URL正規化をサボるな!canonicalでURL統合すべき3つの理由

SEO

URL正規化の方法!canonicalなどでURLは統合すべき
日頃検索結果で目に付きやすいサイトは、検索結果で上位を獲得できるように、さまざまなSEO対策を行っています。
「URL正規化」は、基本的なSEO対策のひとつです。Webサイトの立ち上げ時はもちろん、運営するなかで生成されていく重複ページを管理するためにはURL正規化が欠かせません。 面倒なのはわかりますが、サボってやらないのはモッタイナイ! そこで今回は、基礎SEO対策としてURL正規化が必要な理由や、URL正規化を行うことが推奨されるケース、URL正規化を実施する4つの方法について詳しく解説します。 URL正規化を行った際のチェックリストや確認方法についても紹介するため、検索結果で上位表示を目指したい人はぜひ参考にしてください。

目次

1.URL正規化とは?

URL正規化とは、内容が同一もしくは非常に似通ったWebページのURLが複数パターン存在する場合に、ひとつのURLに統一することです。 Googleなどの検索エンジンは、URLの表記にわずかな差があるだけで、全く同じコンテンツでも異なるページが存在すると認識します。URLを正規化していない場合、検索エンジン側で正規URLを独自に判断するため、意図していないページが検索結果に表示されることもめずらしくありません。 URLを正規化することで、検索エンジンに対して「ユーザーがこのキーワードで検索した場合はこのページへ案内してほしい」と指定することも可能です。

2.URL正規化が必要な3つの理由|URL正規化を行わないデメリット

URL正規化を行わなくとも、Webサイト自体は正常に表示されるため、何の問題もないと考える人は少なくありません。 しかし、URL正規化を行わないことで、いくつかのデメリットが生じるため、できる限りURLは正規化すべきといえるでしょう。 ここでは、URL正規化を行わない場合の3つの理由とデメリットについて解説します。

2-1.ページに対する検索エンジンの評価が分散する

ひとつのコンテンツに複数URLが存在していた場合、検索エンジンはそれぞれが独立したページとみなし、個別に評価を下します。そのため、ひとつのコンテンツとして集計されるはずの評価が複数のページに分散することで、本来の検索順位よりも下位に表示される結果となりかねません。 また、サイト内に同一のコンテンツが多数あると認識された場合、サイト全体の質が低いと判断され、ペナルティが課せられる可能性があります。

2-2.クローラビリティが低下する

URLの正規化が行われていないと、検索エンジンのクローラーは、サイト内に存在するすべてのページをクロールしなければなりません。 本来一度のクロールで済むはずのページが複数存在することで、二度三度と余計な手間がかかり、更新・改善したページへのクロールが遅れたり、行き届かなかったりします。 クローラビリティが悪いサイトはクロール頻度そのものが低下するため、サイトの新しい情報が検索エンジンへ素早く伝わらず、WebサイトのSEO効果も低下します。

2-3.トラッキング分析の時間や手間がかかる

Webサイトの運営にトラッキング分析を活用する場合、重複ページが存在することでURLデータの抽出量も倍増します。 たとえば、URLが4~5つあれば、抽出されるデータも4~5倍となる分、データの解析や運用にかかる時間や手間も多く必要です。また、重複データを扱うことで計算の煩雑さも増すため、解析の正確性も下がりかねません。

3.URL正規化を行うべきケース

URL正規化を行わないことによるデメリットの大きさを考えれば、URLの正規化は可能な限り早期に実施することが推奨されます。 とはいえ、現在運営しているWebサイトはすでにURL正規化が行われている状態なのか、それともURL正規化を実施すべきなのか判断できない人もいるでしょう。 ここからは、URL正規化が必要となる10種類の具体例を挙げて紹介します。

3-1.「index.html」「/」などURL末尾が統一されていない

サイト全体やディレクトリのインデックスページ、各ページのURL末尾に「index.html」や「/」が付いたり付かなかったりする場合は、URLの正規化が必要です。 「index.html」や「/」のありなしが混在しているケースでは、検索エンジンのほうで同一のページであると判断し、自動的に処理してくれる可能性があります。しかし、確実とは言えないため、検索エンジンに任せきりにせず、Webサイトの管理者側で正規化の処理を行いましょう。 URLを統一化する際は、特段の理由がない限り、「index.html」や「/」をすべて「なし」にします。短いURLは入力しやすいだけでなく、将来的に拡張子が変更されたときにも流用しやすいためです。

