パンダアップデートとは?対策からペナルティの確認方法まで
SEO対策を行うために意識するべきことのひとつが、検索エンジンの順位に影響を与えるパンダアップデートやペンギンアップデートの存在です。サイトの順位が大きく変動した場合、各アップデートによって検索エンジン自体に変化が起こった可能性があります。
Webサイトを運用する人の中には、パンダアップデートについて漠然としたイメージはあるものの、詳しい部分まで分からない人も多いでしょう。
今回は、パンダアップデートの概要について、ペンギンアップデートとの違いや対策方法にを含めて解説します。
1.パンダアップデートとは?
パンダアップデートとは、Googleが実施したアルゴリズムのアップデートです。
2016年のGoogleによる発表以降、パンダアップデートはコアランキングアルゴリズムに組み込まれています。コアランキングアルゴリズムは日々改良が重ねられており、都度更新を発表されることはありません。そのため、公式のアナウンスがなくともなんらかの更新が行われれば、多少の順位変動は起こり得ます。
ここでは、パンダアップデートが導入された理由などを解説します。
1-1.パンダアップデートの導入理由
従来のGoogleでは、ユーザーにとって有益なコンテンツが上位表示されにくく、低品質なコンテンツが検索上位に集まりやすい状態でした。たとえば、他社・他団体の記事から文章をすべてコピーしたページを量産したサイトが、情報量の多い優れたコンテンツと誤評価されるケースなどがあげられます。
ユーザーに不利益を与えかねない検索順位の問題は、Googleも以下のとおり認識しており、結果としてパンダアップデートの導入に至りました。
中でも日本のユーザーの方から寄せられるご意見の中には、独自のコンテンツを持つサイトが、ほかのサイトからのコピーで構成されるサイトに埋もれてしまい、見つけづらいというご意見が多数ありました。
引用:Google ウェブマスター向け公式ブログ「独自コンテンツをより高く評価するために」
上記のとおり、パンダアップデートはユーザー側の意見を反映した結果の改善策として行われています。あくまで品質の低いコンテンツに対する誤った評価を避け、高品質なコンテンツを正しく評価ための新しいアルゴリズムです。見方を変えると、品質が良いと認められれば従来よりも上位表示されやすくなったというメリットもあります。
1-2.パンダアップデートの影響が大きいコンテンツ
パンダアップデートの影響が大きくなるコンテンツの例は、下記のとおりです。
- 自動生成されたコンテンツ
- 無断複製されたコンテンツ
- 特定のサイトへ誘導するコンテンツ
- その他独自の付加価値を見いだせないコンテンツ
支離滅裂な文章が羅列するのみのコンテンツは不適切として、上位表示から弾かれるようになりました。他社・他団体のサイトから無断複製されたオリジナル要素の少ないコンテンツや、信憑性のないコンテンツも同様です。
特定のサイトへ誘導したり、適切ではない広告を多く表示させたりするコンテンツのほか、独自の付加価値を見いだせないコンテンツも対象となっています。
1-3.ペンギンアップデートとの違い
パンダアップデートが広告表示や文章の無断複製など、コンテンツ内容の質を重視していることに対して、ペンギンアップデートは主にリンクの質を評価します。Googleの品質ガイドラインで禁止されている「ブラックハットSEO」が行われたコンテンツの上位表示を避けるために、ペンギンアップデートが導入されました。
ブラックハットSEOは、被リンクの本数が多いほど高い評価を受けるという、従来のGoogleの評価基準を逆手に取った手法です。「外部からの被リンクが多いサイトは高品質である」とする評価を見直すことで、リンク本数に依存しないコンテンツ評価を実現しています。
2.パンダアップデートに対する対策3つ
パンダアップデートは、2021年現在コアランキングアルゴリズムに組み込まれているため、SEO対策を行ううえで常に意識しなくてはなりません。パンダアップデートによる影響を避け、上位表示を目指すためには、高品質と評価されやすいコンテンツを作ることが重要です。
ここでは、パンダアップデートのための対策として、高品質なコンテンツ作りにつながる3つのポイントを紹介します。
2-1.専門性の高いコンテンツを作る
GoogleはコンテンツのE-A-T(専門性・権威性・信頼性)を重視しています。パンダアップデートで高品質と認められるためには、E-A-Tを高め、かつユーザーに分かりやすいコンテンツを作ることが重要です。
