まだ構造化データマークアップしてないの?2つのメリット・デメリット

SEO

構造化データマークアップのメリット・デメリットとやり方を徹底解説

競争が激しい現在のWebマーケティングにおいて、少しでも他のサイトと差別化を図って成果を出すためには、インターネットに関連する技術動向を把握しておくことが重要となります。

Googleの検索エンジンの高度化に伴って、近年注目されている技術の1つが、構造化データマークアップと呼ばれる技術です。
構造化データマークアップとは、本来検索エンジンが判断できない情報をHTMLファイル内に記述することで、より分かりやすく検索エンジンに情報を伝えるための技術のことを言います。

今回は、今後のWebマーケティングにおいて重要になると予測されている構造化データマークアップの概要や、構造化データマークアップを行うメリット・デメリットを解説します。
さらに、具体的なマークアップの記述方法やポイント、検証方法についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。

1.構造化データとは?

構造化データとは、Webサイトに記述された各要素と内容を分かりやすくタグ付けすることで、検索エンジンがWebサイトの内容を読み取りやすくするための方法です。
WebページのHTMLファイルにマークアップを行うことで、ページ内に記述されている各要素と内容に意味付けを行います。

構造化データが注目されるようになった背景には、WWWの考案者であるティム・バーナーズ・リー氏が提唱するセマンティックWebという概念があります。

検索エンジンは、本来Webサイトに記載されたテキスト情報を機械的に読み取るため、テキストを単なる記号としか認識できません。

セマンティックWebとは、Webサイトのテキストに一定のルールに則ったデータで意味付けをすることで、検索エンジンがテキストの意味や背景まで解釈して情報を収集できるようにしようという考え方です。

構造化データマークアップは、このセマンティックWebが目指す概念を、具体的に実現するために開発された技術と言えるでしょう。

構造化データを活用することで、検索エンジンがより高い精度で検索結果を提供できるようになることは、Googleが掲げている「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」というミッションを実現していくにあたって、今後益々重要になると考えられています。

1-1.構造化データがSEOに与える影響

構造化データを用いることで、クローラーがよりWebサイトのコンテンツを正確かつスムーズに認識することができるため、Googleからの評価も得やすくなります。

構造化データそのものは、直接検索順位に影響を与えるものではありません。しかし、上質なコンテンツを作成してクローラビリティを高めることは、コンテンツのインデックスを促進して検索上位表示を狙う上では有効な手段です。
間接的な影響とはなりますが、構造化データがSEOに与える影響は少なくないと言って良いでしょう。

また、構造化データを用いることで、クローラビリティ向上だけではなく、検索流入の向上といったメリットを得ることもできます。
構造化データをマークアップすることにより、検索結果画面の精度向上やリッチスニペット表示といった効果が期待できるため、表示された検索結果からユーザーがサイトに流入しやすくなります。
リッチスニペットで自社サイトの情報が強調されて表示されることは、他社サイトとの差別化にも繋がります。

SEOにおいては検索順位だけではなく、実際に検索ユーザーがサイトを訪問してくれることが重要であるため、構造化データをマークアップするメリットは大きいと言えます。

構造化データが検索エンジンのクローリングに与える影響は今後増えると予測されており、SEO対策においてもさらに重要な技術となる可能性があります。

2.構造化データマークアップを行うメリット・デメリット

構造化データマークアップはWebサイト運営において大きなメリットがあることから、積極的に活用されている技術です。しかし、その反面デメリットも存在します。

ここでは、構造化データマークアップのメリット・デメリットについて解説します。

●メリット

メリット1.検索エンジンがコンテンツ内容を簡単に把握できる
構造化データをマークアップする本来の目的は、検索エンジンにより精度の高い情報を伝えることです。サイトコンテンツに適切な記述を施せば、クローラーがページ内容を明確かつ適切に認識することができます。

結果としてクローラビリティの向上やユーザーの検索体験の向上といった、Webサイト運営上好ましい結果を得ることができます。

メリット2.検索結果にリッチスニペットが表示される
通常のGoogle検索結果においては、リンクとサイト内から引用したテキストが一覧で表示されますが、構造化データをマークアップすると、検索結果の表示に影響を与える場合があります。

