直帰率とは?離脱率との違い・直帰率の目安・原因分析方法も
Webマーケティングについて調べる中で直帰率という指標を知り、意味を正しく理解したいと考えた方も多いのではないでしょうか。離脱率はWebサイトにアクセスしたユーザーの行動について把握できる指標で、Webマーケティングを成功させるために重要です。
当記事では、直帰率の概要や目安、計算方法を解説します。また、直帰原因の調べ方や直帰率の改善策についても紹介するため、企業でWebサイト運営を担当している方や、Webマーケティングを行っている個人事業主はぜひ参考にしてください。
1.直帰率とは?
直帰率とは、Webサイトが閲覧された回数に対して、閲覧を開始した最初のページで離脱された回数の占める割合のことです。直帰率の高いWebページでは、そのページだけを見てブラウザを閉じたり、サイト外へ移ったりしたユーザーが多い傾向となります。
直帰率のより厳密な定義や目安、計算方法は次の通りです。
1-1.直帰率と離脱率との違い
直帰率と離脱率は名前が似ていますが、定義は異なります。
直帰率の計算で計測対象となる「直帰」とは、ユーザーが閲覧を開始したページから同じWebサイト内の別ページにアクセスせず、閲覧を終了することです。一方、離脱率の計算で計測対象となる「離脱」とは、Webサイトに訪問したユーザーがWebサイトの閲覧を終了することを表します。
直帰と離脱は、ユーザーがWebサイトの閲覧を終了する点では同一の行動です。ただし、最初のページで閲覧を終了されることが直帰と呼ばれ、タイミングと関係なくWebサイトの閲覧が終了されること全般が離脱と呼ばれます。
つまり、直帰率はWebサイトが直帰された割合を表すことに対して、離脱率はWebサイトから離脱された割合を表します。
1-2.直帰率の目安
アメリカでWebマーケティングサービスを提供するBrafton社の調査によると、一般的なWebサイトにおける平均直帰率は58.18%です。BtoBのWebサイトでは平均直帰率が61.04%、BtoCのWebサイトでは平均直帰率が52.4%となっています。
業界別の直帰率は、次の通りです。
【業界別】直帰率の目安 経営コンサルティング 67.49% ITサービス 64.21% ヘルス・フィットネス 63% PC・ソフトウェア 60.76% 不動産 57.47% 医療機器・医薬品 55.33% 病院・ヘルスケア 54.96% 金融サービス 53%
出典:Brafton「Brafton 2017 Content Marketing Benchmark Report 」
Brafton社の調査では、経営コンサルティング業界の直帰率が最も高く、65%以上でした。一方、金融サービスの直帰率は53%で、ほかの業界と比べて低い傾向です。
これらのデータから、直帰率の目安は50%~60%前後であることがわかります。Webサイトの直帰率が70%以上の場合、直帰率を改善できる可能性があります。
1-3.直帰率の計算方法
特定のページにおける直帰率を求める計算式は、次の通りです。
該当ページで直帰されたセッション数÷該当ページから始まったセッション数×100=直帰率(%)
セッション数とはアクセス解析で用いられる指標で、ユーザーがWebサイトに訪問してから離脱するまでが1セッションとして計測されます。Webサイトに訪問したユーザーがセッション中に複数のページを閲覧した場合も、セッション数は1のままです。
直帰率を計算する際の具体例として、トップページと商品ページを持つWebサイトで次のようなセッションが発生したと仮定します。
- トップページからセッションが始まり、商品ページが見られたあと離脱
- トップページからセッションが始まり、直帰
この場合、トップページから始まったセッション数は2で、トップページで直帰されたセッション数は1です。したがって、トップページの直帰率は次のように計算されます。
1(トップページで直帰されたセッション数)÷2(トップページから始まったセクション数)×100=50%(トップページの直帰率)
2.直帰率をGoogleアナリティクスで調べる方法
直帰率が目安の数値以上の場合、Webページのコンテンツに何らかの課題が見つかる傾向にあります。そのため、自社サイトの直帰率を定期的にチェックし、改善できそうなページを見つけることが重要です。
Googleアナリティクスを使って直帰率を調べる方法を、以下に紹介します。
2-1.Webサイト全体の直帰率
Googleアナリティクスを導入し、Webサイト全体の直帰率を調べる際は、管理画面左メニューの「オーディエンス」から「概要」を選択しましょう。画面中央に表示される「サマリー」のタブ内に表示される直帰率の数値が、Webサイト全体の直帰率です。