たとえば、さまざまなジャンルを幅広く盛り込むのではなく、ひとつのキーワードに対して補足するコンテンツを増やすと専門性が高くなります。下記の点を意識すると、よりコンテンツ自体の信頼性や権威性が向上するでしょう。
- レポートや分析など独自のコンテンツや情報を含める
- スペルミスや文法ミスを減らす
- 初心者に分かりやすい解説を意識する
情報量の多さや読みやすさがユーザーから評価されれば、SNSなどで優良サイトとして拡散され、検索エンジン以外からの流入も期待できます。専門家に監修を依頼することも、信頼性とオリジナリティを加えられるためおすすめです。
2-2.検索意図に沿うコンテンツを作る
検索ユーザーは、入力したキーワードに対する明確な答えを求めています。検索エンジンにおいてQ&Aを含むコンテンツが上位表示されやすい理由は、検索キーワードに関する答えが即座に得られるためです。
特に下記のポイントを重視すると、サイト全体における信頼性の高さにもつながります。
- タイトルにキーワードを含める
- 競合上位サイトの傾向も盛り込む
- 無駄な情報や広告は排除し、見やすい内容にする
- 常に最新の情報を提供する
まずは、上位表示されている競合サイトを分析したうえで、ユーザーの検索意図や盛り込むべき内容を把握しましょう。検索意図に沿ったコンテンツ作りを行うことで、パンダアップデートによる影響を抑えることができます。
2-3.ページの利便性を高める
情報量の多さは重要なポイントであるものの、文章量が多いのみでは見やすく高品質なコンテンツとは言えません。下記の点を意識しつつ、ユーザーファーストの施策でページ自体の利便性も高めましょう。
- 図や画像でメリハリをつける
- 図や画像に対する解説も加えて分かりやすくする
図や画像を加えることで視覚的に見やすいページを作るのみではなく、利便性も高めることができます。現在のGoogleは画像に対する認識機能が改善されているため、コンテンツ評価の観点からも図や画像の適切な追加は効果的です。
3.ペナルティの確認方法
パンダアップデートは、ペンギンアップデートなどほかの検索アルゴリズムと同様、コアランキングアルゴリズムの一部です。そのため、仮に検索順位が下がった場合でも、パンダアップデート後のペナルティによる影響とは限りません。
パンダアップデートによるペナルティの有無を確認するために、まずはGoogle Search Console(グーグルサーチコンソール)をチェックしましょう。ペナルティは手動と自動の2種類があり、手動ペナルティを受けた場合は下記のいずれかのページで確認することができます。
- メッセージ
- 手動による対策
手動ペナルティを受けたときは、サイトのどの部分に問題があったのかを教えてくれるため、対処後にGoogleへ再審査リクエストを行いましょう。ただし、自動ペナルティの場合は通知が届かないため、メッセージの有無にかかわらず専用ツールなどでこまめな検索順位の確認が重要です。
3-1.ペナルティを受けたときの対処法2つ
ペナルティを受けたときの対処法は、主に以下の2つです。
〇既存コンテンツをリライトする
サイト全体の評価を上げるためには、高品質なコンテンツを新たに追加するのみではなく、低品質な既存コンテンツのリライトも必要です。作成してから期間が空いたコンテンツの場合、情報が古くなっている可能性があるため、最新情報にリライトすることで品質と信頼性を上げることができます。
〇低品質なコンテンツをnoindexにする
Googleの検索エンジンは、すべてのコンテンツを評価しているわけではありません。低品質なコンテンツをnoindexにすると、Googleの検索エンジンにインデックスされなくなるため、サイトの評価に対する影響を避けることができます。人気記事や高品質なコンテンツのみを検索エンジンにインデックスされるよう対処すると、上位表示されやすくなります。
まとめ
サイト運営において、検索エンジンの上位表示を目指すために意識すべきことのひとつが、パンダアップデートによる影響です。低品質なコンテンツが上位表示されることを避ける目的で導入されたパンダアップデートは、高品質なコンテンツを作ることがSEO対策になる環境を作りました。
特定のキーワードに関する情報を専門的に掘り下げ、図や画像を加えて利便性の高いコンテンツを作ることで、上位表示を目指せます。パンダアップデートを意識し、評価されやすいコンテンツ作りを意識しましょう。