構造化データマークアップを使用したサイトは、リンクとテキスト以外にも、住所・営業時間・口コミ・価格・画像などの詳細データを含んだ検索結果が大きく表示される場合があります。これをリッチスニペット表示と言います。

下記の条件を満たしていることが、リッチスニペットが表示される可能性に大きく関係していると言われています。

  • Googleが定めるリッチスニペットのガイドラインを満たしている
  • コンテンツのクオリティが高い
  • リッチスニペット表示に適切なクエリとなっている

リッチスニペットが表示される条件については、厳密には検索エンジンのアルゴリズムによって決定されるため、詳細は分かっていません。
なるべくGoogleのガイドラインを満たしつつ、適切な構造化マークアップを記述することが、リッチスニペットを攻略する近道と言えるでしょう。

●デメリット

デメリット1.デザインを改修する際の工数が増える
Webサイトに構造化データマークアップを実装するためには、サイトの規模に応じた工数が必要です。また、HTMLの構造によってはサイトの構成やデザインを変更しなければならないこともあります。

また、構造化データマークアップの有効性を発揮するためには、その概念や技術に対する理解が必要となります。誤った記述を行うと、逆効果となる危険性もあるためです。

構造化データマークアップによって得られるメリットとデメリットを比較して、投下する時間やコストに見合うかをよく検討する必要があると言えるでしょう。

デメリット2.検索エンジンの動向によってはメンテナンスが必要となる
検索エンジンならびにインターネットの技術は日々進化し続けています。数年後に今の技術が過去のものとなることは珍しくありません。
現に、構造化マークアップに使用されるMicro dataという記述方式は、JSON-LDやRDFa Liteといった他の技術に代替されつつあります。

今後の検索エンジンの動向によっては、現在のWebサイトに施している構造化データマークアップの大々的なメンテナンスが必要となる可能性も充分に考えらえます。

3.SEOを強化する構造化タグの種類

構造化データをマークアップするタグにはたくさんの種類があり、Webサイトに記載されている内容を対応するタグで囲むことで、検索エンジンは内容を理解しやすくなります。

ここでは、代表的な構造化タグとその特徴について解説します。

・<section>
1つの見出しとそれに対応する本文と補足情報から構成される、ワンセットの文章がセクションです。

<section>タグを記述することで、見出しと文章のまとまりや、セクションごとの内容の切り替わりを検索エンジンが把握・理解しやすくなります。

・<article>
<article>タグは、本文記事に対して記述するタグです。タグで囲った範囲が独立した記事であることを示します。
ブログやメディアでは1つのテーマの記事全体が、ニュースサイトでは個々のトピックが独立した記事となります。

<article>タグで囲むことで、検索エンジンは1つの文章のまとまりを理解しやすくなるため、重要なタグです。

・<aside>
<aside>タグは、コンテンツ内の補足情報であることを示すタグです。検索エンジンは本文と補足情報を区別できないため、両者が混在したまま情報を読み取ってしまいます。

<aside>タグをマークアップすることで、本文と補足に書かれている情報を区別して、本文の文脈の流れを損なうことなく検索エンジンに情報を伝えることができます。

・<nav>
<nav>タグは、Webサイトのナビゲーションに対して適用するタグです。グローバルナビゲーションやパンくずリストなどの重要なリンクナビゲーションに対して使用します。
SEOにおいてパンくずリストの設置が推奨されているように、サイトのナビゲーションは検索エンジンがWebサイトの構造を理解する上で重要な役割を果たします。

ナビゲーション部分に構造化データマークアップを施すことで、検索エンジンがサイトの構造を理解しやすくなります。

・<header>
Webサイトのページ上部に位置するヘッダーは常にユーザーの目に留まることから、重要な情報や見せたいページへのリンクが掲載されるなど、コンテンツ本文とは違ったヘッダー独自の役割を持っています。

<header>タグを用いることで、ヘッダーに記載されている情報を本文から切り離して検索エンジンに伝えることができるため、ヘッダー本来の役割が明確化されます。

・<footer>
<footer>タグは、記載されている情報がページのフッターであることを示すタグです。フッターには、コンテンツの著者情報・コピーライト・企業情報などを記載します。

