SXOとは?SEOとの違いや対策するメリット・具体的な方法まで解説
「SEOは聞いたことあるけどSXOってなに?」
「対策するメリットってなにがあるんだろう」
SXOとは、コアアップデート以降で再注目されている取り組みの一つ。検索エンジンだけではなくユーザーファーストを意識することで、検索順位向上に貢献できます。
今回はWebマーケティングで1,000社以上の実績を持つグランネットが、SXOの概要からメリット、具体的な対策方法まで解説します。
最近あたらしい施策になかなか取り組めていないWEB担当者/SEO担当者は、ぜひ参考にしてください。
1.SXOとは?
SXOとは、Search Experience Optimization(検索体験最適化)の略称で、ユーザーの検索体験を最適化するための取り組みです。
ユーザーの検索意図に合致したコンテンツを提供し、WEBサイトの利便性を向上させることで、ユーザーの満足度向上を目指します。「S」「X」「O」それぞれの意味は、以下の通りです。
S:Search(検索)
Searchは、ユーザーが情報を探す行為を指します。SXOでは、ユーザーが何を求めて検索しているのか、その意図を正確に理解することが重要です。検索キーワードだけでなく、検索の背景にある問題や目的を把握し、それに応えるコンテンツの提供が求められます。
X:Experience(体験)
Experienceは、ユーザーがWEBサイトを訪れてから離れるまでの一連の体験を指す言葉です。これには、サイトの使いやすさや情報の見つけやすさ、コンテンツの質、ページの表示速度など、さまざまな要素が含まれます。SXOでは、これらの要素を最適化し、ユーザーにストレスのない体験を提供することが大切です。優れた体験を提供することで、ユーザーの満足度が高まり、結果として直帰率の低下やサイト内滞在時間の増加につながります。また、ユーザビリティ・レリバンス(適合性)・オーソリティ(権威性)も欠かせない要素です。
O:Optimization(最適化)
Optimizationは、検索体験を継続的に改善していく過程です。ユーザーの行動データや検索トレンドを分析し、コンテンツやサイト構造を常に最適化しなければなりません。また、検索エンジンのアルゴリズム変更にも適応しながら、常にユーザーファーストの視点で改善を重ねていくことが求められます。
SXOの明確な基準は公表されていませんが、その根底にあるのは「ユーザーファースト」の考え方です。
近年のGoogle検索アルゴリズムのコアアップデートにより、ユーザーファーストのコンテンツ作成の重要性が増しており、SXOの概念が改めて注目されています。
2.SEOとSXOの違い
SEOとSXOは、WEBサイトの最適化を目指す点では共通していますが、その焦点と手法には大きな違いがあります。
ここからは、それぞれの概要と評価対象を解説していきます。
2-1.SEOとは?
SEOは「Search Engine Optimization」の略で、「検索エンジン最適化」の意味です。主に検索エンジンに評価されることを目的としています。
Googleなどの検索エンジンのアルゴリズムに合わせてWEBサイトを最適化し、検索結果の上位表示を目指すのが戦略の基本です。
2-2.SXOとSEOの違いは評価対象
SEOとSXOの大きな違いは、評価対象が異なる点です。
SXOは先ほども説明したとおり「検索体験最適化」を意味し、ユーザーからの高評価を主な目的とします。ユーザーの検索意図を理解し、その意図に合致する有益なコンテンツを提供するのが基本。ユーザーからの評価を重視し、ユーザビリティやコンテンツの質の向上に重点を置きます。
対してSEOは検索エンジンに評価されることを重視し、検索アルゴリズムに適応したサイト作りを行います。たとえば、キーワードの選定やメタタグの最適化、リンク構築などの技術的な対策が中心です。
2-3.SXOとSEOはどちらに注力すればいい?
