健康アップデートとは?実施の背景と医療・健康分野への影響
Googleの検索結果でWebサイトを上位表示させるためには、検索アルゴリズムを理解したうえで良質なコンテンツを作る必要があります。特に、医療や健康分野のWebサイトを運営する場合、健康アップデートと呼ばれるGoogleの施策に対する理解が重要です。
この記事では、健康アップデートの概要や実施された背景、順位に大きな変動があった分野、SEO対策のポイントについて解説します。医療・健康分野のWebサイトに検索エンジンからアクセスを集めたいWeb担当者は、ぜひ参考にしてください。
1.健康アップデートとは?概要と実施の背景
健康アップデートとは、医療や健康に関するWebサイトを対象としてGoogleが実施した検索アルゴリズムの更新です。健康アップデートは2017年12月6日に実施され、現在の検索アルゴリズムにおいても注意するべきポイントとなっています。
2016年以前の検索アルゴリズムでは、数多くのページが掲載されているWebサイトが上位表示されやすくなっていました。その結果、信憑性がなく低品質なコンテンツが量産されてしまったことが、健康アップデートの実施された背景です。
根拠のない情報や誤った情報が記載されたWebサイトは、利用者に対して悪影響をもたらす可能性があります。特に、医療や健康に関する誤った情報は危険です。
ユーザーにとって役に立たない情報が上位表示されると、Googleは検索エンジンとしての信頼性を失ってしまいます。信頼に値する有益なコンテンツが上位表示されるようにするため、健康アップデートが行われました。
2.健康アップデートがもたらした影響|医療・健康分野の変動
健康アップデートは、日本語検索が行われた場合に適用されます。Googleの公式発表によると、健康アップデートが影響する範囲は医療・健康に関連する検索のうち約60%
です。
出典:Googleウェブマスター向け公式ブログ「医療や健康に関連する検索結果の改善について」
ここでは、健康アップデートによって表示順位が変動したサイトの特徴や、今後も注意が必要なジャンルについて解説します。
2-1.順位の上がったサイト・下がったサイト
健康アップデートの影響で順位が上がったサイトの特徴は、下記の通りです。
- 医療機関が運営するサイト
- 医療従事者や専門資格保有者が運営するサイト
- 実店舗を持つ事業者が運営するサイト
病院やクリニックの公式サイトなど、医療機関が運営するサイトは健康アップデートによって順位が上がりました。また、医師や看護師などの医療従事者、薬剤師などの専門資格保有者がコンテンツ作成に携わっているサイトも順位が上がっています。
ドラッグストアなど、医療・健康に関連する実店舗を持つ事業者のサイトも、健康アップデート以降に順位が上がりやすい傾向です。
次に、順位が下がったサイトの特徴を紹介します。
- まとめサイト
- 信憑性や根拠の乏しいサイト
- 専門的な知識が掲載されていないサイト
- アフィリエイトや広告収入を主目的としたサイト
Web上に存在する関連情報を単にまとめただけのサイトは、健康アップデートによって順位が下がりました。また、執筆者や監修者に専門家が含まれないサイトは信憑性がないため、順位が下がっています。
医療・健康分野の専門知識が掲載されていない低品質なサイトや、アフィリエイトまたは広告収入を主目的として制作されたサイトは、順位が下がりやすい傾向です。
2-2.大きな変動があったYMYL分野は今後も要注意!
健康アップデート以降に情報の品質が重視されている分野は、医療・健康だけではありません。Googleの公式ガイドラインによると、「YMYL」と呼ばれる分野のWebサイトで高い専門性が求められます。
YMYLは「Your Money or Your Life」の略語です。お金や幸福に関する内容はYMYLコンテンツに含まれます。特に、次のようなジャンルでは今後も順位変動に注意が必要です。
- 投資や税金、保険に関するジャンル
- 健康や薬、精神疾患に関するジャンル
- 地震や火災などの災害に関するジャンル
- 相続や離婚、親権などの法律に関するジャンル
上記のほか、就職や大学の選び方に関するコンテンツや、人種など特定の集団に関するコンテンツもYMYLに該当します。
3.健康アップデート後のSEO対策|4つのポイント
YMYLに関連する情報を取り扱う場合や、健康関連のECサイトを運営する場合は、下記のようなポイントに注意が必要です。
- E-A-Tを満たすコンテンツを作成する
- 最新の情報に基づいたコンテンツを作成する
- 引用や参照元に注意する
- ユーザーにとってわかりやすい言葉を使う
E-A-Tは、専門性(Expertise)と権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)を表します。E-A-Tを満たすコンテンツは健康アップデート以降に順位が上がりやすい傾向です。
具体的には、健康・医療情報は医師や看護師、管理栄養士などの有資格者が監修することでE-A-Tを満たせます。法律に関するサイトを運営する場合、弁護士や税理士など士業の有資格者によるコンテンツ作りがSEO対策として有用です。
また、最新のデータに基づく情報を掲載することや引用・参照元を明記することも重視されます。単に専門知識を記載するだけではなく、ユーザーにとってわかりやすい言葉で説明することも、検索エンジンから高く評価されるためのポイントです。
まとめ
2017年に健康アップデートが実施されて以来、Googleの検索エンジンではサイト品質が重視されています。特に、医療系コンテンツやお金に関連するYMYL分野では情報の信憑性が求められる傾向です。
各分野の専門機関が運営するサイトや、有資格者が執筆・監修したWebページは、健康アップデート以降に順位が高まっています。また、引用や参照元を明記することや、わかりやすい言葉を使うことも検索順位を高めるために大切です。
YMYLに関連した情報サイトやECサイトを運営する際は、この記事で紹介した内容を参考にコンテンツの品質を高めましょう。