<footer>タグで囲むことで、本文とフッターに該当する情報を検索エンジンが明確に区別できます。

4.構造化データマークアップを行う上で重要な言葉

構造化データマークアップを行うためには、ボキャブラリーとシンタックスという2つの重要なワードとその概念について理解しておく必要があります。

ボキャブラリーとはマークアップを定義する規格のようなもので、シンタックスとはマークアップの記述方法のことを言います。

それぞれの概念について、以下に詳しく解説します。

4-1.ボキャブラリー

ボキャブラリーとは、構造化データをマークアップする際に、どの単語がどのような情報に対応しているのかを示す規格のことを言います。

現在、Googleがサポートしているボキャブラリーは「schema.org」です。
以前は「data-vocabulary.org」というボキャブラリーもありましたが、この機能は2020年4月にサポートを終了しました。そのため、現在は「schema.org」で構造化データのマークアップを行います。

Googleが推奨しているボキャブラリーも「schema.org」であることから、構造化データマークアップに使用するボキャブラリーは「schema.org」を選択すると良いでしょう。

「schema.org」にはさまざまなタイプとプロパティが用意されており、業種によって最も近いタイプのマークアップを選択することで、より詳細な構造化データマークアップを作成することが可能です。

また、「schema.org」のボキャブラリーは網羅性を強化するために、Google・Yahoo!・Microsoftの大手検索エンジン3社が共同で拡張に取り組んでおり、日々マークアップが可能な値は増え続けています。

4-2.シンタックス

ボキャブラリーが値を定義する単語集のようなものであるのに対して、シンタックスは構造化データをHTMLにどのように記述するかという仕様のことを言います。

現在Googleがサポートしており、主に用いられているシンタックスには以下の3つがあります。それぞれ特徴が異なりますが、どれを使用しても問題はありません。

・JSON-LD
Googleが推奨しているシンタックスがJSON-LDです。以下に解説する2つのシンタックスよりもデータが大きくなるというデメリットはありますが、HTML内の任意の1箇所にまとめて記述できることが特徴です。

各要素に直接マークアップする必要がないため、記述や管理が非常にシンプルなシンタックスと言えます。

・Micro data
HTML5のみに準拠した仕様のシンタックスです。HTMLに特化しているため、本来記載されているHTMLと構造化データマークアップの親和性が高く、比較的扱いやすいシンタックスと言えます。

W3Cによる勧告が2013年に停止しているため、旧式のシンタックスという位置づけとなります。

・RDFa
Micro dataに類似した仕様のシンタックスですが、HTML5以外の言語も使用できるなど汎用性が高く、扱いやすいシンタックスです。また、W3Cにより推奨されている仕様でもあります。

RDFaは仕様が複雑で難解であるため、現在ではRDFaをベースに開発されたRDFa Liteというシンタックスが主に使用されています。

JSON-LDを使用しない場合は、RDFa Liteでマークアップすることがおすすめです。

シンタックスは、サイト環境やメンテナンス性を考慮して選びましょう。
基本的には1つのシンタックスを選択することが一般的ですが、1つに絞らずに複数のシンタックスを使い分けることも可能です。

検索エンジンに伝える内容に差異がないよう気を付ける必要がありますが、環境次第では複数のシンタックスを使い分けてみても良いでしょう。

5.業種によって最適な「schema.org」のタイプは異なる

Schema.orgは、複数のTypeが選択可能となっており、選択したTypeによって設定できるプロパティが異なります。
Webサイトに掲載されているページコンテンツの内容や業種に合わせたTypeを選択することで、より精度の高い構造化データを記述することが可能です。

ここでは、よく利用されるSchema.orgのTypeと、Typeごとの特徴や設定のポイントを解説します。

■Organization(組織)

Organizationは組織情報を記載するためのTypeであり、あらゆるWebサイトで利用できる非常に汎用性の高いマークアップです。
トップページにTypeをマークアップすることで、特定のブランドについてのサイトであることを示すことができます。

組織情報を記載するためのTypeは、下記のようにそれぞれの団体や組織に特化した具体的なTypeを指定することもできます。

  • Corporation(企業)
  • Government Organization(行政機関)
  • Medical Organization(医療機関)
  • Educational Organization(教育機関)
    など

