クローラーとは?SEO上の仕組みとクローリングの最適化を説明
SEO対策では、クローラーの役割や検索エンジンの仕組みを正しく理解し、適切な対処を取ることが大切です。クローラーや検索エンジンに関する知識を持たない状態のWeb担当者が試行錯誤することは、時間と労力の浪費を招くリスクがあります。
今回は、SEO入門編として、クローラー・検索エンジンの仕組みやクローラビリティを向上させる方法を解説します。自社商品・サービスの売上拡大や企業の認知度向上を目的に、SEO対策を実施したいWeb担当者やWebマーケティング担当者は、ぜひ参考にしてください。
1.クローラーとは?
「クローラー(クローラ)」とは、インターネットの世界を巡回し、Webサイトの存在やWebサイト内の動画、画像などの収集するプログラムを意味します。
クローラーの情報収集活動を意味する用語が「クローリング」です。
以下では、クローラーの役割と種類、クローリングの対象に関して、より詳しく解説します。
1-1.検索エンジンの仕組みとクローラーの役割
クローラーの運営主体は、Googleなどのロボット型検索エンジンです。
検索エンジンは、検索ユーザーの需要に応えるための準備としてクローラーによる情報収集を随時行い、膨大なデータベースを作成します。
クローラーが集めたデータベースの情報は、検索結果でWebページやWebサイトをランク付けする資料となります。検索エンジンによって決定されたランクが高いほど検索結果の表示順位が上がり、検索ユーザーの目に留まる頻度を高めることが可能です。
つまり、クローリングされることは、SEO対策の第一歩に該当します。
クローラーがWebサイトを巡回しなければ検索結果に表示されず、多くのアクセスを集めることは不可能です。
1-2.クローリング対象となるファイル
クローラーが取得する情報は、非常に多岐にわたります。
たとえば、以下のようなファイルがクローリングの対象です。
- テキストファイル
- 画像ファイル
- CSSファイル
- PDFファイル
- JavaScriptファイル
Webサイト作成した際は、Webサーバーにさまざまなファイルをアップロードします。
Webサーバーにアップロードしたファイルの多くはクローリングの対象とみなされ、WebページやWebサイトのランクを左右する要素となります。
1-3.クローラーの種類
Googleおよび日本のYahoo!のクローラーは「Googlebot」という名称であり、Googlebotがクローラーの筆頭です。
そのほかの主な検索エンジン・クローラーは、以下の表の通りです。
検索エンジン | クローラー |
---|---|
日本以外のYahoo! | YahooSlurp |
百度(中国の検索エンジン) | Baiduspider |
Naver(韓国の検索エンジン) | Yetibot |
上記以外にもさまざまなクローラーが存在するため、すべての種類に応じたSEO対策を完璧に行うことは困難です。国内の検索エンジンシェアはGoogleおよび日本のYahoo!が大半を占めることから、SEO上はGooglebotへの対策を優先的に行いましょう。
2.Googlebotのクローラーに巡回を開始させる方法
新規Webサイトの立ち上げ・新規ページの追加時には、Googlebotの巡回を促すための対策が不可欠です。以下のいずれかの方法で、クローラーの巡回を開始しましょう。
- XMLサイトマップを活用する
- Google Search Console(グーグルサーチコンソール)を使用し、巡回申請を送信する
XMLサイトマップの活用方法については下記で詳しく説明しているため、ぜひ参考にしてください。
Google Search Consoleとは、検索順位の確認や検索ユーザーの反応、クローラーの巡回状況を調査できるツールです。Googleアカウントを持つWebサイト制作者・Webサイト運営者は、誰でも無料で使用できます。
Google Search Consoleへの巡回申請のやり方は、以下のような手順です。
- Google Search Consoleにログインする
- 検索窓に巡回申請するページのURLを入力する
- 「インデックス登録をリクエスト」を選択、送信する