最終的には、SEOとSXOのバランスを取りながら検索エンジンとユーザーの両方に評価されるWEBサイトを目指すことが重要です。両者の違いを理解することで、より包括的なWEBサイト最適化戦略を立てられます。
SEOだけに注力すると、一時的に検索順位が上がってもユーザーの期待に応えられず、すぐに離脱されてしまうかもしれません。一方、SXOだけを注力してユーザーの満足度が高いコンテンツを作成できても、検索順位が上がらないと実際にユーザーには届きません。
これらは完全に別個のものではありません。近年のGoogle検索アルゴリズムの進化により、ユーザー体験を重視したサイトが検索結果でも評価されるようになりました。効果的なSXO対策は、結果的にSEOにもよい影響を与えます。
双方を意識したコンテンツを作成することにより、持続的な検索順位の向上とユーザー満足度の増加を実現できるでしょう。
3.SXOが注目されている背景
SXOが注目されている背景にあるのは、Googleのコアアップデートです。2024年3月に行われたアップデートは従来よりも複雑で、複数のコアシステムに対する変更が含まれています。特に、コンテンツの有用性を特定する方法が一段と進化したのが特徴です。
このアップデートでは、信頼性の高い情報を特定するシステムの強化や、より有用な検索結果を表示するための革新的なシグナルとアプローチが導入されています。従来のような単一のシグナルやシステムではなく、複数の要素が総合的に評価されるようになりました。
主に重要度が上がったのは、以下の点です。
- ユーザーファーストのコンテンツ作成
- コンテンツの有用性と信頼性
- ユーザー体験の質
複数のシステムが全面的にアップデートされ、互いに補完し合う形になったため、今後はランキングの変動が従来よりも大きくなる可能性があります。
また、Googleは新たにスパムに関する対策も発表しました。これには、期限切れのドメインの不正使用・大量生成されたコンテンツの不正使用・サイトの評判の不正使用に対処するための3つのポリシーが含まれています。
3-1.今後のSXO対策する重要性
いずれのコアアップデートの変更も、Googleが長年追求してきた「ユーザーファースト」の理念をより強固にするものです。過去のアップデートから一貫して、Googleはユーザーにとって価値のあるコンテンツを重視してきました。今回のアップデートは、その流れをさらに推し進めたものと言えます。
SXOが注目されているのは、アップデートがユーザー体験を重視していることに直接関連している点です。検索エンジンの評価基準がより洗練され、ユーザーにとって本当に有用なコンテンツの識別度が格段に向上しました。SXOに基づいたコンテンツの最適化は、もはや単なるトレンドではなく、検索順位を向上させる上で不可欠になっています。
SXOの実践は、Googleのビジョンに沿ったWEBマーケティング戦略として、今後ますます重要になっていくでしょう。
4.SXO対策をするメリット3つ
一般的に、SEO対策を行えば検索順位が上がり、売り上げも向上するというイメージがあります。しかしSEO対策だけでは、必ずしも目標である売り上げにはつながりません。売り上げの向上を重視するのであれば、SXO対策にも取り組みましょう。
以下では、SXO対策のメリットを説明します。
4-1.ユーザーの直帰率を下げられる
SXO対策のメリットの1つは、ユーザーの直帰率を下げられることです。直帰率とは、WEBサイトに訪れたユーザーがほかのページを閲覧せず、すぐに離脱してしまう割合を指します。直帰率の高さは、ユーザーの期待していた情報が見つからない、もしくはサイトが使いにくいと判断されたことの表れです。
ユーザーの期待に応えられるコンテンツの制作には、ユーザーファーストの視点が欠かせません。たとえば、読みやすい文章や適切な見出しの設定、視覚的に魅力的なレイアウトなどを取り入れることで、ユーザーがページを読み進めやすくなります。さらに、ユーザーが必要としている情報すべてに、1つのページから辿り着ける網羅性も重要です。
また、サイトのナビゲーション設計の分かりやすさも、直帰率を下げる効果的な方法です。ユーザーが求める情報・気になる情報に迅速にアクセスできれば、サイト内のほかのページも自然に閲覧するようになります。このような工夫により、ユーザーの滞在時間が延び、直帰率が低下します。
