マーケティングにおける「リード」とは|3つの段階から活用方法まで
リードというマーケティング用語について見聞きしたことがあっても、詳しい意味や活用方法はわからないという人も多いでしょう。リードは複数の意味で使われる用語で正しく理解することで、より効果的な集客が可能です。
この記事では、リードの基礎知識や分類、リードに含まれる3つの段階、リードを活用するための方法について解説します。リードについて詳しく知りたいWeb担当者や、売上を伸ばしたいマーケティング担当者は、ぜひ参考にしてください。
1.リードとは
集客施策の用語として扱われるリードとは、「見込み顧客」のことです。自社の商品やサービスに興味を持っていながら、まだ購入していない段階の相手がリードと呼ばれます。
ただし、営業におけるリードと、マーケティングにおけるリードは意味する内容が異なるため、区別が必要です。
営業におけるリードは、営業担当者の活動によって獲得された、比較的購買意欲の高い見込み顧客を表します。一方、マーケティングにおけるリードは資料請求者やメールマガジン登録者など、まだ見込み度の低い相手まで含むことが一般的です。
1-1.リードの分類
リードを分類するための考え方として、マーケティング会社のシリウスディシジョンズが提唱した「Demand Waterfallモデル」
があげられます。
出典:シリウスディシジョンズ「The SiriusDecisions Rearchitected Demand Waterfall」
Demand Waterfallモデルによれば、リードを獲得してから顧客化に至るまでのプロセスは下記の4つです。
(1)Inquiry(問い合わせ)
自社に興味を持った人から問い合わせが来たり、電話営業を行った相手が関心を示したりした時点で、リードの獲得と判断されます。Inquiryはリード獲得のきっかけとなるプロセスです。
Webサイトから資料請求された場合など、ユーザー側から問い合わせがくるケースはインバウンドと呼ばれます。一方、DMの送付や訪問営業などによるリード獲得は、アウトバウンドと呼ばれる手法です。
(2)MQL(マーケティングによる施策)
MQLは「Marketing Qualification Lead」の略称で、マーケティング活動によってリードの興味を高めるプロセスを表します。興味を高めたリードを営業部門に引き渡すまでが、MQLの役割です。
(3)SQL(営業による施策)
SQLは「Sales Qualification Lead」の略称で、営業部門がリードに対して商品やサービスを提案するプロセスを表します。MQLによって引き渡されたリードに対するセールスだけではなく、営業部門が自ら獲得したリードに対するセールスも、SQLに含まれる施策です。
(4)Close(顧客化)
リードが商品やサービスを購入する意思決定を行い、発注するプロセスはCloseと呼ばれます。さまざまな方法で獲得したリードを顧客化するための最終段階がCloseです。
2.リードの3つの段階とは?
リードを獲得してから営業部門に引き渡すまでの流れは、3つの段階に分けられます。各段階の役割を区別して、最適な行動をとることで効果的な集客が可能です。
ここでは、リード獲得から営業部門へ引き渡すまでの3つの段階について、概要や具体例を紹介します。
2-1.リードジェネレーション
リードジェネレーションは、リードを獲得する段階の活動です。自社の商品やサービスに興味がある潜在顧客を探し、ユーザーの業種や名前、連絡先などの情報を取得することをリードジェネレーションと呼びます。
リードジェネレーションの具体例は、下記の通りです。
〇ウェビナーの開催
オンラインで視聴できるウェビナーを開催することで、自社がターゲットとするユーザー層から情報を収集できます。ウェビナーはオフラインで実施するセミナーと異なり会場を借りるコストが不要であるため、参加費無料で開催することが可能です。
無料のウェビナーは参加する際の心理的なハードルが低いため、より多くのリードを獲得できる可能性があります。
〇ホワイトペーパーの作成
ホワイトペーパーとは、ターゲットユーザーの課題解決に役立つ情報をまとめた資料のことです。自社のWebサイトにホワイトペーパーを載せて、ダウンロード時にメールアドレスや業種、会社名などの情報を入力させれば、リードが獲得できます。
2-2.リードナーチャリング
リードナーチャリングは、リードを育てる段階の活動です。リードに対して有益な情報を提供したり、リードからの問い合わせに答えて疑問を解決したりして、信頼関係を築くことがポイントとなります。
リードナーチャリングの具体例は、下記の通りです。
〇メールマーケティング
リードにとって役立つ情報をメールで定期的に送信することで、リードの購買意欲を高められます。一方的な売り込みではなく、リードの抱えている課題を解決するための情報を提供することが、メールマーケティングのポイントです。
〇リターゲティング広告
リターゲティング広告はWeb上で配信できる広告で、自社のWebサイトに訪問したことがあるユーザーに対してバナー広告やテキスト広告を表示できます。リードへのアプローチに特化した広告内容にすることで、すでに自社を知っているユーザーに対する、より詳しい情報提供が可能です。
2-3.リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションは、リードを絞り込む活動です。リードの属性やリードナーチャリングの進捗によって、購買意欲は異なります。そのため、購買意欲の程度でリードを分類し、成約に至る見込みの高いリードだけを営業部門に引き渡すことが、リードクオリフィケーションの役割です。
リードクオリフィケーションにも、下記の2つの施策が役立ちます。
〇メールマーケティング
メール配信ツールの機能を使えば、メールの開封状況や本文中のURLがクリックされた回数などをリードごとに調べることが可能です。
メールを開封しているリードや、URLをクリックしているリードは、自社に対する興味度が高いと考えられます。メールマーケティングによって、購入可能性の高いリードを絞り込みましょう。
〇リターゲティング広告
リターゲティング広告のリンク先ページにフォームを設置し、問い合わせや資料のダウンロードを促せば、見込み度の高いリードを絞り込むことができます。
3.リードをうまく活用するためには?
リードを獲得したあとに、商品やサービスの購買につなげるためには、特にリードナーチャリングとリードクオリフィケーションが重要です。リードナーチャリングを継続的に実施すれば、さまざまな段階のリードを顧客化できる可能性が高まります。商品やサービスを今すぐ必要としていないユーザーも、メールマーケティングによる接触を続けることで、ニーズが高まったタイミングで自社を選んでもらうことが可能です。
また、リードナーチャリングを行う際にリードが抱えている具体的な課題をヒアリングできれば、営業部門が商談を行う際に役立ちます。
購買意欲が高まっていないリードに対して無理にセールスを行っても、顧客化にはつながりません。そのため、リードクオリフィケーションによってリードを分類し、成約率を高めることがポイントとなります。
さらに、リードをうまく活用したい場合は、マーケティングオートメーションと呼ばれるツールもおすすめです。マーケティングオートメーションを企業に導入することで、リードナーチャリングやリードクオリフィケーションに必要な業務を自動化できます。
リスト管理や自動メール配信、案件ごとの進捗管理などがマーケティングオートメーションの主な機能です。マーケティングオートメーションを利用して、新規顧客を効率的に獲得しましょう。
まとめ
リードとは見込み顧客を意味する言葉です。マーケティング施策や営業活動によって、商品・サービスへの興味が高まった相手をリードと呼びます。
リード獲得のプロセスは、リードジェネレーション、リードナーチャリング、リードクオリフィケーションの3段階です。リードにとって有益な情報を提供し、見込み度の高いリードを絞り込んで営業部門へ引き渡せば、顧客化の可能性が高まります。
リードをうまく活用したい人はマーケティングオートメーションを導入し、リードの育成や絞り込みに注力してみてはいかがでしょうか。
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