自社サイトに該当するTypeがある場合は、それぞれの組織に特化したTypeを指定しましょう。より詳細な構造化データをマークアップすることができます。

どのTypeに属するか判断が難しい場合や、組織の区分が難しい場合は、Organizationを選択してマークアップしておけば問題ありません。

■Local Business(ローカルビジネス)

ローカルビジネスとは、地域密着型のスモールビジネスのことです。インターネット社会となった現代でも事業者数が圧倒的に多く、また店舗型でないと展開できない業種も存在するため、多くの方に利用されています。

ローカルビジネスに該当するWebサイトは、Local BusinessのTypeだけではなく、schema.orgで各業種に合わせたサブタイプも豊富に用意されています。

例えば、下記のようなTypeが挙げられます。

  • Food Establishment(飲食)
  • Shopping Center(ショッピングセンター)
  • Store(小売店)
  • HealthAndBeauty Business(健康/美容関連)
  • Automotive Business(自動車関連)

ローカルビジネスは、それぞれの業種によってサイトに掲載されている情報が異なります。
適切なTypeを選択し、よりサイトのコンテンツ情報に合ったプロパティを入力することが、ローカルビジネスの構造化データ作成において特に重要となります。

■ECサイトでよく利用されるType

インターネットが普及して、EC(electronic commerce)サイトも非常に多くなりました。ECとは電子商取引のことで、インターネット上での売買全般のことを言います。

schema.orgでは、以下のようなECサイト向けのTypeも複数用意されています。

・Product(製品)
製品に関連する価格などの情報を検索結果画面に表示できるため、ECサイトには欠かせないマークアップです。製品ページだけではなく、製品を販売する業者のページにも使用できます。

・schema.org/Course
オンラインでセミナーや講座などのコンテンツを提供している場合に使用するTypeです。このTypeを選択することで、販売しているコンテンツの内容に合った説明文を検索結果に表示することができます。

・review(レビュー)
自社のWebサイト内に、自社プロダクトに対するユーザーからのレビューがある場合に使用するTypeです。reviewをマークアップすることで、製品の評価を製品ページの検索結果画面に表示することができます。
クリック率や購入率向上に役立つため、ECサイトでは活用したいマークアップです。

このようにschema.orgでは、ECサイトを運営する上で非常に役に立つTypeが用意されています。自社サイトのブランディングや信頼性の獲得から、ユーザーの利便性や購入率の向上まで期待できるため、これらのマークアップを活用しない手はないでしょう。

6.構造化データマークアップを行う方法

ここでは、実際にWebサイトへ構造化データマークアップを行う方法を解説します。

構造化データマークアップを行う方法には、手作業でHTMLファイルに直接マークアップする方法と、構造化データマークアップ支援ツールを活用する方法の2種類があります。

それぞれの実装方法の具体的な手順や、メリット・デメリットについて見ていきましょう。

6-1.HTML上で直接マークアップする場合

一般的なWebサイトの場合、各ページのHTMLファイルに直接構造化データをマークアップします。

構造化データを直接記述する場合は、まずボキャブラリーとシンタックスを選択します。
基本的にボキャブラリーは、Googleが推奨している「schema.org」を選択すれば問題ありません。シンタックスは「JSON-LD」「RDFa Lite」「Micro data」の中から選択します。

シンタックスはどれを選択しても問題はありませんが、記述方法とメリット・デメリットが異なります。

・Micro data
HTML5に特化したシンタックスが、Micro dataです。構造化データを定義する際にも、基本的にHTMLタグやHTML属性を使用するため、もととなるHTMLと構造化データの整合性が取りやすく、属性も細かく指定できることがメリットとなります。

Micro dataのデメリットは、指定できる属性が多く直接HTMLにマークアップすることから、ソースコードが煩雑になりやすいことです。
また、メンテナンスを行う手間や時間もかかります。

・RDFa Lite
RDFa Liteは、もともとセマンティックWeb用に作られた仕様であるRDFaを、扱いやすいようにシンプル化してリリースしたシンタックスです。Micro dataと似た仕様であるため扱いやすく、XHTMLでも使用することができます。

デメリットとしては、Micro dataと同じくソースコードが煩雑になる点と、構造化データマークアップ支援ツールではXHTMLが使用されていないため、サポートされていない点が挙げられます。