3-2.「wwwあり」「wwwなし」のページが混在している

「wwwあり」「wwwなし」のページが混在している場合も、サイト全体でどちらか一方に統合するほうがよいでしょう。 なかには「URLには必ずwwwが付く」といった認識を持つ人もいるため、「wwwあり」にすることで、「https://」などの部分がなくともWebサイトだと認識されやすくなります。 また、大手サイトは「wwwあり」が多いことから、サイト自体に好印象を持たれるケースも少なくありません。 反対に「wwwなし」の場合、短いURLはユーザーが覚えやすく、スマホなどで入力しやすいといったメリットがあります。 SEO対策では、wwwのありなしに関してどちらが有利・不利ということはありません。 どちらにもメリットはあるため、自社のブランドイメージに合わせて「wwwあり」「wwwなし」を選択しましょう。

3-3.「http」と「https」の両方のページが存在している

「http」と「https」で両方のページが存在している場合は、「https」へ統合することが推奨されます。「http」と「https」の差は、ページが暗号化されているかいないかです。「http」は暗号化あり、「https」は暗号化なしを指します。 ページの暗号化は、セキュリティが強化されていること表しているため、サイトの信頼性が担保されます。httpを使用しているサイトのアドレスバーには、警告マークが表示されることもあり、ユーザーの離脱にもつながりかねません。 Googleでは「https」の利用を推奨していることから、ユーザビリティはもちろん、SEOの観点からもセキュリティの強化は必須と言えるでしょう。 ただし、移行にあたってはコストや手間がかかり、SNSのシェアボタンがリセットされるというデメリットがあることに注意してください。

3-4.同一ページ内にパラメーターを付与している

同一ページ内にパラメーターを付与している場合もURLの正規化が必要です。 パラメーターとはURLの末尾に付く変数を指し、サーバー側で動作するプログラムへ情報を送る役割を果たしています。広告ごとの効果を測定したり、ユーザーのアクセス経路を検知したりすることに利用されるシステムが、パラメーターです。 全く同じページに異なるURLが複数発生するため、コピーされたコンテンツと判断されかねません。

3-5.同一ページに対するURLが複数ある

URLの末尾やwwwのありなし、パラメーターの付与以外にも、同一ページに対するURLが複数発生するケースがあります。 たとえば、ページ名を指定した通常のリンク以外に、トラッキングコード付きのリンクがあったり、ファイル名でもWebサイトの表示が可能であったりする場合は、URL正規化が必要です。 外部サイトから貼られた被リンクのURLが正規化したいURLではない場合も、検索エンジンの判断を迷わせる原因です。被リンクのURLと正しいURLが異なるケースでは、被リンクURLを変更することが難しいため、URL正規化で対応する必要があります。

3-6.トップページのURLが分散している

サイト内には、システムによって自動的に統一して生成されるページだけでなく、各担当者が手作業で作成したページも存在するでしょう。 分業制をとってWebサイトを制作したために、トップページへつながるリンクのURLが担当者によって異なるケースはめずらしくありません。これは、サイトの開発者やページの制作者として、複数人体制を整えている場合に発生しやすいケースです。 まずは自サイトの正規URLに対する全担当者の認識を確認・共有し、その上でURLの正規化を行いましょう。

3-7.URLの大文字や小文字が統一されていない

URLの大文字や小文字が統一されていなくとも、リンク自体は正常に動作し、Webサイトは問題なく表示されます。しかし、URLの大文字や小文字が異なるだけでも、複数のURLが存在することになるため、注意が必要です。 URLの末尾が異なるケースと同じく、検索エンジンのほうで自動的に正規化されることもありますが、確実とはいえません。検索エンジンの能力を過信することなく、Webサイトの管理者側で正規のURLを指定しましょう。

