オウンドメディアとは?運用メリット・参考事例・始める際のポイント
オウンドメディアは、自社や商品の魅力をユーザーに伝え、顧客にアプローチする有効な手段です。ブランド形成や顧客獲得のためにはオウンドメディアが効果的であるものの、詳細や立ち上げ方法についてわからない方は多いのではないでしょうか。
今回は、オウンドメディアの概要・目的と、運用に際してのメリット・デメリットを解説します。また、オウンドメディアの参考事例や、運営を始める際のポイントも詳しく解説するため、オウンドメディアのことを詳しく知りたい方は参考にしてください。
1.オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、自社が所有・運営を行うメディアのことです。具体的には、自社ホームページ・ブログ・TwitterやFacebookなどのSNSアカウントを指します。
オウンドメディアは、デジタルマーケティングを行う際に重要視される「トリプルメディア」の考え方を構成する要素の1つです。トリプルメディアは、「オウンドメディア」「ペイドメディア」「アーンドメディア」の3つに区分されています。それぞれの分野を連携させることで、マーケティングにおいて強力な効果を発揮します。
1-1.オウンドメディアの目的
オウンドメディアを運営する目的は、主に下記の3つです。
- 潜在顧客と見込み顧客の獲得
- 顧客ロイヤリティの向上に伴う優良顧客の獲得
- 自社ブランディングの向上
潜在顧客や見込み顧客にとって有益な情報を配信することで、自社商品に対して興味を持ってもらい、アクションを促すことが可能です。また、上質な情報を配信し、自社に対する信頼や愛着を持ってもらうことができれば、顧客ロイヤリティの向上にもつながります。
1-2.ペイドメディア・アーンドメディアとの違い
トリプルメディアを構成するオウンドメディア・ペイドメディア・アーンドメディアは、相互作用によって大きな広告効果をもたらします。下記は、トリプルメディアの各分野についてまとめた表です。
オウンドメディア | |
---|---|
定義 | 情報の発信 |
媒体・経路 | 自社メディア(ホームページ・ブログ・SNSアカウントなど) |
役割・目的 |
|
ペイドメディア | |
---|---|
定義 | 集客・仲介 |
媒体・経路 | 有料広告(ディスプレイ広告・リスティング広告・テレビCMなど) |
役割・目的 |
|
アーンドメディア | |
---|---|
定義 | 情報の拡散 |
媒体・経路 | ユーザーの口コミ(顧客が発信するSNSアカウント・口コミ投稿など) |
役割・目的 |
|
オウンドメディアが自社発信であることに対し、アーンドメディアは他者発信です。また、オウンドメディアは長期的で受信者を限定していますが、ペイドメディアは短期的で受信者を選ばない特徴があります。
2.オウンドメディア運用のメリット・デメリット
自社で自由な情報を発信できるオウンドメディアは、マーケティングを行ううえで欠かせません。オウンドメディアの特性を理解し、有効なマーケティング戦略を練りましょう。
下記は、オウンドメディア運用の主なメリットです。
- 企業や自社製品の魅力を正しく発信できる
- 自社で発信する情報をコントロールできる
- SEOに有効な記事作成ができる
- 顧客と交流を行い、ファンを獲得できる
- 競合他社との差別化ができる
- 人材採用を効率的に行うことができる
- 広告費用を削減できる
配信コンテンツに独自性のある内容を盛り込むことで、他社との差別化が図れます。また、SNSアカウントの使い方次第では、顧客とのリアルタイムな双方向コミュニケーションが実現でき、顧客のファン化・リピーター化が期待できるでしょう。
下記は、オウンドメディア運用の主なデメリットです。
- コンテンツを更新し続ける必要がある
- 即効性はなく、結果が出るまで時間がかかる
- ユーザーのニーズに合わない場合、信頼性が低下する恐れがある
