webサイトの種類や構造によっては、参照元として計測すべきでないアドレスが計上されるケースがあります。不要な参照元の加算を避け、参照元を正しく把握するためには、参照元除外リストを設定することが大切です。
4.参照元除外リストの設定方法
Googleアナリティクスに、余計な参照元や不自然なアクセス数が計測されている場合は、参照元除外リストの設定をおすすめします。例えば、外部の認証サイト・決済サービスなど、トラッキングコードを設置できないWebサイトを経由する場合の参照元です。
本来、認証・決済サービスなどは自社サイト内におけるセッションの一環に含まれます。しかし、外部サイトを経由することによってセッションが途中で切れてしまうと、ユーザーの行動を正しく把握することができません。
参照元除外リストを設定することで、指定したドメインを参照元の計測対象サイトから除外することが可能です。参照元から除外しておけば、Webサイトの閲覧中に他サイトを経由しても、ひとつながりのセッションとして把握できるようになります。
参照元除外リストの設定方法は、以下のとおりです。
1 | Googleアナリティクスのメニューバー最下部から「管理」をクリック |
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2 | 参照元除外リストを設定するアカウントを選択 |
3 | 参照元除外リストを設定するプロパティを選択 |
4 | 「トラッキング情報」→「参照元除外リスト」をクリック |
5 | 「+参照の除外を追加」をクリック |
6 | 除外するWebサイトのドメインを入力し、「作成」をクリック |
ただし、参照元除外リストに設定しても、ユーザーが外部サイトから戻るまでに30分以上経過した場合は新規のセッションとして計上されます。
5.参照元除外リストを設定する際の注意点
参照元除外リストを設定する際には、下記の2点に注意しましょう。
- 参照元除外リストに追加したドメインは、計測されなくなるわけではない
- 訪問履歴によっては、除外リストからの流入として計測される場合がある
参照元除外リストにドメインを追加したあとも、一定の割合で指定した参照元が計測され続けます。Googleアナリティクスの特徴である「訪問履歴があるユーザーが参照元なしから流入すると、前回の参照元が適用される」仕様のためです。
前回訪問時の参照元が除外したドメインに該当していると、リストの設定後であっても除外されずに計測され続けます。除外したドメインは、半年ほどで徐々に数値が減少するケースが一般的です。
参照元をさかのぼる期間は、Googleアナリティクスの管理画面から「プロパティ」→「トラッキング情報」→「セッション設定」で初期設定を変更できます。
また、参照元除外リストの効果が表れる時期は、設定を行った後の計測データからです。除外設定を行う以前に集計したデータには反映されません。
まとめ
Googleアナリティクスの参照元とは、自社サイト訪問者が直前に開いていたWebサイトを示す用語です。参照元とメディアを組み合わせることで、ユーザーがどのような経路で流入したかを把握・分析することができます。
Webサイト内の決済で外部のサービスを経由するなど、計測したくない参照元が生じる場合は、参照元除外リストの設定が必要です。ただし、参照元なしと判定される経路の場合、Googleアナリティクスでは半年ほど訪問履歴をさかのぼって適用されることを覚えておきましょう。
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