UI/UXがSEOに与える影響とは?設計時のポイントや改善方法も
情報が充実していたり、信頼性が高かったりするWebサイトでも、ユーザーの評判が上がりにくい場合があります。理由として挙げられることのひとつが、UIやUXです。
ユーザーが何度も訪問してくれるサイトを制作するためには、UIとUXを意識しなければなりません。一見すると情報を羅列しているかのように思えるサイトも、評判の良いものほどUIやUXを念頭に置いて作成されています。
当記事では、WebデザインにおけるUI/UXの概要やSEOに与える影響、UI/UXを設計する際のポイントを紹介します。Webサイトの評価を上げたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
1.UI/UXとは?それぞれの違いを解説
UIとUXはひとまとめに表記されるケースもあるため混同されやすい言葉ですが、下記の通りそれぞれ意味が異なるものです。
- UI…ユーザーインターフェース(ユーザーと製品の接点)
- UX…ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)
UIの正式名称はユーザーインターフェース(User Interface)と言い、ユーザーと製品をつなぐ接点や窓口のようなものです。身近な例を挙げると、パソコンやタブレット、スマホなどの画面上に表示されるデザインや情報すべてがUIに含まれます。
画面の操作性が悪い場合、考え得る原因のひとつがUIです。ボタンの配置を見直すなど改善することで作業効率をアップすることができます。
一方のUXは、正式名称をユーザーエクスペリエンス(User Experience)と言い、製品やサービスを通じてユーザーが得られる体験自体を指す言葉です。たとえば、UIに優れた通販サイトにアクセスしたとき感じる「写真が見やすい」「注文ボタンの位置が分かりやすい」などもUXの一部にあたります。
ユーザーに質の高いUXを提供するためには、優れたUIが欠かせません。サイトデザインやボタン配置などがユーザーにマイナスあるいはポジティブな感想を与えることから、UIはUXの一部と言えるでしょう。
そのため、ひとまとめで考えられることが多く、「UI/UX」と表記される場合もあります。
2.UI/UXがSEOに与える影響
UI/UXはユーザー満足度のみではなく、SEOを考えるうえでも重要なポイントです。主要な検索エンジンは、キーワードとの関連性など各サイトのさまざまな情報を収集したうえで検索順位を決定しています。参考とされるデータのひとつが、UXです。
ユーザーが誤って偶然アクセスしたのではなく、サイト上のコンテンツを実際に活用していることが分かるデータをUXとして数値化し、コンテンツ評価を行います。具体的には、直帰率や平均セッション時間などのデータです。
優れたUIデザインで使いやすく内容が充実しているWebサイトは、ユーザーが直帰するケースが少ないうえ、平均セッション率は向上するでしょう。また、質の高いUXを提供していると考えられるため、結果的にサイト自体も高品質と評価されます。
しかし、UXの質を高めるために、内容の充実のみを図っても効果は期待できません。見やすい・使いやすいUIではない場合、ユーザーの直帰率が高くなります。従って、SEO対策の観点からも、UXおよびUIの影響は重大と言えます。
3.UI/UXを設計する際のポイント3つ
前述の通り、UI/UXはユーザーにコンテンツを活用してもらうためにも、SEO対策としても重要なポイントです。内容を充実させていても必要な情報が見つかるまで時間や手間がかかるサイトでは、活用してもらえないでしょう。
では、実際にどのような点に注意する必要があるのでしょうか。ここでは、UI/UXを設計する場合の3つのポイントを紹介します。
3-1.サイトの運用目的に合わせた設計にする
サイトの運用目的を把握したうえで、UI/UXを設計することが大切です。
Webサイトはブログ・一般的なWebサイト・ECサイトなどに大きく分けられます。商品の販売を目的とする場合、ブログや一般的なWebサイトのようなUIではユーザーが欲しい商品を見つけるまで時間や手間がかかってしまいます。
商品販売をする場合は、ECサイトに最適なUIを設計するべきです。商品についての詳細が分かることに加え、具体的なアクションを促すためのレビューや注文ボタンが必要です。また、注文方法や注意点の説明が併記されていたり、専用のWebページに移動できるリンクが設置されていたりすると、安心して商品を購入してもらえます。