3-8.2ページ目に進んでから戻ると最初のページのURLが変わる

長文の記事や商品の一覧ページなど、複数ページにわたりコンテンツが分割して表示される場合にも、URL正規化が必要です。 たとえば、2ページ目以降に進んでから1ページ目に戻った際、「example/list」から「example/list/1/」へとページのURL末尾が変化するケースです。 ページ移動が伴うコンテンツをWebサイトに掲載するときは、ページの遷移前後でURLに変化がないか確認し、URLを統一しましょう。

3-9.PC用とスマホ用でホームページのURLが異なる

PCサイトとスマホサイトでそれぞれディレクトリやドメインで分けてURLが異なる場合も、URLの正規化は行うべきです。 双方のURLで、コンテンツの内容が完全に異なっていれば問題はありません。しかし、同一の内容で見せ方を変えているだけの場合や、一部しか変更していない場合は、コピーされたコンテンツと判断される恐れがあります。

3-10.ソートをかけると違うURLが出力される

サイト内で検索をかけることで、複数のURLが生成されることがあります。主にECサイトなど、販売する商品のフィルタリングに用いられるシステムです。 たとえば、商品の一覧ページで「新しい順」などでソートをかけた場合、ソート前とソート後ではURLと並び順が異なるだけで、コンテンツ自体に大きな変化はありません。 検索エンジンから重複したコンテンツとみなされる可能性が高く、SEO効果が得られないため、URLの正規化は必須となります。

4.URL正規化を行う方法|SEO効果の向上につなげるポイント

URL正規化が必要なケースは複数あるように、URL正規化の実施方法にもいくつか種類があります。Webサイトの状況によって、どの方法でURL正規化を行うべきかは異なります。 以下は、URL正規化が必要なケース別に、推奨する実施方法をまとめた表です。
URL正規化が必要なケース 推奨する正規化方法
「index.html」「/」などURL末尾が統一されていない 301リダイレクト
「wwwあり」「wwwなし」のページが混在している 301リダイレクト
「http」と「https」の両方のページが存在している 301リダイレクト
同一ページ内にパラメーターを付与している canonicalタグ
同一ページに対するURLが複数ある canonicalタグ
トップページのURLが分散している canonicalタグ
URLの大文字や小文字が統一されていない 301リダイレクト
2ページ目に進んでから戻ると最初のページのURLが変わる 301リダイレクト
PC用とスマホ用でホームページのURLが異なる canonicalタグ&alternateタグ
ソートをかけると違うURLが出力される canonicalタグ Google Search Console
ここからは、URL正規化を行う4つの方法を詳しく解説します。

4-1.301リダイレクトを設定する

301リダイレクトとは、特定のページへユーザーが訪れた際、設定したURLへ転送してくれるシステムのことです。301リダイレクトを使用すると、転送元のページが受けているSEO評価を引き継ぐことができます。 他にもリダイレクト機能を持つシステムとして、302リダイレクトやmeta refreshが存在しますが、特に理由がない限りは301リダイレクトを選択しましょう。
301リダイレクトを選ぶべき理由
302リダイレクトは一時的な転送を意味しており、主にサイトのメンテナンス中や一時的な移転の際に利用されます。301リダイレクトと同じように利用できますが、Googleにサイトの移転を認識して処理されるまでの速度がわずかに遅いことが欠点です。 meta refreshは自サイトのなかに設置でき、転送までの秒数も指定できるため、手軽で便利なリダイレクト方法となります。ただし、こちらはGoogle側によって使用が推奨されておらず、転送元のSEO効果を引き継ぐこともできません。

301リダイレクトを使用した場合、正規のURLへ自動的に転送されるため、ユーザーが余分に操作する必要がないことが利点です。Webサイトが移動したことにも気が付きやすいため、転送先のアドレスを認識する確率も高くなります。Webサイトの訪問者に対して親切なことから、Googleでは301リダイレクトの使用を推奨しています。

