A/Bテストとは?テストの対象と効果的な進め方を解説
WebマーケティングやSEO対策に取り組む際、「A/Bテスト」という手法の存在を知り、詳しく学びたいと考えた方も多いではないでしょうか。A/Bテストはオンラインの集客施策全般に活用できる手法で、正しい手順で実施すれば効率良く成果をあげることが可能です。
当記事では、A/Bテストの概要や実施するメリット、A/Bテストの進め方や対象について解説します。A/Bテストの進め方を学び、日々の実務に活かしたい方はぜひ参考にしてください。
1.A/Bテストとは|Webマーケティングの手法
A/Bテストとは、文章や画像、デザインなどのパターンを2種類用意し、同一期間に公開することで成果の高い方を判別する手法です。AパターンとBパターンの2種類を比較する手法のため、A/Bテストと呼ばれています。
A/Bテストでは、同時に2種類以上の候補を比較することも可能です。ただし、候補の数が多くなると結果がわかるまでに時間がかかるため、2パターンで実施されることが一般的となっています。
1-1.A/Bテストを実施するメリット
A/Bテストを実施する主なメリットは次の3つです。
○成果の高い施策が客観的にわかる
Webマーケティングや広告では、どのような施策をすれば良いか判断に迷うことがあります。A/Bテストをすれば、担当者の好みや主観ではなく、客観的な数値データに基づいて成果の高い施策を導き出すことが可能です。
○時期の違いによる成果への影響が無視できる
顧客のニーズや市場の状況は、時期によって変化します。特に、季節性の高い商品を扱う業界では、時期によってWebサイトのアクセス数や成約率が異なるケースが一般的です。
A/Bテスト向けのツールを使用すれば、アクセスを2種類以上のパターンへ自動的に振り分けられます。たとえば1日で300件のアクセスがあった場合、半分の150件をAパターン、残りの150件をBパターンに振り分けて、成果を比較することが可能です。
時期や時間帯による成果への影響を無視して、2種類以上の施策を比較できることがA/Bテストのメリットとなっています。
○より良いアイデアが出やすくなる
A/Bテストは、Webマーケティングや広告の新しい案を出す際にも有用です。A/Bテストを行えば、一方の成果が高かった理由が分析できます。分析した結果に基づき、さらに良いアイデアを考えられることは、A/Bテストのメリットといえるでしょう。
2.A/Bテストの進め方
A/Bテストを実施する際は、準備段階の作業や、テスト結果が出たあとの仮説検証も重要となります。正しい手順に沿ってA/Bテストを進めれば、成果の高いパターンを効率良く見つけることが可能です。
ここでは、A/Bテストの基本的な進め方や各ステップの注意点について解説します。
2-1.目的の整理
A/Bテストを行う際は、最初に目的を整理しましょう。A/Bテストで最終的に得たい成果を定め、成果を得るために改善するべき指標をリストアップすると、目的が整理できます。
たとえば、「Webサイトからの資料請求数を増やす」などが最終的な成果の一例です。資料請求数を増やすためには、資料請求ページへのアクセス数や、資料請求に至る確率を高める必要があります。
この場合、資料請求ページに至るリンクの設置箇所や数、資料請求ページの文章、デザインなどがA/Bテストの対象です。A/Bテストの目的を整理すれば、迷うことなく施策が実行できます。
2-2.仮説の設定
目的を整理したら、目的を達成するためにどのようなポイントを改善すれば良いか仮説を立てましょう。
たとえば、「資料請求ページへのリンクが見つけにくい」「資料請求ページの文章がわかりにくい」などの仮説を立てます。立てた仮説に従って改善案を考え、A/Bテストを実行すれば、より良い成果が得られます。
仮説を立てる際は、アクセス数が多いページなど、影響の大きなところから考えることが重要です。
2-3.影響範囲の予測
仮説を設定したら、A/Bテストによって影響が出る範囲について予測しましょう。A/Bテストにおいては、施策を行った箇所以外にも影響が出ることも一般的です。
たとえば、資料請求ページにより多くのアクセスを集めるためにリンクを目立たせたら、他のページへのアクセス数が少なくなるといったケースが考えられます。