Webサイト全体の直帰率を調べることで、Webサイト全体として直帰率に問題があるかを確認することができます。
Webサイトの改善施策の前後で直帰率の変化を調べると、施策の成否を把握できることがメリットです。
2-2.各ページの直帰率
各ページの直帰率を調べる際は、管理画面左メニューの「行動」から「サイトコンテンツ」の「すべてのページ」を選択しましょう。画面中央に表示される表の「直帰率」列に表示される数値が、各ページの直帰率です。
ページごとの直帰率を調べることで、直帰率が特に高いページが見つけることができます。改善するべきページを把握できることが、ページ別の直帰率を調べるメリットです。
2-3.各参照元の直帰率
参照元とは、ユーザーがWebサイトに訪問する直前にアクセスしていた流入元のことです。
各参照元の直帰率を調べる際は、画面左メニューの「集客」から「すべてのトラフィック」の「参照元/メディア」を選択しましょう。画面中央に表示される表の「直帰率」列に表示される数値が、各参照元の直帰率です。
各参照元の直帰率を調べることで、どのような経路で訪問したユーザーの直帰率が高いかを把握することができます。また、広告でアクセスを集めている場合は、マーケティング施策が狙い通り機能しているか確認することも可能です。
3.直帰原因をGoogleアナリティクスで特定する方法|改善策も
ユーザーが直帰する原因は1つだけではなく、複数の要因が重なっている傾向にあります。アクセス解析ツールのGoogleアナリティクスで調査をすることで、複合的な直帰原因をある程度分析することが可能です。
ここからは、直帰原因をGoogleアナリティクスで特定する手順と、直帰率が高い場合の改善方法を紹介します。
3-1.ページ速度を確認する
ページ速度とは、Webページがブラウザに読み込まれ、内容が表示されるスピードです。
ページ速度が低い場合、ユーザーが利便性に不満を感じるため、直帰率が高くなることがあります。ページ速度を調べることで、Webサイトの改善ポイントを見つけることが可能です。
ページ速度を確認する際は、Googleアナリティクスの左側メニューから「コンテンツ」「サイトの速度」「ページ速度」「平均表示時間(秒)」を選択しましょう。
ページ速度の改善策は、Webページに表示する画像の容量や個数を減らしたり、画像をCSSで置き換えたりすることです。また、JavaScriptによって読み込みタイミングを調整することも、ページの読み込み速度と直帰率の改善に効果があります。
3-2.キーワードを確認する
Googleアナリティクスにおけるキーワードとは、Webサイトの訪問者が使用していた検索キーワードのことです。キーワード別の直帰率を調べることで、ユーザーの検索意図に対してコンテンツがあっていないページを見つけ、改善することができます。
キーワード別の直帰率を確認する際は、レポート画面の上部にある「プライマリディメンション」から「キーワード」を選択しましょう。
直帰率の高いキーワードが見つかった場合の改善策は、該当キーワードを検索したユーザーの検索意図を考え、Webページの文章やデザインを見直すことです。
3-3.行動>2ページ目を確認する
Googleアナリティクスの「行動>2ページ目」を確認すると、Webサイトにアクセスしたユーザーが、2ページ目にアクセスしたURLをチェックできます。2ページ目にアクセスしたユーザーは直帰していないため、その導線を強化することで直帰率の改善が可能です。
Googleアナリティクスの表上部「プライマリディメンション」で「ランディングページ」を選択し、「セカンダリディメンション」で「行動>2ページ目」を選択しましょう。
2ページ目への導線を強化し、直帰率を下げるための改善策は、リンクを目立たせたり、文章の流れを変更したりすることです。また、意図した導線と異なるページが2ページ目に見られている場合、ユーザーのニーズをふまえてコンテンツを見直す必要があります。
まとめ
直帰率は、Webページにアクセスしたユーザーが、Webサイト内にあるほかのページを閲覧せずに離脱した割合を示す指標です。平均的な直帰率は業界によって異なり、50%~60%前後が目安となっています。
Googleアナリティクスを使用すれば、Webサイト全体の直帰率や各ページの直帰率などを調べることが可能です。また、直帰の原因もGoogleアナリティクスで分析できます。
Webサイトの直帰率を改善したい方は、Googleアナリティクスによる分析とサイトの見直しを行ってみてはいかがでしょうか。
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