・JSON-LD
JSON-LDは、ソースコードがシンプルであるため、記述する人間だけではなくコンピューターからも読み取りやすいといった特徴を持っています。

Micro dataやRDFa Liteとは異なり、JSON-LDは本来のHTMLソースとは分離して記述する形式であるため、記述や管理の手間が少ないといったメリットがあります。
また、データはHTML内の1箇所にまとめて記述することができるため、メンテナンス性にも優れています。

データ量が多くなるというデメリットはありますが、扱いやすい仕様でGoogleが推奨しているシンタックスでもあるため、手書きで構造化データを記述する場合は、JSON-LDを選択することをおすすめします。

6-2.WordPressのテンプレートに記述する場合

WordPressでWebサイトを構築している場合は、WordPressのテンプレートに構造化データをマークアップします。

基本的な記述方法はHTMLファイルに直接記述する場合と同じですが、いくつかの注意点があります。

WordPressの場合はテンプレートへの記述となるため、ページタイトルやURLといったページごとに変化する部分をWordPressタグに置き換えなくてはなりません。各ページ共通の値については、従来の記述と同じで構いません。

WordPressを使用しているサイトの場合は、構造化データマークアップの知識とWordPressのタグや関数に関する知識の両方が必要となるため、難易度がやや高くなります。

作成手順としては、まず従来の構造化データマークアップを記述して問題がないかを確認した後、そのデータにWordPressテンプレートならではのタグや変数が必要となる部分を置き換える方法がおすすめです。

作成プロセスを2段階に分けることで、それぞれの知識や技術を混同することなく、スムーズに作業することができます。

6-3.構造化データマークアップの支援ツールを用いる場合

構造化データマークアップ支援ツールとは、Googleが提供する構造化データの記述をサポートするためのツールです。
ツールにあらかじめ用意された項目に必要な情報を入力すると、入力したデータに対応した構造化データを記載したHTMLを自動で生成してくれます。

ただし、構造化データマークアップ支援ツールで選択できる値やプロパティは限定的なものであるため、Webサイトの構造によっては不向きである場合があります。

複雑な構造化データを必要としないであろうサイトをマークアップする場合や、構造化データの概念や技術にある程度知見がある方が、マークアップのプロセスを省くために使用する場合におすすめのツールです。

6-4.データハイライターを用いる場合

Googleが提供するWebマーケティングツール”Google Search Console”に搭載されている「データハイライター」という機能でも、構造化データをマークアップすることができます。

データハイライターも、HTMLファイルに直接構造化データを記述しなくても、画面の指示に従い必要な情報を入力していくだけで、簡単にHTMLファイルに構造化データをマークアップすることができます。

また、データハイライターは類似したページであれば、一度に複数マークアップを行うことも可能です。ただし、HTMLが複雑なページや選択した複数のページに規則性がない場合は、1ページずつ登録する必要があります。

データハイライターは直接コードを触る必要が全くないため、構造化データマークアップ支援ツールよりも初心者の方に適しているツールと言えます。これからWebサイトに構造化データを実装していこうと考えている方のファーストチョイスとしてもおすすめです。

7.構造化データをサイトに設置する際の手順

はじめてWebサイトに構造化データをマークアップする場合、何から手を付けて良いのか分からない方もいるのではないでしょうか。

おすすめの方法は、構造化データ実装の手順を細分化して、順番に消化していくことです。
一つひとつの工程に分けて簡略化し、ステップを着実にこなしていくことで、構造化データを実装することができます。

ここでは、構造化データをサイトに実装するまでのプロセスと、その作業内容を解説します。まずは全体像を把握して、作業のイメージを掴んでください。

7-1.サイト内にあるテンプレートをリスト化する

まずは、Webサイト全体の構造を解析することから作業をはじめます。
Webサイトにはテンプレートと呼ばれる共通して使用されている部分がありますが、これらを抜き出してリストアップします。