A/Bテストを実行する前に、影響範囲をできる限り予測しておけば、想定外の結果が出てしまうリスクを減らすことが可能です。
2-4.結果の分析・検証
A/Bテストを実施したあとは、結果の分析・検証を行いましょう。
A/Bテストでは、最初に立てた仮説に反する結果が出る場合があります。仮説が誤っていた際は、いったん元のパターンに戻すなどの対応が必要です。結果に基づいて新たに仮説を立てれば、より良い施策を見つけられる可能性が高まります。
また、A/Bテストによって良い改善策が見つかれば、他のページや広告にも活かすことが可能です。複数の箇所でA/Bテストを実施し、効果検証を繰り返すと、改善策を考える精度が向上します。
結果を分析せずにやみくもにA/Bテストを行うと効率が悪いため、施策を行ったあとは必ず効果検証をしましょう。
3.A/Bテストの対象とテスト方法
A/Bテストを実施する主な対象として、広告とWebサイトの2つがあげられます。
A/Bテストによって広告を最適化すれば、クリック率を高め、より多くのアクセスを集めることが可能です。また、WebサイトのコンテンツをA/Bテストで改善すれば、商品購入や資料請求などのコンバージョン率が高められます。
広告とWebサイトにおけるA/Bテストの具体的なテスト方法は次の通りです。
3-1.広告
Web広告のA/Bテストでは、テキストと画像が改善の対象となります。
テキストのA/Bテストをする際は、広告見出しや説明文に含めるキーワードを変えましょう。広告で訴求する要素が複数ある場合、テキストに含める順番を変更することによって、クリック率が変わる可能性があります。
また、バナー広告でA/Bテストをする際は、バナーに使用する画像も対象です。写真やイラストの種類やサイズ、色、配置などの組み合わせを変更して、よりクリック率が高くなるバナー画像を作成しましょう。
バナー広告の場合は、広告内に表示するテキストの内容やフォントの種類、デザインなどもA/Bテストの対象となります。
3-2.Webサイト
WebサイトのA/Bテストで重要な項目は次の通りです。
○ページタイトル、見出し
ページタイトルは検索結果画面に表示されるため、サイトへのアクセスを増やすために重要となります。対象ページに含まれる情報のうち、どの要素をタイトルに含めるかを考えてA/Bテストを実施しましょう。
また、ページ内の見出しは、各見出しの内容や文字数、見出しの数などがA/Bテストの対象です。見出しを変更したパターンでA/Bテストを行い、ページの滞在時間や離脱率の変化を検証しましょう。
○ファーストビュー、メインビジュアル
ファーストビューやメインビジュアルは、ページにアクセスしたユーザーが最初に目にする要素です。ファーストビューで表示する文章や画像を変更すると、ページの直帰率や滞在時間、コンバージョン率が変化する場合があります。
ファーストビューやメインビジュアルは多くのユーザーが目にするため、A/Bテストによる改善効果が大きい要素です。
○ボタン
リンクに使用するボタンは、大きさや色、配置する数、ボタンに表示するテキストなどによってクリック率が変化します。
クリック率を高めたい場合は、ボタンを目立たせるためのデザイン変更や、リンク先に興味を持てるようなテキストをボタンの周りに表示する施策が効果的です。
○フォーム
フォームに入力すべき項目数や、フォームのデザインなどもA/Bテストの対象です。必須項目の数を減らしたり、フォームに自動入力機能をつけたりすることで、離脱率を下げられる場合があります。
以上の項目でA/Bテストを行うことで、Webサイト全体の成果を高めることが可能です。
まとめ
A/Bテストとは、Webマーケティングにおいてより成果の高い施策を行うための手法です。条件を変えた2つのパターンを同時にテストすることで、Webサイトへのアクセスや集客数が効果的に増やせます。
A/Bテストを行う際は、最初に目的を整理したうえで仮説を立てることが重要です。また、A/Bテストを行った結果を分析し、検証する作業も必要となります。
WebマーケティングやSEO対策を担当する方は、広告の最適化やWebサイト改善の手法としてA/Bテストを導入してみてはいかがでしょうか。
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