サイトの運用目的に合ったUI/UXを設計することで、ユーザーは次のアクションを起こしやすくなると言えます。
3-2.ユーザーが欲しい情報を探しやすいデザインにする
直帰率を下げ、平均セッション時間を伸ばすためには、ユーザーが欲しい情報を短時間で手軽に見つけられるUI/UXを心がけなくてはなりません。
ただし、単純に欲しい情報のみを提供するコンテンツは直帰率の低下にはつながりにくいため、工夫が必要です。ユーザーが情報を得た後は、下記のいずれかの行動をとります。
- 欲しい情報を得たためブラウザバックする
- 関連情報が気になったためリンクで移動する
コンテンツ内でユーザーが潜在的に求めている関連情報に触れ、内部リンクで誘導することで、ユーザーは「より詳しい情報を得られた」と満足します。ユーザーの満足度は高いUXにつながるため、直帰率の低下や平均セッション時間のアップが期待できるでしょう。
3-3.専門性・信頼性の高いコンテンツを作る
近年の検索エンジンは、コンテンツの専門性や信頼性も重視したコンテンツ評価を行っています。UI/UXの質を向上させるためにも、SEO対策のためにも、提供する情報の専門性および信頼性は軽視すべきではありません。
- 情報元が専門性の高い人物・団体である
- 官公庁など提供元の信頼性が高い
- データの提供者や著者が明確である
専門的かつ信頼できる情報を得るためのポイントは、上記の3つです。一般人のSNSやブログ、ソース不明の情報サイトの記述内容を参考に作ると、誤った情報を拡散するおそれがあり、UXを著しく低下させます。
ユーザーから専門性や信頼性が高いと判断されれば、繰り返し活用してもらえるうえ、外部からの被リンク獲得にもつながります。
4.SEOを重視したUI/UX設計にするためには?
ユーザーによって普段使用しているアプリケーションやWebサイトは異なるため、すべての人にとって質の高いUI/UXを設計することは容易ではありません。
しかし「表示速度が早い」「使いやすい」など、どのようなコンテンツにも共通するポイントは少なからず存在します。SEO対策としても高い効果が期待できるため、積極的に取り入れてはいかがでしょうか。
最後に、SEOを重視したUI/UX設計を行うためのコツを紹介します。
4-1.ナビゲーションを設置する
ナビゲーションの設置は、UI/UXの質を向上するために欠かせません。ナビゲーションを設置する際は、下記のポイントを意識することが重要です。
- どのページからも即座に見つかる
- ユーザーのコンテンツ閲覧を邪魔しない
- シンプルで使いやすい
一部のページでナビゲーションが隠れるWebサイトの場合、ユーザーは使用できるページまで戻らなくてはならず、煩わしさを感じます。SEOにおいて重要なUXを阻害するため、平均セッション時間が短くなるでしょう。
ただし、ナビゲーションが目立ち過ぎるデザインや大きさも避けるべきです。ユーザーの目的はあくまでコンテンツ閲覧によって質の高いUXを得ることであり、ナビゲーションは手助けするための一要素に過ぎません。
シンプルで分かりやすい構造に留め、画面サイズに合わせてオートリサイズできる機能を加えると喜ばれます。カテゴリ分けする場合も、ユーザーの操作回数が多くならないよう細分化し過ぎないことが重要です。
4-2.ページの内容に合った見出しを付ける
ユーザーは、ページ内の文章を端から端まですべて読んでくれるとは限りません。短時間で欲しい情報を得るために、斜め読みをしている可能性もあります。
質の高いUI/UXを実現するためには、たとえ斜め読み状態であってもユーザーが的確に欲しい情報を得られる利便性が必要です。ページの内容に合った見出しを付け、「この項目にどのような課題や回答が書かれているのか」が即座に分かるような設計を心がけましょう。
まとめ
UI/UXは、Webサイトをはじめ、多くのコンテンツで重要な役割を担っています。ユーザーにとって親しみやすさを感じる要素のひとつは使いやすさであり、UI/UXは大きな影響を与える存在です。
近年はマーケティングの他、SEO担当者からも重要視されています。直帰率の低下や平均セッション時間の改善を図るためにも、コンテンツのUI/UXを見直しましょう。
優れたUI/UXを取り入れたコンテンツおよびサイト改善は、ユーザーにとっても提供元にとってもメリットが多くあります。まずは運用目的に適したUIを取り入れているか確認することからはじめましょう。