ランクブレインとは?SEOへの影響から2つの対策まで
ランクブレインは、曖昧なキーワードで検索をかけた際に、検索ユーザーの意図に合致する可能性が高いWebサイトを検索結果に表示するためのシステムです。ランクブレインの登場により、Google検索エンジンにおけるユーザーの利便性が圧倒的に上昇しました。
今回は、Google検索でランクブレインの「役割・仕組み」「重要度」「登場した理由」「検索順位への影響」について解説します。さらに、ランクブレインに対応したSEO対策も2つ紹介するため、ぜひ参考にしてください。
1.Googleの「ランクブレイン」とは?役割・仕組み・重要度
ランクブレインとは、Googleが検索結果の内容を判断するために搭載している人工知能の一つです。ユーザーが検索窓に入力したキーワード(検索クエリ)をもとに、どのWebサイトが最も検索意図に合致するかを判断し、検索結果に表示します。
Googleは2015年に、ランクブレインを導入しました。ランクブレインは、導入以降ユーザーの行動を追いながら常に学習を繰り返しています。2021年時点で、ランクブレインは、Googleが検索結果を決定するアルゴリズムの中で3番目に重要な指標となっています。
1-1.似たような言葉から関連性のある検索結果を導き出す
ランクブレインには、検索クエリだけでなく、検索クエリと関連性の高い検索結果を導き出す機能があります。
たとえば、Googleで「アメリカからカープに帰ってきた選手」と検索したとしましょう。すると、検索結果の上位には「黒田博樹‐Wikipedia」が表示されます。黒田選手の情報が上位に表示される理由は、ランクブレインが「アメリカからカープに帰ってきた選手」の情報を探しているユーザーは、結果的に「黒田選手の情報」を欲していると判断するためです。
一方、ランクブレインを搭載していないBingで同じように検索します。すると、「黒田投手を題材にしたWebサイト」「広島東洋カープに関連したWebサイト」ばかりで、「黒田選手自身の情報」は表示されません。
ユーザーが「アメリカからカープに帰ってきたのはどんな選手だろう」という意図で検索した場合は、再度「黒田選手」と検索する必要があるため二度手間となります。
以上のように、ランクブレインは検索クエリをもとに、ユーザーの検索意図を推察し検索結果を表示します。
1-2.ユーザーの行動から最適な検索意図を学習する
ランクブレインは、検索クエリ以外にもユーザーの行動データを学習することで、検索意図を満たす検索結果を表示します。
下記は、検索をした際にユーザーが取る行動の一例です。
- 検索窓にキーワードを入力する
- 検索結果から興味のあるWebサイトをクリックする
- ページが中々表示されなかったため「戻る」を選択する
- 別のWebサイトをクリックする
- 検索意図に合わなかったため「戻る」を選択する
- 探していた情報が載っていたため最後まで閲覧する
上記の行動の中から、ランクブレインは下記のようにユーザーの満足度を推し量っています。
- 「クリック」された:ユーザー検索意図に近いタイトル
- 「戻る」を選択された:ユーザーの要求を満たせない
- 「滞在時間」が長い:ユーザーの検索意図に合致する
つまり、クリックされたWebサイトの中でも、滞在時間が長いと「ユーザーの検索意図を満たす質の良いWebサイト」と判断され、検索結果の上位に選ばれやすくなります。反対に、すぐに離脱されやすいWebサイトは「ユーザーの役に立たないWebサイト」と判断され、上位に選ばれにくくなる傾向です。
1-3.200以上におよぶアルゴリズムの中で3番目に重要
Googleでは、検索結果の順位を決めるためにさまざまなアルゴリズムを組んでいます。ランクブレインは、200以上ある検索アルゴリズム要素の中で「被リンク」「コンテンツ」に次いで3番目に重要なシグナル
です。
Googleアルゴリズムの中でも非常に重要視されていることから、Googleの検索結果に対して大きな影響力を持っています。ランクブレインの登場以前は、ピンポイントでキーワードが盛り込まれていなければ検索結果への表示は困難でした。
