CPMとは?CPCとの違い・計算方法・メリットとデメリット
Webマーケティングを行う場合は、Web広告の種類と共にコスト面についても、十分に考える必要があります。Webマーケティングにおける広告掲載コストを表す言葉の中でも、とくに使われる用語がCPMやCPCです。
Web広告の出稿を検討していて、課金料金部分に表示されているCPMとは何か、意味を知りたい人は多いでしょう。
そこで今回は、CPMの概要や計算方法、CPCとの違いについて詳しく解説します。CPMのメリット・デメリットについても解説するため、ぜひ参考にしてください。
1.CPMとは?
CPMとは「Cost Per Mille」の略であり、Web広告を1,000回表示するためにかかるコストのことです。CPMの考え方をベースとして、Web広告1,000回の表示にかかるコストで料金計算を行う課金形態は、「CPM課金」と呼ばれます。
CPMの特徴は、Web広告が1,000回表示された際のコストを表していて、表示された広告がクリックされたかどうかは無関係である点です。Web広告が表示されることをインプレッションと呼び、CPMで表される単価を指してインプレッション単価と表現することもあります。
1-1.CPMの計算方法
広告のコストパフォーマンスをCPMで計算したい場合は、下記の計算式に沿って計算を行いましょう。
CPM=広告のコスト÷広告表示回数×1,000
たとえば、50万円のコストをかけた広告の表示回数が80万回であった場合は、下記のように計算します。
CPM=50万円÷80万回×1,000=625円
つまり、上記の例では、広告を1,000回表示するためにかかったコストは625円です。CPMで計算すると表示回数ごとのコストパフォーマンスが把握できるため、広告サービスの比較に役立ちます。
1-2.CPMとCPCの違い
CPMと同じように広告のコストを表す用語には、CPCがあります。CPCとは「Cost Per Click」の略で、Web広告が1回クリックされるためにかかるコストのことです。CPCをベースとした課金形態は、CPC課金やクリック課金と呼ばれます。
CPC課金の特徴は、広告が表示された後のクリックによってコストを計算している点です。Web広告によって売上を出すためには、広告を表示した後にユーザーがクリックして、自社ページやECサイトへ移動しなければなりません。CPC課金は1クリックあたりに発生するコストを計算するため、商品販売や資料請求などのコンバージョン率・売上向上を目的とした広告に適しています。
一方で、CPM課金の広告はあくまでも表示回数1,000回ごとに料金が発生する仕組みであり、広告に対するユーザーのアクションを測定する用途には向きません。そのため、CPM課金の広告は、ユーザーのアクションを予測できる場合に使用する手法です。自社ブランドの印象付けや、製品の認知度向上を目的とした広告にも適しています。
2.CPMから派生して誕生したeCPM・vCPM
CPMの「Web広告を1,000回表示するごとのコストを計算する」という考え方から派生した指標に、eCPMとvCPMの2つが存在します。eCPMはCPM課金以外の課金形態で使用する指標であり、vCPMはCPMをより厳密に捉えた指標です。
ここでは、eCPM・vCPMについて、それぞれの意味と計算方法を紹介します。
2-1.eCPMの計算方法
eCPMとは「effective Cost Per Mille」の略で、Web広告を1,000回表示するためにかかる事実上のコストを表す指標です。CPM課金以外の課金形態(CPC課金など)で、広告のコストパフォーマンスを把握・比較するために使用します。
eCPMの計算は、CPMと同じ計算式に当てはめることで算出することが可能です。
eCPM=広告のコスト÷広告表示回数×1,000
たとえば、CPC課金のWeb広告を下記条件で運用した場合を考えてみましょう。
- クリック単価:100円
- 広告表示回数:4万回
- 広告がクリックされた回数:500回
- 全体の広告コスト:100円×500回=5万円
eCPMを計算すると、下記の通りとなります。
eCPM=5万円÷4万回×1,000=1,250円
上記のように計算を行うことで、課金形態が異なる広告サービス同士について、表示回数をベースとするCPMの考え方で比較することが可能です。
2-2.vCPMの計算方法
vCPMとは「viewable Cost Per Mille」の略で、ユーザーが閲覧できる状態にある広告が1,000回表示された際のコストを表す指標です。
CPMにおける広告表示回数は、ユーザーが広告のあるページをロードした際にカウントします。しかし、広告がページをスクロールしなければ閲覧できない位置にあってもカウントされるため、ユーザーがページをスクロールせずに離脱することは考慮されていません。
vCPMは、CPMにおける表示回数の定義を捉え直し、広告がユーザーの目に入った状態を「表示」としてカウントします。そのため、CPMとの違いは表示回数の条件が異なることだけです。
vCPMの計算方法も、CPMと同じ計算式に沿って行います。
vCPM=広告のコスト÷広告表示回数×1,000
3.CPMのメリット・デメリット
検索エンジンやSNSメディアのWeb広告における課金方式としては、一般的にCPC課金とCPM課金の2種類が用意されています。Web広告を出稿する際にはそれぞれのメリット・デメリットを把握して、自社のマーケティング手法に合った方法を選びましょう。
ここでは、広告運用にCPM課金を採用する場合のメリット・デメリットを解説します。
3-1.【メリット】クリックが多くてもコストがかからずに済む
CPM課金で広告を運用するメリットは、広告のクリック数が多くても広告費用に影響しない点です。CPM課金は広告表示1,000回ごとにコストがかかる課金形態であるため、たとえ表示された全てのケースで広告がクリックされてもコストは増大しません。
つまりCPM課金は、クリック率が高い広告を運用する場合に適しています。広告掲載で高いクリック率が予測できる場合は、1回のクリックごとにコストが発生するCPC課金よりも、表示回数でコストが発生するCPM課金を選択しましょう。
また、CPM課金は広告表示回数を管理できるため、ブランディングや認知度向上を目的とした広告を掲載する場合に費用を抑えることができます。ユーザー側のアクションにあまり左右されることなく、計画的な広告露出を行える点もCPM課金のメリットです。
3-2.【デメリット】クリックが少なくてもコストがかかる
CPM課金のデメリットは、広告のクリックが少なくてもコストがかかる点です。Web広告は表示回数が増えても、クリック数がなかなか増えないケースが少なくありません。サイト誘導を目的とした広告でCPM課金を選択すると、広告成果が少ない場合にもコストが発生するためコストパフォーマンスは低下します。
また、CPM課金の広告はブランディングや認知度向上といった目的に向くものの、ターゲットユーザーが実際に広告を見ているかは把握できません。広告がページ下部に掲載されていて、ユーザーの多くがファーストビューだけでページを離脱している可能性もあります。広告にかけるコストと、ユーザーの反響が連動せず、広告効果を分析・測定しづらい点もCPM課金のデメリットです。
まとめ
CPMはWeb広告を1,000回表示するためにかかるコストのことです。CPMの計算方法は「広告のコスト÷広告表示回数×1,000」で表され、表示回数のコストを比較する際に役立ちます。CPMで広告コストを計算する際は、CPMから派生したeCPMやvCPMも活用しましょう。
CPMをベースとした課金形態はCPM課金と呼ばれ、ユーザーのクリック数に左右されず、表示回数でコストがかかる点が特徴です。クリック数とコストが連動しない点はメリットにもデメリットにもなるため、自社の広告戦略との相性を考えて、運用するか否かを決めましょう。
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