301リダイレクトを設定するときには、.htaccessファイルを使用します。 メモ帳などのテキストエディタを開き、ファイル名「.htaccess」・ファイルの種類「すべてのファイル」に設定しましょう。このファイルに301リダイレクトの内容を記述し、サーバーにアップロードすることで、リダイレクトが実行されます。 ただし、契約しているサーバーによっては、.htaccessファイルを使用できないため、事前に環境を確認しなければなりません。.htaccessファイルが使用できるサーバーには、.htaccessに関するマニュアルが用意されていることがほとんどです。ファイルをアップロードする前に、しっかりと読み込んでおきましょう。 以下に、正規URLのアドレスを「https://サイトのドメイン.com」と仮定して記述例を紹介します。

■「index.html」なしに統一する場合

Options +FollowSymLinks
              RewriteEngine on
              RewriteCond %{THE_REQUEST} ^.*/index.html
              RewriteRule ^(.*)index.html$ https://サイトのドメイン.com/$1 [R=301,L]

■「www」ありに統一する場合

Options +FollowSymLinks
              RewriteEngine on
              RewriteCond %{HTTP_HOST} ^サイトのドメイン\.com$
              RewriteRule ^(.*)$ https://www.サイトのドメイン.com/$1 [R=301,L]

■「www」なしに統一する場合

Options +FollowSymLinks
              RewriteEngine on
              RewriteCond %{HTTP_HOST} ^www\.サイトのドメイン\.com$ [NC]
              RewriteRule ^(.*)$ https://サイトのドメイン.com/$1 [R=301,L]

■「http」から「https」へ統一する場合

Options +FollowSymLinks
              RewriteEngine on
              RewriteCond %{HTTPS} off
              RewriteRule ^(.*)$ https://サイトのドメイン.com/$1 [R=301,L]
上記の各3行目の「RewriteCond~」は、転送元となるページのアドレスに含まれる文字列の条件です。そして、各4行目の「RewriteRule~」で、「上記の条件に合致するページにアクセスがあったときはこちらへ転送してください」と指定しています。 3行目「RewriteCond~」の最後に「大文字と小文字を区別しない」という意味の「[NC]」を付けることにより、大文字と小文字が統一されていなかったURLも含めた正規化が可能です。 なお、301リダイレクトはページ単位で処理されるため、部分的にリダイレクト処理が終わっていても、すべてのページに適用されるわけはありません。 また、クローラーが一度巡回しただけではSEOの評価を正しく受け継ぐことはできないことから、301リダイレクトの設定後からWebサイトの移転を認識するまでには一般的に2~5週間、長ければ2か月程度の時間がかかります。

4-1-1. .htaccessファイルを使用できない場合

これまで紹介した方法は、.htaccessファイルにサーバーの拡張機能である「mod_rewrite」が使用できた場合の記述方法となります。拡張機能を使用できない場合や、Webサイト全体をリダイレクトする場合は、下記の方法を利用しましょう。
Redirect permanent / https://サイトのドメイン.com
Redirect permanent /旧ファイル名/旧ページ名.html htts://サイトのドメイン.com/新ファイル名/新ページ名.html

4-2.canonicalタグを使用する

基本的に、URL正規化を行う際は、301リダイレクトの使用が優先です。 ただし、以下のようなケースでは、canonical属性タグを設定しましょう。
  • サーバーが.htaccessファイルの使用に対応していない
  • スマホ用のWebサイトに別URLを使用している
  • ソート機能を使用すると別URLが生成される
  • 広告用や販売用のページとSEO用のページで内容が重複する
  • HTMLソースの流用などによってコンテンツの内容が重複する
canonicalタグは、正規化したいURLを指定することによって、検索エンジンからの評価を一本化し、重複コンテンツと扱われることを防ぐタグです。 たとえば、ECサイトの商品一覧ページなどでソート機能を使用した場合、並び替えの前後でURLが変われば、異なるURLで同じコンテンツを掲載しているとして重複コンテンツと判断される恐れがあります。 このように、ページ自体は独立して機能させつつ、重複ペナルティを防いで評価だけをまとめたい場合には、301リダイレクトではなくcanonicalタグを使用しましょう。 ユーザーの居場所そのものを転送する301リダイレクトとは異なり、URL正規化を行ったページにアクセスされなくなることはありません。 canonicalタグは、HTMLのhead要素へ以下のように記述します。

