ワードサラダとは?SEOに与える重大な悪影響を徹底解説
Webサイトの運用を行うなかでワードサラダという用語を知り、意味やSEOに与える影響が気になった方も多いのではないでしょうか。ワードサラダは自社のWebサイトの運営に悪影響を及ぼすリスクがあるため、概要や対策を正しく理解することが大切です。
この記事では、ワードサラダの文章例やワードサラダが作られる仕組み、検索エンジンにおけるワードサラダの扱いについて解説します。自社のWebサイトを安全に運営したいWeb担当者の方はぜひ参考にしてください。
1.ワードサラダとは?
ワードサラダとは、文法的には誤りがないものの、読んでも意味がわからない文章を指す用語です。複数の言葉がサラダのように混ざっていることにちなみ、ワードサラダと呼ばれます。
ワードサラダは、検索エンジンで上位を獲得するための手法として考え出されました。
Webサイトに掲載する文章を自動的に量産し、自社のWebサイトへの被リンクを大量に作りだすことがワードサラダの目的です。
ここでは、ワードサラダの文章例や、ワードサラダの仕組みについて解説します。
1-1.ワードサラダの文章例
ワードサラダは一見すると自然な日本語の文章ですが、読んでも意味がわかりません。ワードサラダの具体例は次の通りです。
ワードサラダは、株価によって日常的に変動します。なお、大阪城ではCVRを高める効果が見込めました。具体的には大きな報酬が得られる、作物が成長する、スムーズな対応が可能になるなどでした。
ワードサラダとして作られた文章には、伝えるべきテーマが存在しません。また、文章同士のつながりも支離滅裂となっている点がワードサラダの特徴です。
1-2.ワードサラダの仕組み
ワードサラダは、「形態素解析」と「マルコフ連鎖」と呼ばれる2つの仕組みによって作成されます。2つの仕組みに関する概要や、文章の具体例は次の通りです。
形態素解析
形態素解析とは、文章に含まれる単語を文法的に区別し、分解することを表します。日本語を形態素解析する場合、文章に含まれる名詞や動詞、助詞などに区別することが一般的です。
形態素解析の例として、次のような文章を使って解説します。
このマンガは日本で人気のある作品です。
上記の文章を形態素解析した結果は次の通りです。
この|マンガ|は|日本|で|人気|の|ある|作品|です|。
形態素解析は、ワードサラダで文章を作る元なる単語を抽出するために使われます。
マルコフ連鎖
マルコフ連鎖とは、確率について扱う数学や情報理論分野の用語です。マルコフ連鎖の考え方を応用すると、形態素解析で分解した単語を、ランダムかつ文法的に正しい形で並べることができます。
マルコフ連鎖によってワードサラダを作成する具体例は次の通りです。あらかじめ形態素解析を行った文章を使用します。
ヨーロッパ|は|多く|の|観光名所|を|含み|ます|。
富士山|は|日本|で|一番|高い|山|です|。
おいしい|たこ焼き|を|食べ|ました|。
形態素解析した単語をマルコフ連鎖によって並べ替えると、次のようなワードサラダの作成が可能です。
ヨーロッパは日本でたこ焼きを含みます。
富士山はおいしい観光名所です。
多くの一番高い山を食べました。
これらの仕組みにより、元となる文章を用意するだけで、ワードサラダが量産できます。
ワードサラダでは、元となる文章の組み合わせや内容によって出力される結果が変わるため、時間をかけることなく大量の文章を作ることが可能です。
2.ワードサラダがSEOに与える影響は?
SEO対策の一つとして、「被リンクを獲得すること」が挙げられます。ワードサラダを使うと、短時間で大量にコンテンツを作成できるため、多くの被リンクを獲得することが可能です。
一方で、被リンクを獲得するSEO対策は、被リンクの質・数によってはSEOで不利な影響を受けます。以下では、ワードサラダがSEOに与える影響を解説するため、ぜひ参考にしてください。
2-1.一昔前まではSEO対策の施策として効果が期待できた
検索エンジンのアルゴリズムが発達する以前は、ワードサラダがSEO対策に有効でした。
検索エンジンは、クローラーボットと呼ばれるプログラムでWebサイトの情報を分析し、評価を行います。クローラーボットが収集したデータに基づき、高い評価を受けたWebサイトは、検索結果の上位に表示される傾向です。
初期のアルゴリズムでは、ただ単語が羅列されただけのWebサイトであっても、文字数や被リンク数が多ければ高く評価されていました。アルゴリズムが発達するにつれて文法的な正しさも考慮されるようになったことが、ワードサラダが開発された理由です。
ワードサラダで作られた文章は、一昔前のアルゴリズムでは自然な文章と区別がつきませんでした。そのため、ワードサラダを掲載したWebサイトによって、SEO対策を行う運営者が多く現れた時期があります。
2-2.現在はペナルティの対象となる
ワードサラダによる自作自演リンクは、現在の検索エンジンアルゴリズムでは「スパム行為」とみなされ、ペナルティの対象です。
Googleが公式に発表するガイドラインでは、「文章として意味をなさないテキストや、マルコフ連鎖などの自動生成ツールで作られたテキストは措置の対象となることがある」
と記されています。
Googleの目的は、検索エンジンユーザーに対して高品質な情報を提供することです。ワードサラダのような意味を持たないテキストコンテンツが上位表示されることを避けるため、日々アルゴリズムの精度を高めています。
また、現在の検索エンジンアルゴリズムでは、読んでも意味のわからないテキストの検出が可能です。そのため、かつてのような自動生成コンテンツによるSEO対策は通用しなくなりました。
Webサイトがペナルティ対象となった場合、検索順位が著しく下がるか、検索結果画面に表示されなくなります。検索エンジンからのアクセス流入が途絶えてしまう恐れがあるため、ワードサラダによるSEO対策は絶対に控えましょう。
3.悪質なWebサイトからの被リンクをチェックする方法
自社のWebサイトでワードサラダを使っていない場合であっても、ワードサラダによる悪影響を受ける恐れがあります。たとえば自社のWebサイトが、ワードサラダを使った悪質なWebサイトから被リンクを受ける場合です。
悪質なWebサイトからの被リンクは、Google Search Console(サーチコンソール)を使ってチェックできます。Google Search Consoleを使って、被リンクをチェックする方法は次の通りです。
- (1)Googleアカウントを作成し、Google Search Consoleにログインする
- (2)Google Search Consoleに対象となるWebサイトのURLを登録し、認証を行う
- (3)Google Search Consoleの左メニューで「リンク」を選択
- (4)外部リンクの「詳細」を選択する
- (5)リンク元を確認したいページを選択する
- (6)リンク元のドメインをクリックし、表示されるWebページ一覧をチェックする
自社のWebサイトを健全に運営するためにも、被リンクのチェックを定期的に実施しましょう。
まとめ
ワードサラダとは、文法的には誤りがないものの、意味は支離滅裂となっている文章のことです。ワードサラダは検索エンジンからの評価を不正に高めるための手法として開発されました。形態素解析とマルコフ連鎖により、ワードサラダを自動生成できます。
ただし、現在の検索エンジンにおいては、ワードサラダはペナルティの対象です。また、ワードサラダを含む悪質なWebサイトからの被リンクにより、自社のWebサイトが悪影響を受けるケースがあります。
健全に自社のWebサイトを運営するためにも、この記事で紹介した方法を参考に、悪質なWebサイトからの被リンクをチェックしてみてはいかがでしょうか。