ユーザーがサイトを訪れるたびに満足度が向上すれば、リピーターの増加につながるでしょう。直帰率の低下は検索エンジンにもポジティブなシグナルとして認識され、SEOの面でも好影響が期待できます。
4-2.売り上げにつながる記事が書ける
SXO対策により、自社の売り上げにつながる記事を作成できるのもメリットです。ユーザーが満足する記事を提供すれば購買意欲が刺激され、最終的にコンバージョン率(CVR)も向上します。
まず、ユーザーが抱える問題やニーズを的確に把握し、それに対する解決策や価値ある情報を提供することが重要です。これにより、ユーザーが記事に信頼感を持ち、提供される商品やサービスに対しても興味を持ちやすくなります。また、具体例を交えるとユーザーが自分に関連する情報と感じやすくなり、購買意欲がより高まります。
権威ある情報源からの引用や実際のユーザーの声を盛り込むのも、ユーザーの信頼を得る方法として効果的です。記事の信頼性が高ければ、ユーザーは安心して商品やサービスを購入できます。
また、記事内に購入ボタンや問い合わせフォームへのリンクを分かりやすく配置するなど、ユーザーが次に取るべきアクションを明確に示すのも重要です。ユーザーが購入を決意したときにすぐに行動を起こせるよう備えておくと、販売の機会を逃しません。
4-3.上位表示できる
SXO対策により、検索エンジンの上位表示を狙えるのもメリットに挙げられます。直帰率の低下やユーザー滞在時間の延長は、検索エンジンにとって重要な評価基準です。
ユーザーが求める情報を的確に提供すると、サイトの滞在時間が延び、直帰率が下がります。これにより、サイト全体のエンゲージメントが高まり、検索エンジンはそのサイトに価値があると判断するでしょう。
さらに、ユーザーの検索意図に合致したキーワードを選定し、コンテンツに自然に組み込むことも重要です。検索エンジンがそのコンテンツを適切に評価しやすくなり、関連する検索クエリに対して上位表示される確率が高まるためです。また、ページスピードの向上やモバイルフレンドリーなデザインの採用でもユーザーエクスペリエンスが向上し、SEOの評価も上がります。
専門性・権威性・信頼性を高めるのも重要です。検索エンジンがサイトを信頼性の高い情報源とみなせば、ランキングの上昇が期待できます。このように、SXO対策によってユーザーの満足度を高めれば、SEO的にも評価されやすいサイトを作り上げられます。
5.SXOの対策方法8つ
SXO対策には、従来のSEOの被リンクや内部リンクといったテクニカルな施策に加えて、ユーザーの満足度を高めるための工夫が求められます。
コンテンツは検索エンジンだけでなく、ユーザーのために作成することが重要です。以下では、主要なSXOの対策方法を8つ紹介します。
5-1.品質評価ガイドライン
SXO対策の第一歩として、Googleが公開している品質評価ガイドラインを理解し、これに基づいてコンテンツを作成することが重要です。
このガイドラインは、Googleがどのような基準でコンテンツを評価しているかを示しており、ユーザーにとって有益な情報を提供するための指針となります。
全編英語のみでボリュームも多いものの、読んでおいて損はありません。翻訳ソフトや解説サイトなどを活用し、内容を理解しておきましょう。
ガイドラインの内容を定期的に見直し、最新の基準に合わせてコンテンツを改善することで、サイト全体の品質が向上します。
5-2.ユーザーニーズ理解
ユーザーニーズの正確な把握は、SXO対策の基本です。ユーザーが求めている情報を提供するためには、顕在ニーズと潜在ニーズの両方を理解しなければなりません。
顕在ニーズとは、ユーザーが明確に求めている情報であり、潜在ニーズとはユーザーが自覚していないものの本当に必要としている情報です。これらを踏まえたコンテンツを作成することで、ユーザーの満足度が高まり、再訪問やシェアにつながります。
5-3.キーワード選定
最適なキーワードの選定も、ユーザーの検索意図に合致するコンテンツの提供に必須です。キーワード選定では、検索ボリュームや競合状況を考慮しつつ、ユーザーの具体的な悩みや質問に応えるキーワードを選びましょう。
