キュレーションとは?過去の問題や成功事例・新規開設のポイント

Webマーケティング

キュレーションとは?過去の問題や成功事例・新規開設のポイント

ここ数年、Webサイト上で見かけるようになった言葉のひとつに「キュレーションサービス」「キュレーションサイト」などがあります。

「キュレーションサイト」などは、いわゆる「まとめサイト」と称されるWebサイトであり、具体的なサービス名が浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

今回は、キュレーションの概要から、過去にキュレーションサービスにおいて問題となった事例や成功事例・新規で開設する際のポイントまで解説します。
キュレーションサービスによってWeb集客を行いたい方や、キュレーションメディアに興味を持つ方は、ぜひ参考にしてください。

1.キュレーションとは

「キュレーション」とはIT用語のひとつで、インターネット上から特定のテーマ・視点を基に情報収集することを指します。
キュレーションは、美術館・博物館などで作品を収集する学芸員や、展覧会を企画・運営する仕事である「キュレーター」から生まれた言葉です。

よく知られたキュレーションサービスに、「NAVERまとめ」「Togetter」などがあります。

1-1.キュレーションの台頭から騒動まで

2010年代前半を中心に、インターネット上でキュレーションサービスが台頭した時期がありました。
以下は、キュレーションサービスが支持された主な理由です。

  • インターネット上の情報量が飽和した
  • インターネットアクセスにおけるモバイル化が進んだ

情報量の飽和・モバイル化の進行などから、手軽に情報取集が行えるキュレーションメディアが登場し、多くのアクセスを集めました。

]一方で、キュレーションメディアにも問題がありました。
専門家・識者ではない一般人が、別のWebサイトの記事をそのまま掲載したまとめ記事が量産された点です。

特に、DeNAの医療キュレーションサービス「WELQ」は、大きな騒動となりました。
医療に携わっていない素人が、医学的根拠のない情報・記事をそのままコピーして掲載していたためです。

結果、「WELQ」はサービス終了となり、キュレーションメディア全体に対する信頼性も次第に低下しました。
また、キュレーションサービスの先駆けである「NAVERまとめ」も、2020年9月末をもってサービスを終了しています。

2.キュレーションサービスの成功事例

苦境に立たされているキュレーションサービスが多い中、適切な運用を行って、成功を収めているキュレーションサービスもあります。
以下は、ユーザーに信頼されているキュレーションサービスの例です。

キュレーションサービスの成功事例
MERY

美容・ファッション・恋愛などに特化した女性向け総合キュレーションサービスです。

美容師・ネイリスト・インスタグラマーなどが、キュレーターを務めている点が特徴です。
他のキュレーションサイトと比較し、美容系のカテゴリーが細かく分類されており、ユーザーは興味に応じてより深い情報を収集できます。

WEAR

アパレル販売のZOZOTOWNと連携したEC型のキュレーションサービスです。

雑誌をめくるように流行のファッションを見られることから、人気を集めています。
モデル・著名人が投稿するだけでなく、一般ユーザーも自由にファッションを投稿できる点も支持されている理由です。

また、EC型のキュレーションサービスはメインサイトに誘導しやすい点が魅力です。
WEARの場合は、気になったアイテムをZOZOTOWNから簡単に購入できる設計となっています。

北欧、暮らしの道具店

インテリア雑誌のようなセンスの良さが人気のEC型キュレーションサービスです。

おしゃれなスタイリング・写真の美しさは、ECサイトであることを忘れるほどの完成度となっています。
また、掲載されている雑貨は全て購入可能です。

ショップページだけでなく、北欧・ライフスタイルに関するコンテンツにも力を入れている点が特徴です。
コンテンツの質を高めることにより、Webメディアとしての信頼性も高めています。

グノシー

エンタメ・スポーツなど、幅広いジャンルのニュースをまとめ読みできるキュレーションサービスです。

ユーザーの閲覧情報をプログラムで分析し、表示内容に反映する設計がされています。
ユーザーの興味に合わせてカスタマイズされた情報が並んでいるため、ユーザーのリピート頻度も高い傾向です。

macaroni

「食」を専門としたキュレーションサービスです。

内食・外食問わず、グルメ・料理・食生活関する幅広い情報を更新している点が人気となっています。
また、キュレーション記事だけでなく、自社ライターを採用し、オリジナルコンテンツの作成にもこだわっている点が特徴です。

キュレーションサービスを作ろうと考える際は、上記のキュレーションサービスを参考にすることで、信頼性の高いメディアを作れます。

3.キュレーションメディアを開設する際のポイント

キュレーションメディアを取り巻く状況は厳しく、キュレーションメディアを新しく立ち上げる際は、様々な点に配慮する必要があります。
苦境の中で成功しているキュレーションメディアには、ジャンルや形式の違いを超えて共通するポイントがあるため、参考にするとよいでしょう。

ここでは、新しくキュレーションメディアを立ち上げる際に押さえるべきポイント・成功するためのコツを紹介します。

3-1.特定分野におけるブランド力を形成する

キュレーションメディアでは、話題の記事を量産すれば多くのPVを稼げます。
しかし、量産方法ではWebメディアとしてのブランドは形成されません。
ブランド力のないWebメディアは広告効果が出にくいため、マネタイズが困難となります。

以下は、ブランド力を大きくするために重要なポイントです。

  • ジャンルを絞る
  • 競合やターゲット層を調査し、他のWebメディアと差別化した情報を発信する

ブランド力を形成することで、他企業とのタイアップがしやすくなり、広告収入にもつながります。

3-2.信頼性が高く有益な情報を定期的に発信する

ジャンルやターゲット層を決めた後は、マーケティングに沿ったコンテンツを発信しましょう。

以下は、キュレーションメディアでコンテンツを発信する際のポイントです。

  • 毎日更新する
  • なるべく多くのコンテンツを投稿する
  • 信頼性のあるコンテンツを作成する

キュレーションメディアとして情報の多さ・鮮度は重要ですが、一方で記事をただ量産すればいいというわけではありません。
一番大切な点は、ユーザーニーズに即した信頼性の高い記事を作成した上で、発信することです。

記事によっては、有資格者・専門家などに記事を作成してもらうなど、記事の信頼性を高める工夫を行いましょう。

3-3.無断転載など著作権侵害は絶対に行わない

キュレーションメディアを運営する上で、最も注意が必要な点は「著作権」に関する問題です。
文章・画像の無断転載や、引用元を示さずにあたかも自作の文章・画像かのように掲載した場合は、法律により罰せられます。

また、著作者に掲載許可を得た場合でも、出典元を明記するなど、著作権のルールに則った掲載が必要です。
例えば、著作権では以下のことが禁じられています。

  • 著作者に無断で著作物を改変すること
  • 著作者の名誉を傷つけるような利用を行うこと

他人の記事を掲載する場合は、あくまで「引用」であり、著作権は著作者にあります。
著作権法で定められていることを遵守し、信頼性の高いキュレーションメディアを作りましょう。

まとめ

「キュレーションサービス」とは、インターネット上にある情報の中から特定のテーマに絞ってまとめたサービスを指します。

キュレーションメディアを開設する際は、特定分野におけるブランド力を形成するためにも、信頼性が高く有益な情報を定期的に発信することが大切です。
また、無断転載など著作権侵害にあたる行為は、絶対に行わないようにしましょう。

ここまで紹介したことを参考に、信頼度の高いキュレーションメディアを運営してください。

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