テンプレートをリストアップすることで、問題を客観的に見ることが可能です。

7-2.テンプレートを1つ選び価値がありそうなものをメモに書き出す

テンプレートをリストアップしたら、その中から最もWebサイトの根幹に関わりそうなものをピックアップします。

ピックアップしたテンプレートを構成する要素を細かく分析して、どの項目にどのような値や属性を付与すれば良いかをメモに書き出していきます。

7-3.メモに書き出したものをJSON-LD化する

前項で作成したメモを参考に、HTMLファイルに構造化データをマークアップしていきます。ここでは、JSON-LDシンタックスを使用するものとします。

事前に作成したメモをもとに、schema.orgや競合サイトなどから該当する構造化データのタイプを把握し、JSON-LD化する方法がおすすめです。

7-4.サイトの担当者や開発者と意見をすり合わせる

サイト担当者や開発者といった関係者を集めて、できあがった構造化データのマークアップの内容が適切であるかを入念にすり合わせます。

改善点があればマークアップを修正し、アップロード前にテストツールを使用して構造化データにエラーがないかを確認します。
問題がなければ記述した部分をアップロードして完了です。

7-5.すべてのテンプレートで2~4を繰り返す

上記のプロセスを、冒頭で抜き出したテンプレート部分すべてで繰り返します。
テンプレート部分が完了したら、固定ページやコンテンツページ部分も同じように対応し、Webサイト全体に構造化データマークアップを施していきます。

Webサイトの規模によらず、サイト構造が分かるテンプレート部分と固定ページを先にマークアップして、残ったコンテンツページを徐々にアップロードしていく手順がおすすめです。

8.構造化データマークアップでよくあるミスとエラー

構造化データは、適切なマークアップをしなければ検索エンジンに誤った情報を伝える可能性があります。また、内容によってはスパムと判定されてペナルティが課されるケースも少なくありません。

ここでは、構造化データをマークアップする際によくあるミス・エラーについて解説します。構造化データを正確に記述してSEOに役立てるためにも、ぜひ確認してください。

●ミス

・構造化データに構文エラーがある
構造化データをマークアップする際には、定められた一定の書式に則って構文を記述しなければなりません。構文エラーがあると、検索エンジンが正しく情報を読み取ることができないためです。

構造化データの構文は、ツールで簡単にチェックできます。アップロード前には必ずエラーがないかを確認しましょう。

・項目のカテゴリーやリストを単一のエンティティとしてマークアップしている
ページ内に掲載されている複数の製品を、個別の製品をマークアップするプロパティを使用してまとめてマークアップすることは間違いです。

1つのコンテンツに複数の製品が掲載されている場合は、各項目に対応するプロパティで個別にマークアップする必要があります。

・料理ではないコンテンツにRecipeマークアップを使用している
レシピとは、作り方・手順書といった意味を持つ単語です。本来は料理の作り方を示す単語ですが、モノづくりの手順やメイクアップの手順などにも使われる場合があります。

構造化データマークアップにおいては、本来の料理レシピページのみにRecipeというマークアップを使用することができます。料理以外のコンテンツにRecipeを使用することは正しくないため、注意しましょう。

・すべての製品やビジネスの評価を合わせたスコアをReviewに含めている
商品や製品を構造化マークアップする際に使用するReviewプロパティは、単一の商品や製品に対して使用することが推奨されています。

すべての商品や複数の商品の評価を混在させて、Reviewプロパティに含めることは、好ましくありません。

・ローカルビジネスに対する評価をマークアップするために構造化データマークアップを使用している
外部サイトで自社に対して付けられたユーザーレビューは、自社サイトに掲載することは問題ありませんが、構造化データマークアップに使用してはなりません。

ユーザーレビューをマークアップする場合は、自社サイト上に表示されている自社ユーザーのレビューに対してのみ行うようにしましょう。

●エラー

・自社について直接説明しているページ以外のページでOrganizationマークアップを使用している
Organizationマークアップは、組織情報を表す構造化データです。会社・店舗・団体など、自社サイトがOrganizationに該当する場合は、自由に利用できるイメージがありますが、厳密には間違っています。

Organizationマークアップは、トップページや企業概要ページといった、直接自社の組織情報について説明しているページに限って使用することが推奨されています。

・属性とタグのネスティングに誤りがある
構造化データマークアップで指定する各プロパティには、それぞれ対応する属性が決まっています。プロパティと属性のネスティングが間違っていると、当然ながら正しい構文として認識されません。

各プロパティには対応する属性を正しく記述するようにしましょう。

9.構造化データマークアップを行う際のポイント

構造化データをマークアップする際には、一定のルールに則って行う必要があります。
ここでは、マークアップを行う際に特に注意しておきたいポイントについて解説します。

・単語は「”」で囲い、「:」で分ける
構造化データの構文内で使用する単語は、前後を「””」で囲むことが基本ルールです。
また、単語を併記する場合には間に「:」を記述して2つの単語を分けます。