■canonicalタグの記述方法

<head>
<link rel="canonical" href="正規化するページのURL">
</head>
PC版URLとスマホ版URLが異なる場合は、canonical属性タグと同時にalternate属性タグを設定しましょう。alternateタグは、スマホで表示しやすいようにPCサイトとは別のURLに同じページ内容で作成している旨を検索エンジンに伝えるものです。 canonicalタグとalternateタグを一緒に使うときも、HTMLのhead要素へ記述します。 PC版ページの記述にmedia属性を使用することで、スマホ版で別ページがあることを示せます。

■スマホ版ページへの記述

<head>
<link rel="canonical" href="PC版ページのURL">
</head>

■PC版ページへの記述

<head>
<link rel="alternate" media="only screen and (max-width: 640px)" href="スマホ版ページのURL">
</head>
また、canonicalタグはクロスドメインにも対応しているタグです。そのため、いくつかのECサイトを運営しているなど複数の異なるドメインでも、canonicalタグを使えば、URL正規化は行えます。

4-2-1.canonicalタグ設定時の注意点

canonicalタグは利便性の高いタグですが、細かいミスが発生しやすいタグでもあるため、canonicalタグの設定時は注意が必要です。canonicalタグの設定方法や記述方法を間違えると、Webサイトの評価や検索順位に多大な影響を及ぼしかねません。 以下に、canonicalタグの設定時に多いミスを紹介します。
canonicalタグの設定時に多いミス

○指定先のURLをすべてトップページに設定している

canonicalタグのhref属性にすべてトップページを指定することは、比較的多いミスの事例です。canonicalタグのhref属性には、それぞれのページに対応しているURLを個別に記述しなければなりません。

○body要素に記述している

canonicalタグは、head要素に使用するタグです。body要素に使用しても、検索エンジンに認識されることはありません。なお、canonicalタグは<head>直後に記述するなど、ソースのなかでも上のほうに配置することが推奨されています。

○href属性に絶対パスを指定していない

canonicalタグで指定するURLには、必ず絶対パスを使用しましょう。絶対パスとは、https://から始まる、アドレスバーへ表示される全URLです。現在のディレクトリをもとにリンクを作成する相対パスでは、検索エンジンが正確なURLを認識できません。

○canonicalタグを複数設定している

canonicalタグの二重設定は、Webサイトの作成にテーマやプラグインなどを利用している場合に起こりやすいミスです。複数設定されたcanonicalタグは、検索エンジンが認知しません。また、まれではありますが、使用しているテンプレート内にcanonicalタグが紛れ込んでいるケースがあるため、注意が必要です。

○分割表示のページで1ページ目を指定している

ページネーションを利用してページを分割で表示している場合、わざわざcanonicalタグで1ページ目のURLを指定することにメリットはありません。分割表示しているページは、コンテンツの複製には当たらないためです。また、2ページ目以降が検索結果から除外されることがあり、コンテンツとしての評価が下がる可能性があります。 検索結果に分割表示1ページ目を表示させたい場合は、全ページを統合した別ページを作り、そのURLでcanonicalタグを指定しましょう。あるいは、各ページの目立つところにリンクを貼ることで、ユーザーを1ページ目へ誘導することが可能です。

○URLの記述を間違えている

canonicalタグに記述されたURLが間違っていれば、誤ったURLがインデックスされる可能性があります。canonicalタグの記載URLが404などのエラーページあった場合、Webサイトの評価が下がり、検索順位に重大な影響が及ぶかもしれません。 canonicalタグを設定したあとは、正しいURLが記述されているかを確認しましょう。膨大なページ数があるWebサイトでは、自動的に記述できる管理ツールを活用し、手作業による人為的なミスを防ぐ方法が有効です。

○カテゴリページにcanonicalタグを設定している

カテゴリページは、新しいページを投稿するごとに変化するため、重複コンテンツには当たりません。カテゴリページから個別のページにcanonicalタグを設定すると、カテゴリページが検索結果に表示されず、ユーザーの目に留まる機会を失います。