なお、申請からGooglebotの巡回を受けるまでには、一定の時間を要するケースも存在します。数日から数週間は時間を置いてから、巡回状況を確認してください。
3.クローラーの巡回状況を確認する方法
「Webサイトがクローラーの巡回を受けたか」「特定キーワードの検索結果に表示されるか」を知るためには、自主的に確認しなければなりません。自主的な確認を怠ると、新規Webサイトや更新コンテンツ、Webページが検索サイトに表示されず、集客に手こずるリスクがあります。
以下では、クローラーの巡回状況を確認できる2つの方法を解説します。
3-1.「site:サイトのURL」で検索する
site:コマンドを使用することで、クローラーが訪れたかを確認することが可能です。
Google検索の検索窓に「site:(WebサイトURL)」と入力し、検索結果を確認してください。
検索結果上部に表示される数値は、クローラーの巡回を受け、検索エンジンに認識されたWebページ数を示します。大規模なWebサイトでは、表示される数値・実際のWebページ数に大きな乖離がないことも確認するとよいでしょう。
実際のWebページ数が30ページ程度であるにもかかわらず、100件や200件の表示が見られる場合は、重複ページの存在が疑われます。
3-2.Google Search Consoleを使う
Google Search Consoleの「URL検査」を使えば、インデックス登録されているかどうかチェックできます。以下の手順に従って、巡回状況を確認しましょう。
- Google Search Consoleにログインする
- 画面左側のタブ「URL検査」を選択する
- 確認対象ページのURLを入力する
URL検査は、特定ページの巡回状況を調べるために使用する機能です。複数ページを確認する場合は、URLごとに同じ作業を繰り返し、巡回状況を調べてください。
4.クローラーのクローラビリティを向上させるポイント
最後に、クローラビリティを向上させるためのノウハウを解説します。
クローラビリティとは、「クローラーの巡回・Webサイトの理解しやすさ」という意味を示す用語です。クローラビリティーを向上させることは検索エンジンの評価アップにつながり、上位表示を狙うことに貢献します。
クローラビリティの向上につながる対策は、以下のような内容です。
①Webサイトの構造を3階層以内に留める
一般的にクローラーは、階層の浅いページから深いページの順番でWebサイトを巡回します。できる限り3階層以内にすべてのページの設置し、シンプルなサイト構造に留めることが、クローラビリティを向上させるポイントです。
②各ページにパンくずリストを設置する
パンくずリストとは、Webサイトの上部に設置する「トップ>動物>猫」といった形状のリストです。クローラーはリンク元からリンク先へ巡回するため、各ページにパンくずリストを設置することで、クローラーがWebサイト内を回遊しやすくなります。
③ページの内容が分かるテキストリンクを設置する
「こちら」といった曖昧な単語によるテキストリンクの作成は控え、リンク先の内容が分かるアンカーテキスト(リンクタグの間に挟む文章)を検討しましょう。画像リンクではなく、できる限り文字情報によるリンクを作ることでも、クローラビリティの向上を図れます。
④重複ページのURLを一本化する
ひとつのWebサイト内に重複ページが存在することは、クローラビリティの低下を招く原因です。重複ページのURLは一本化するなど、Webサイトの構造を見直しましょう。
まとめ
クローラーは、検索結果におけるWebサイトのランク付けする資料を集めるプログラムです。クローラーにはいくつか種類がありますが、基本的にはGooglebotへの対策を行えば問題ありません。クローラーの仕組みや役割を踏まえたSEO対策を講じることは、検索結果で上位表示を狙うにあたって欠かせないポイントです。
また、クローラビリティを向上させる対策を怠ることは、検索エンジン経由の集客を妨げ、売上向上や認知度拡大のチャンスを逃すリスクがあります。クローラーの巡回を促すだけでなく、クローラビリティの向上につながる対策も検討し、検索ユーザー・検索エンジンの双方に優しいWebサイトを運営しましょう。