 "@Type" : "article"
"name" : "記事の著者" 

・意味の区切りで「,」を使用する
構造化データの構文内で意味の区切りがある箇所は、「,」を使用して分けます。

 "@type" : "ImageObject"
"url" : "画像パス",
"height" : 画像の高さ,
"width" : 画像の横幅 

・最初に使用するボキャブラリーを宣言する
構造化データマークアップを記述する際には、冒頭に使用するボキャブラリーを宣言して、検索エンジンに伝える必要があります。
「schema.org」を使用する場合は、下記のように記述します。

 "@context" : "http://schema.org" 

・「@type」で要素を定義する
各単語を記述する前に、「@Type」でまず単語の種類について定義する必要があります。
「@type」で指定できるプロパティには「Person」「Organization」「ImageObject」などさまざまな種類があり、指定した定義の種類に対応した要素を以降に記述します。

例えば、画像を「@type」で定義した場合は、下記のような記述となります。

"@type" : "ImageObject"
"url" 0 :"画像パス",
"height" : 画像の高さ,
"width" : 画像の横幅 

10.構造化データマークアップの検証方法

構造化データをマークアップした場合は、本番環境にアップロードする前に十分な検証を行う必要があります。

構造化データはクローラビリティをサポートしてくれる有益なものです。しかし、Webページの内容に対して不適切な記述がされている場合や、エラーとなる記述がある場合は、検索エンジンに正しく情報を伝えることができません。

重大なエラーに対してはペナルティが課される可能性もあるため、アップロード前にはマークアップした構造化データの有効性を必ず検証するようにしましょう。

構造化データの検証方法としては、Googleが提供するWebマスターツール「Google Search Console」を利用する方法と、構造化データテストツールを利用する方法の2つがあります。

最後は、それぞれのツールの特徴と使い方について解説します。

10-1.構造化データテストツールを利用する場合

構造化データテストツールは、Googleから無償で提供されています。Googleから提供されているツールを使うことで、マークアップの文法の間違いやプロパティの抜け漏れといったエラーがないかを確認することができます。

使い方は簡単で、構造化データテストツールのURLへアクセスして、検証したいサイトページのURLを入力するか構造化データを記述したHTMLソースコードを貼り付けるだけで、テストを実行することができます。

URL入力は、URL取得可能な環境でのみ使用可能となっています。アップロード前のテスト環境の段階では、HTMLコードを貼り付ける方法で検証するようにしましょう。

10-2.サーチコンソールで構造化データを確認する場合

Googleが提供するWebマーケティングツールである、Google Search Consoleでも構造化データを確認することが可能です。

サーチコンソールは構造化データテストツールとは異なり、アップロード後のデータに対してのみ使用できます。
構造化データテストツールは、1つのURLまたは1つのHTMLコードしか検証できません。一方でGoogle Search Consoleは、Webサイト内部の構造化データの状態を一挙に確認することができます。

使い方は、Google Search Consoleにログインした後、左側のメニューにある「検索の見え方」の中から「構造化データ」を選択するだけです。これだけの手順で、サイト内の構造化データの詳しい情報を一覧で確認することができます。

Webページ公開前の検証は構造化データテストツールで行い、Webサイト全体の状況をGoogle Search Consoleで定期的に確認する使い方がおすすめです。

二重の検証を行うことにより、より高い精度でWebサイトの構造化データを健全な状態に保つことができるでしょう。

まとめ

日々進化を続ける検索エンジンは、ユーザーにより高い精度で有益な情報を提供するために、今後より一層構造化データに記載された情報の重要性は高まると言われています。

構造化データに使用されているボキャブラリーについても、検索エンジン大手3社が共同してその網羅性を高めるために、マークアップできる内容の充足に鋭意取り組んでいます。

堅実な構造化データをマークアップすることは、容易ではありません。しかし、SEO的観点からもユーザビリティー観点からも、投下したリソースに見合ったリターンを得ることができます。

構造化データマークアップにまだ取り組んでいない個人・法人の方は、この機会にぜひ実装を検討してみてください。

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