なお、比較的一般的な設定ミスや記述ミスであれば、検索エンジンがcanonicalタグの存在自体を無視するケースがほとんどです。しかし、すべてのミスでこちらに都合のよい方法で検索エンジンが処理してくれるとは限らないため、canonicalタグの設定にミスが生じていないか厳しくチェックしましょう。

4-3.サイトマップで正規ページを指定する

サイトマップで指定することで、Googleに正規URLを伝える方法もあります。 サイトマップとは、サイトの地図を表すファイルです。一般的に使用される街の地図や、テーマパークの地図を思い浮かべればわかりやすいでしょう。トップページから末端のページに至るまで、画像や動画も含めた正確な情報をサイトマップに記載することによって、優先的にクロールしてほしいページを提示することができます。 Googleのクローラーは、ページに設定されているリンクをたどってWebサイトの情報を読み取ります。しかし、URLが重複していたり、Webサイト自体が大規模であったりすると、重要なページがどれかを確実に判断できません。そのため、サイト内の階層順に正規URLを示すことは、Googleがインデックスすべきページを正確に把握する手助けとなります。 ただし、URL正規化にサイトマップを活用する場合は、正規ページのみを提示しなければなりません。URLをサイトマップで送信することは、ページが正しい状態で存在する旨をGoogleに宣言することになります。重複したURLが含まれるなど、送信したサイトマップが不適切であれば、クローラーの判断を鈍らせるだけでなく、Webサイト自体の信頼性を損なう恐れがあります。 したがって、サイトマップを正確に作成できる自信がなければ、無理にサイトマップを送信する必要はありません。また、ページの総数が500に及ばない小規模なWebサイトや、適切なリンクが設定されているWebサイトなどであればサイトマップを作成する必要性はないと、Googleは明言しています。
  • サイトのサイズが「小さい」。サイトのページ数がおよそ 500 ページ以下の場合にサイズが小さいと考えます。検索結果に表示する必要のあるページのみをこの合計ページ数に加算します。
  • サイトはサイト内で完全にリンクされている。Google がホームページからリンクをたどって、サイト内の重要なページをすべて見つけられることを意味しています。

引用:Search Consoleヘルプ「サイトマップについて」

非常にWebサイトが大規模である場合や完全に切り離されたページが存在する場合を除き、基本的には301リダイレクトや​canonicalタグによるURL正規化を検討すれば問題ないでしょう。

4-4.Google Search Consoleから設定する

パラメーターやwwwの有無によるURL正規化に関しては、Google Search Consoleから設定することが可能です。 特に、ECサイトはフィルタリングの実装により、パラメータ付きのURLが生成されることが多くあります。また、自サイトに獲得している被リンクにパラメータが付いていると、自分で外部リンクを正規化することは困難です。 そうした手作業で管理しきれないパラメータ付きURLは、Google Search Consoleの「URLパラメータツール」から設定することで、クローラーの巡回を制御することができます。 また「wwwあり」「wwwなし」については、Google Search Consoleの「サイトの設定」画面からwwwの有無をどちらかに統一することができます。 ただし、Google Search Consoleの「URLパラメータツール」を使用するのは、Webサイトのページ数が1,000ページを超えており、パラメータ付きの重複URLが複数インデックス登録されている場合に限って推奨されています。 「URLパラメータツール」の使用がSEOに精通している場合に限定されている理由は、URLパラメータツールを誤って使用したときに、Googleのクローラーが重要なページを見逃す恐れがあるためです。無視されたページが存在しても警告や通知が行われることはない点に注意してください。

5.URL正規化を行った場合のチェックリスト

canonicalは、URL正規化を行うページごとに設定する必要があるため、間違いやミスが生まれやすいタグです。 canonicalタグに記述ミスなどがあると、重複コンテンツが存在することで本来とは異なるページに評価が集約し、検索順位が下落する恐れがあります。 そのため、canonicalタグの設定時は入念なチェックが必要です。 下記は、URL正規化を行った場合のチェックリストです。Webサイトをアップロードする前に、canonicalタグに間違いがないか確認しましょう。

□重複しているページのコンテンツと、正規のURLとして指定したページのコンテンツで、大きな相違はないか?

同一のテーマを扱っていても、コンテンツの類似性が低い場合は、検索エンジンがcanonicalタグの指定を認識しないことがあります。

□canonicalタグで指定するページは間違いなく存在しているか?