オウンドメディアは、ユーザーが興味のある情報を継続的に発信することで価値が上がります。中長期的な戦略が必要となりますが、充実したコンテンツで顧客の心を掴むことができれば、大きな成果を得ることができるでしょう。
集客に即効性を求める場合は、ペイドメディアと組み合わせることが有効です。また、アーンドメディアと友好な関係を築き、コンテンツに活かす手段を考えても良いでしょう。
3.オウンドメディアの参考事例3つ
オウンドメディアで効果を上げるためには、他社の成功事例を分析することが重要です。ここでは、オウンドメディアの参考事例を紹介します。
・「SUUMOのオウンドメディア「SUUMOジャーナル」」
(https://suumo.jp/journal/)
住まいに関する情報やコラムを配信しているサイトです。購入・賃貸・リフォームなどのカテゴリー別にコンテンツ設計を行い、ユーザーが知りたい情報にアクセスしやすいサイト構成となっています。
記事は週1回以上更新されており、圧倒的なページ数でオウンドメディアの資産化に成功しています。
・「サッポロビールのオウンドメディア「YEBISU MAGAZINE」」
(https://y.sapporobeer.jp/)
日々の暮らしにまつわる情報と、エビスビールの楽しみ方を発信するサイトです。最新情報をスムーズに提供するニュースサイトとは異なり、ユーザーが楽しみながらコンテンツを回遊することに重点を置いている点が特徴です。
文化・グルメ・レシピにまつわる旬の情報を第三者視点から配信し、エビスビールのファンを育成するコンテンツマーケティングに成功しています。
・「マイナビ保育士のオウンドメディア「ほいくらし」」
(https://hoiku.mynavi.jp/contents/hoikurashi/)
マイナビ保育士が運営を行う、保育士と子育てに役立つ情報発信サイトです。最新の保育ニュースや、保育士に必要な基礎知識・子どもとの遊び方を配信しています。専門家へのインタビューや、特集記事も豊富です。
ターゲットを保育士に絞ることで、ユーザーニーズに応じた満足度の高いオウンドメディアとなっています。
上記3つのオウンドメディアはテーマやターゲットが異なりますが、いずれもコンセプトを確立したうえでユーザーの興味を得ることに成功しています。
4.オウンドメディアを始める際のポイント
オウンドメディアを立ち上げる際は、運用体制を整えて臨む必要があります。下記は、運用前に確認しておきたいポイントです。
- 運用目的の明確化及びゴールの設定
- ペルソナ(読み手)の設定
- ウェブサイト、コンテンツの設計
オウンドメディアでは、ゴールとペルソナを明確に設定することが大切です。
ペルソナとは、ターゲットよりも詳細なプロフィールを設定したユーザー像のことをいいます。ペルソナを設定することでユーザー目線に立ち、有効なキーワードを設定することが可能です。また、「オウンドメディアを運用してどういう結果に結びつけたいか」という具体的なゴールも設定しましょう。自社の課題と、ユーザーニーズを結びつけるコンテンツ製作を行うことが大切です。
ウェブサイト制作が自社のリソースで賄えない場合は、外注することを視野に入れてみましょう。業務にかかる負担を軽減できるうえ、プロによるデザイン性の高いウェブページが制作できます。
オウンドメディア構築からリード獲得までサポートを行う企業もあるため、自社で不足する部分を補う手段として活用し、質の高いオウンドメディアを運営してください。
まとめ
オウンドメディアはトリプルメディアの一種で、自社で運営を行うウェブサイト・ブログ・SNSアカウントなどを指します。オウンドメディアの目的は、潜在顧客と見込み顧客の獲得・顧客ロイヤリティの向上・ブランディングです。
オウンドメディアのメリットは、情報を自由に発信できる・SEOに有効である・広告費用が削減できるなどが挙げられます。一方で、即効性はなく更新し続ける必要があるというデメリットもあります。
オウンドメディアを開始するにあたり、ゴールとペルソナを設定することは非常に重要です。自社でウェブサイト制作が難しい場合は、外注を検討しても良いでしょう。