パクリサイト対策に有効なDMCAとは|申請方法と悪用問題を解説
パクリサイトはSEOにおいてマイナスな影響があるため、見つけ次第できる限り早く削除する必要があります。しかし、「実際に、どのようにパクリサイトを削除すれば良いのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
当記事では、パクリサイト対策に有効なDMCAの詳細や、パクリサイトを見つけたときの対処法、パクリサイトを削除する方法について分かりやすく解説します。
自社のサイトが盗用されて困っている企業やライター、編集者は、ぜひ参考にしてください。
1.パクリサイト対策に有効なDMCA
自社のサイトからテキストや画像、動画などをコピペしたパクリサイトを見つけた場合、DMCAを活用しましょう。
DMCA(デジタルミレニアム著作権法)は作品の著作権保護を目的とし、2000年にアメリカで施行された法律です。
法律の施行前は、パクリサイトの運営者情報が分からなければサイトを削除することができませんでしたが、施行後の現在はDMCAによってプロバイダへ削除申請が可能となりました。
そもそもパクリサイトの存在は、自社サイトに対して、下記のような悪影響があります。
- Googleからマイナス評価を受ける可能性がある
- 本来得られるはずの被リンクが奪われてしまう
- ユーザーがパクリサイトへ流れてしまう
パクリサイトがある場合、オリジナルサイトのほうをコピーコンテンツと認識されてしまう可能性があります。コピーコンテンツと判断されればGoogleからマイナス評価を受け、検索結果での上位表示が困難です。
また、本来得られるはずの被リンクが奪われてしまった場合も、Googleからプラスの評価を得られないため、上位表示がますます困難になります。
そのため、悪徳業者によってコピーされたパクリサイトを見つけたときは、DMCAに基づいてGoogleやパクリサイトのサーバーに削除要請を行うことが大切です。
1-1.パクリサイトの見つけ方
パクリサイトの見つけ方には、主に下記の3つがあります。
- 記事タイトルや記事内容で検索する
- Google AdSenseの管理画面を確認する
- 「related:」検索を行う
記事タイトルや記事内容で検索するほか、Google AdSenseの管理画面でパクリサイトを見つけることができます。
また、検索エンジンで「related:」の後に検索対象となるURLを入力することでも、パクリサイトを見つけることが可能です。
「related:」は、サイト単位で検索することはできませんが、ページ単体で類似するコンテンツを見つける際には非常に便利なツールです。
ただし、ページに記載されている言葉や表現が似ているだけで、他社のオリジナルコンテンツが見つかるケースもあります。
2.パクリサイトを見つけたときの対処法
パクリサイトを見つけたときの対処法には、下記のものがあります。
- 盗用の証拠を押さえる
- パクリサイトのサーバーに通報する
- パクリサイトをGoogleに通報する
パクリサイトを見つけたら、まずは盗用である証拠を押さえましょう。盗用の証拠は削除申請の承認を得るための判断材料となります。
証拠を押さえる方法としては画面をキャプチャするほか、Web上の画面を保存する「ウェブ魚拓」といったサービスを利用する方法があります。
また、盗用の証拠を残す際は、時系列を押さえるために新規ページの投稿と同時に自社サイトのキャプチャも残しておくことも大切です。
盗用の証拠を押さえたら、パクリサイトのサーバーとGoogleに通報し、証拠を提出しましょう。
3.Googleにパクリサイトの削除を申請する方法
Googleにパクリサイトの削除を申請する際の手順は、次の通りです。
- ①「著作権侵害による削除」フォームにアクセスする
- ②権利侵害の申請をする
- ③「宣誓供述書」を確認する
- ④申請結果を確認する
まずは、Google公式ページの「著作権侵害による削除」にアクセスし、名前や連絡先などの個人情報を入力します。
なお、「自分が代理を務める著作権所有者」の項目では「本人」で問題ありません。
次に権利侵害申請として、「著作権対象物を特定する情報とその著作物の説明」をはじめ、権利を侵害されたことを示す情報を入力します。
侵害された内容を曖昧に書いてしまうと承認されない可能性があるため、できる限り詳細な情報を書くことが大切です。
権利侵害の申請を記入したら「宣誓供述書」の内容を確認し、チェックボックスをオンにします。
最後に、署名と署名日を入力する項目があるため、それぞれ入力して「送信」をクリックすれば削除申請の完了です。
数時間〜数日後、申請結果が「著作権侵害による削除」のダッシュボードに表示され、パクリサイトはGoogle検索でヒットしなくなります。
場合によっては削除を拒否されることもありますが、再申請を行うことで改めてページの削除を試みることができます。再申請を行う際は、コンテンツのどの部分が盗用されているのかが適切に伝わるよう記述しましょう。
4.DMCAによる削除依頼を行なった場合はLumenで公開される
DMCAに基づく削除依頼を行う際は、申請内容が公開される点に留意しておきましょう。
削除依頼が承認されると、パクリサイトがGoogleの検索結果で表示されなくなると同時に、Lumenというサイトで申請内容が公開されます。Lumenは、DMCA侵害の報告内容が保存・公開されているサイトです。
Lumenで公開される内容は、申請者の氏名や申請時の文章、対象のサイトなどです。削除対象に関わるキーワードで検索をかけたとき、検索結果の一番下にLumenのリンクとその削除内容が出るようになります。
DMCAによる削除依頼は、Google以外にもTwitterをはじめとしたSNSでも行えますが、同様にLumenに内容が公開されます。
情報が公開されることによる問題は特にありませんが、情報の公表を避けたい方は十分留意しておく必要があるでしょう。
5.DMCAの悪用によりサイトを削除された場合の対処法
DMCAは著作権者を守るためのものです。しかし、パクリサイト側から逆に削除依頼をされ、自社が運営するサイトやSNSアカウントなどの各プロダクトを凍結させられる恐れがあります。
DMCAの悪用によってサイトを削除されてしまった場合は、Googleに異議申し立てが可能です。ただし、Google Search Consoleへの登録しておく必要があります。
万が一、サイトが削除されてしまった場合、Google Search Consoleへ「DMCAに基づくGoogle検索からの削除のお知らせ」といった削除通知が届きます。
メッセージ内に記載されている「DMCAに基づく異議申し立て通知」から、再掲載の申請が可能です。
なお、SNSが凍結された場合は、各SNSへ問い合わせることで、虚偽のDMCA削除依頼に対して申し立てることができます。
まとめ
自社サイトのパクリサイトを見つけた場合、パクリサイトのサーバーやGoogleへ削除依頼を出すことができます。盗作の証拠を押さえた後に、Googleの「著作権侵害による削除」から、パクリサイトの削除について申請しましょう。
Googleより申請の承認を得られれば、パクリサイトを削除できます。
ただし、Lumenと呼ばれるサイトによって申請者の情報が公開されるため、削除依頼を行う際はあらかじめ留意しておくことが大切です。
DMCAはパクリサイトの対策として有効ですが、中にはDMCAの仕様を悪用し、オリジナルコンテンツのほうが削除されてしまうケースもあります。
「Google Search Console」に登録しておくことで、自社のサイトが削除されてしまったとしても再掲載の申請をすることが可能です。万が一を考慮し、事前にGoogle Search Consoleへ登録しておくようにしましょう。