エラーや404・ソフト404など、指定先のURLが正規ページとして機能していない場合、検索エンジンからの評価が下がりかねません。

□canonicalタグの指定先が、robotsメタタグでnoindexと指定されていないか?

noindexは、検索サイトに表示させないためのタグです。canonicalタグで指定するURLは、検索結果で表示させたいページにしましょう。

□canonicalタグは<head>~</head>、もしくはhttpヘッダー内に含まれているか?

<body>~</body>など、head要素以外に記述しても、canonicalタグの効果は発揮されません。canonicalタグの記述場所に注意しましょう。

□同一のページ内に複数のcanonicalタグが設定されていないか?

canonicalタグで指定できるURLは、1ページにつきひとつだけです。複数のcanonicalタグを記述しても、検索エンジンは無視するため、意味がありません。

□canonicalタグで指定するURLは、絶対パスとなっているか?

相対パスでもページの指定はできますが、wwwの有無やhttp・httpsなどの指定はできないため、URL正規化には適していません。

□robots.txtを正規化の目的で使用していないか?

robots.txtは、検索エンジンのクローラーが寄り道せず効率的にWebサイトを巡回できるよう制御するファイルです。インデックスを避けるために使用するものではなく、重複ページの存在は引き続き認識されるため、URL正規化の効果はありません。

6.URL正規化ができているかを確認する方法

各ページにURL正規化を設定し、Webサイトをアップロードしただけでは、URLの正規化は完了していません。すべてのページが間違いなく正規化されているか確認する作業が必要です。 最後に、自分でURL正規化が完了しているか確認する方法を紹介します。

6-1.アドレスバーにURLを入力してアクセスする

301リダイレクトによってURL正規化ができているかどうかは、ブラウザのアドレスバーに、正規化を行う前のURLを入力することで確認できます。 たとえば、「wwwあり」から「wwwなし」へURL正規化した場合、「https://www.サイトのドメイン」とアドレスバーに入力しましょう。.htaccessファイルの記述が間違っていなければ、wwwなしのアドレスへ自動で転送されます。

6-2.Google Search Consoleを使用する

Google Search Consoleに任意のURLを入力することでも、URL正規化を正しく実施できたかどうか確認することが可能です。 まずGoogle Search Consoleへログインし、左のメニューバーから「URL検査」を選択します。ページ最上部の検索窓に調べたいURLを入力し、そのページの詳細を確認できる「カバレッジ」を開きます。 「インデックス作成」の以下にある「ユーザーが指定した正規URL」の項目に、canonicalで指定したURLが、「Googleが選択した正規URL」の欄に「検査対象のURL」が表示されていれば、URLの正規化は成功です。

6-3.リダイレクトチェックツールを活用する

リダイレクトチェックツールを使用することでも、301リダイレクトが成功しているかを確認できます。「リダイレクトチェックツール」と検索をかけると表示されるURL確認用のサイトのなかから、任意のサイトを選んで利用しましょう。 チェックツールに入力したURLのリダイレクト設定が適切であれば、リダイレクト回数や成功したデータが表示されます。リダイレクトに失敗した場合は「リダイレクトしていません」や「error」などと表示され、リダイレクトの回数表示も0回です。 また、サイトによっては、設定されているリダイレクトの種類なども表示されます。 URL正規化にはHTMLの修正・編集が伴うため、ソースコードの修正後はツールなどを利用して必ず動作確認を行いましょう。

まとめ

URLの正規化は、検索エンジンの評価が分散することを防ぎ、クローラビリティやユーザビリティを改善するために欠かせないSEO施策です。 URLが重複・混在する現象は、管理者の意図しないところで発生します。「検索順位が上がらない」「ユーザーの流入が少ない」という場合は、自分のWebサイトがURL正規化を行うべきケースに該当しないか確認しましょう。そのうえで、適切かつ正確な方法でURL正規化を行うことが大切です。 URL正規化を実施した際は、リダイレクト設定やcanonicalタグにミスがないか重点的にチェックし、きちんと反映されているかどうか確認しましょう。
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