適切なキーワードの使用により、ユーザーが求めている情報に迅速にアクセスできれば、サイトの信頼性も向上します。キーワード選定は一度行ったら終わりではなく、定期的に見直し、最新のトレンドに対応することが重要です。
5-4.ページスピードの高速化
ページスピードは、ユーザーエクスペリエンスに直接影響を与える要素です。ページの読み込みが遅いと、ユーザーはストレスを感じ、サイトを離れてしまう可能性があります。ページスピードを高速化するためには、画像サイズの最適化や不要なスクリプトの削除、利用サーバーの見直しなどが必要です。
ページスピードを計測できるサイトなどを活用し、サイトのパフォーマンスを定期的にチェックし、改善点を見つけて実行しましょう。これにより、ユーザーの滞在時間が延び、直帰率の低下にもつながります。
サイトスピード確認にはこちらを利用ください。
https://pagespeed.web.dev/?hl=ja(公式:PageSpeed Insights)
5-5.ユーザビリティの向上
SXO対策では、ユーザビリティの向上も欠かせません。ユーザーがストレスなく操作・利用・閲覧できるようサイトを設計しましょう。
メニュー構造をシンプルにし、重要なボタンはクリックしやすい位置に配置すれば、ユーザーが求める情報に迅速にアクセスできます。
また、文字ばかりで読み疲れするページや、本編とは関係ないバナーが画面いっぱいに表示されるサイトは、ユーザーにとってストレスになります。適切な文字サイズや行間を設定し、画像や動画を適度に挿入して読み疲れを防ぎましょう。ユーザーがコンテンツを中断せずに閲覧できるよう、バナー広告は必要最低限に抑えることも大切です。
5-6.EEATを高める
専門性や信頼性の高いコンテンツはユーザー誰しもが求めるものです。そしてEEATは、Googleが高品質なコンテンツを評価するための基準であり、SEO的にもよいとされます。
【EEATの意味】
Experience | 経験 |
Expertise | 専門性 |
Authoritativeness | 権威性 |
Trustworthiness | 信頼性 |
実際の経験に基づくコンテンツは、ユーザーにとって非常に価値があります。たとえば、商品のレビューや実際の使用体験を共有すると、ユーザーはその情報を信頼しやすくなります。コンテンツの専門性や権威性の向上には、著者の経歴や資格、実績の明示、専門家の意見や監修などが有効です。
また、権威ある情報源からの引用やリンクを積極的に使用するのも、コンテンツの信頼性を高めます。
(出典:Google検索セントラル「品質評価ガイドラインの最新情報:E-A-TにExperienceのEを追加」/https://developers.google.com/search/blog/2022/12/google-raters-guidelines-e-e-a-t?hl=ja)
5-7.再検索キーワードの調査
再検索キーワードとは、ユーザーが最初に検索して訪れたページで得られなかった情報を再度検索する際に使用するキーワードです。再検索キーワードを調査すれば、ユーザーの検索意図を深く理解し、網羅的なコンテンツの作成が可能です。
たとえば、「旅行 温泉」の再検索キーワードとして「旅行 温泉 格安」と表示される場合、ユーザーが安い温泉宿について知りたいことが分かります。このような情報を取り入れてユーザーの潜在ニーズを満たせれば、離脱率の低下につなげられるでしょう。
5-8.読みやすい文章を心がける
文章の読みやすさも、ユーザーエクスペリエンスの向上に不可欠です。まず、誤字脱字をなくし、1文当たり40文字以内を目安に簡潔な文章を意識しましょう。PREP法(結論→理由→具体例→結論)に従って構成すると、論理的で理解しやすい文章になります。
固有名詞や具体的な数値を使用し、曖昧な表現を避けるのも大切です。また、語尾のバリエーションを増やし、同じ表現が続かないようにしましょう。段落や見出しを適切に配置し、視覚的にも整った文章にすると、ユーザーがストレスを感じずに情報を得られます。
6.まとめ
SXOは、検索体験最適化の略称でユーザーファーストを意識することで検索順位の上昇だけでなく、売上への貢献や直帰率の低下といったメリットの多い施策ということがわかりました。
あたらしい施策でお悩みの方はぜひSXO対策しましょう。