しかし現在は、検索クエリとは異なるキーワードの場合にも、ユーザーの検索意図と合っていれば検索結果へのヒットが期待できます。
2.ランクブレインがGoogle検索アルゴリズムに登場した理由
ランクブレインを導入した目的は、さまざまなユーザーが持つ複雑な検索意図を解読し、ユーザー視点で求められる検索結果を提供するためです。つまり、Googleが掲げる「ユーザーファースト」を追求した結果といえます。
Googleにおける1年間の検索回数は2兆回以上ともいわれ、毎日数え切れないほどのキーワードが検索されます。
ランクブレインを導入する以前のアルゴリズムは、エンジニアが手動で設定し更新するシステムだったため、Googleは検索意図の約15%を理解できていませんでした。エンジニア手動のシステムでは、日々世界中で生み出される新たなキーワードや複雑な検索意図に対応しきれません。
Googleはユーザーの検索意図を満たすために、人工知能によって検索結果の順位表示を検索クエリごとに判断するほか、関連性も加味するようになりました。さらに、検索された時期や地域も判断材料に加えることで、よりユーザーの検索意図に沿える結果が表示できるシステムとなっています。
3.ランクブレインによってGoogle検索の順位に影響はある?
ランクブレインは、ユーザーの検索意図に合致する可能性が高いWebサイトを、検索クエリから推察し、検索結果へ提示します。そのため「検索結果」に対して、大きな影響力があります。
しかし、ランクブレインが「検索順位」に直接影響を及ぼすことはありません。ランクブレインはWebサイトの品質を評価し順位を決めるシステムではなく、ユーザーの行動を学習し検索意図を満たすシステムであるためです。
4.ランクブレインに対応したSEO対策2選
ランクブレインは、ユーザーの検索を助けるためのシステムであり、Webサイトそのものの評価を左右するシステムではありません。そのため、Googleの検索順位に対して直接的な影響はないといえます。
しかし、検索結果にはランクブレインが反映されることから、以下で解説するようなSEO対策を行うことが大切です。
4-1.ユーザーの検索意図を満たした良質なコンテンツを作る
ユーザーにとって使いやすく見やすい、正しい情報を余すことなく入手できるようなWebサイトは、Googleから高い評価を受けます。
Googleは価値があると判断したWebサイトを、検索クエリに合わせて検索結果として表示します。そこで、「離脱」「滞在時間」など「ユーザーが起こした行動」によって、検索クエリとコンテンツの合致性を評価するシステムがランクブレインです。
つまり、ユーザーの検索意図を満たせる良質なコンテンツを作ることが、ランクブレインに選ばれる方法となります。
4-2.ロングテールキーワードに関連したコンテンツを作る
ランクブレインから、ユーザーの検索意図を満たしていると評価されるためには、ロングテールキーワードに関連したコンテンツ作りも大切です。
ユーザーの検索クエリと完全に合致していない場合でも、ランクブレインが「関連性のあるコンテンツ」と判断すれば検索結果に反映されます。一方で、コンテンツにキーワードが多く含まれている場合でも、「内容に関連性がない」「情報が少ない」とランクブレインが判断を下すと、コンテンツは検索結果に反映されにくくなるでしょう。
ロングテールキーワードの場合、コンテンツ内へキーワードをただ入れ込むのではなく、キーワードをもとに関連性のある内容を盛り込むことが大切です。
まとめ
ランクブレインはGoogleの検索結果を選別するアルゴリズムの一つです。検索クエリから検索意図を推察し、ユーザーの行動を学習することによって精度の高い検索結果を提供します。基本的にユーザーの検索を助けるシステムであり、検索結果に直接影響するシステムではありません。
しかしランクブレインは、ユーザーが検索窓で入力したキーワードをもとに、コンテンツ内容が合致しているかを判断します。そのため、ユーザーの検索意図を満たせるコンテンツ作成が、SEO効果の望める対策方法として有効となるでしょう。