サテライトサイトとは?メリットとデメリット・効果的な事例を紹介
サテライトサイトは、メインサイトの集客アップやSEO効果の向上のために役立つサブサイトです。質の高いサテライトサイトを適切に運営すれば、メインサイトによい影響を与えます。
しかし、サテライトサイトの使い方を間違えると、検索順位の低下などのペナルティを受ける危険性もあります。
当記事では、効果的なサテライトサイトの作成方法や運用方法について解説しています。サイトを上手く活用している事例も紹介しているので、サテライトサイトの作成や運営に迷っている人はぜひ参考にしてください。
1.サテライトサイトとは
サテライトサイトとは、メインサイトのSEO対策や集客を目的として、メインサイトと別に立ち上げたサイトのことを指します。
サテライトサイトは、メインサイトとは別のドメインにして、メインサイトとの関連を隠して運営されるケースがほとんどです。
2.サテライトサイトを作るメリット
サテライトサイトはメインサイトとの関係を隠して運営するため、「どうしてサテライトサイトを作る必要があるのか?」と疑問を抱く人もいるでしょう。サテライトサイトを作成し、運用するメリットは主に以下の3つです。
2-1.被リンクを増やしメインサイトの評価を上げられる
サテライトサイトにメインサイトへの被リンクを設定して、被リンクを獲得できます。
Google検索では被リンクの多さがサイトの評価につながるため、被リンクが多ければメインサイトの上位表示効果が期待できます。ただし、Googleがリンクの品質を評価するアップデートを行ったことで、低品質なサイトからの被リンクを集めているサイトの評価は低くなりました。
出典:Google検索セントラル「ウェブ検索のスパムに関するポリシー」
そのため、ただ単に被リンクを張ればいいわけではなく、被リンクの品質が問われるということに十分注意しましょう。
2-2.新たなユーザー層の獲得を狙える
サテライトサイトを活用することで、メインサイトの新たなユーザー層の獲得につながります。メインサイトとサブサイトにそれぞれ関連性のあるコンテンツを掲載することで、異なる方向からターゲットにアプローチできます。
例えば、メインサイトがカメラを販売しているサイトの場合、自社のカメラに興味がある「購買行動に近い層」がターゲットでしょう。そのため、メインサイトには下記のような情報が掲載されます。
- 製品の情報
- 技術の紹介
- 利用ユーザーの声
- 購入用のフォーム
メインサイトを訪れる人は自社製品の存在を知っており、既に興味を持っている人たちです。そこで、サテライトサイトには下記のような情報を掲載します。
- インスタ映えのフィルムカメラ
- 動画初心者におすすめの最新カメラ
- カメラの正しいお手入れの仕方
- 2023年売れ筋カメラトップ10
上記のように、自社のメインサイトとは違った切り口から商品紹介をすることで、自社製品を知らないユーザー層の見込み客にアピールでき、集客の増加が期待できます。
2-3.データをリターゲティング広告に活用できる
リターゲティング広告とは、自社サイトを訪れたユーザーを離脱後も追跡して、他のサイトの広告枠に自社の広告を表示させる手法です。
サテライトサイトを作成し運用することで、リターゲティング広告を配信する見込み顧客のリストを増やせます。
サテライトサイトを訪れたユーザーは、既に自社製品に関連した悩みを持っている場合が多いです。自社製品の広告を出すことで集客アップにつなげられる可能性が高まります。
3.サテライトサイトを作るデメリット
サテライトサイトにはメインサイトへの流入を増やせるといったメリットもありますが、コストやリスクに関してデメリットもいくつか存在します。
以下の2点に注意してサテライトサイトの作成を検討してみてください。
3-1.サイト作成・維持管理にコストがかかる
サテライトサイトの作成や維持管理には、時間やお金、労力といったコストがかかります。
メインサイトへの流入増加や新しいユーザー層の獲得を目指すには、サテライトサイトとコンテンツの質を高める必要があります。なぜなら、サテライトサイトの目的は、ユーザーに商品の周辺情報を知ってもらい、メインサイトも見たいと思ってもらうことだからです。
サテライトサイトは1つとは限らず、多くのコンテンツの追加や情報の更新を定期的に行う必要があります。維持や管理にお金や手間がかかることを押さえておきましょう。
3-2.Googleからペナルティを受ける危険性がある
Googleのガイドラインに違反すると、サイトにペナルティが課されることがあります。サテライトサイトを作成・運営する際には、下記の2点のガイドライン違反に該当しないようにしましょう。
- リンクスパム
- 誘導ページ
検索順位を操作することを目的にしたリンクは、リンクスパムと見なされる可能性があります。サテライトサイトを利用して、検索順位を操作するためだけに被リンクを量産する行為は、リンクスパムに該当するでしょう。
特定の類似キーワードで検索結果の上位に表示されることを目的に制作された誘導ページも、ガイドライン違反に該当する恐れがあるため注意が必要です。
より詳細な情報に関してはGoogleの公式見解も参考にしてみてください。
4.ペナルティを受けやすいサテライトサイトの特徴
Googleのペナルティを受けると、メインサイトの検索順位の低下や、検索結果からの除外される恐れがあります。
メインサイトの評価を下げる可能性の高い、サテライトサイトのNG事項や注意点を以下で具体的に解説します。
4-1.コンテンツの質が低いサイト
以前は単純に被リンクの数のみが検索順位の評価対象だったため、質の低いサイトを量産してメインサイトへのリンクを張るという手法が有効でした。しかし、現在では低品質サイトのリンクを大量に張るやり方は「ブラックハットSEO」と呼ばれる悪質な手法に分類され、ペナルティを受ける可能性が非常に高いです。
特に、下記のようなサテライトサイトはペナルティを受ける傾向にあります。
- メインサイトとの関連性がない
- 開設されてからほとんど更新されていない
- サイトの訪問者がいない
- キーワードを詰め込んだだけの機械的なコンテンツを載せている
- 他サイトからのコピペコンテンツを流用している
検索エンジン対策で質の低いサテライトサイトをいくら量産しても、メリットどころかデメリットしかありません。
被リンク目的でサテライトサイトを作成する場合は、サイトの質を意識しましょう。
4-2.不自然にリンクが多いサイト
サイトのコンテンツが、メインサイトへの誘導リンク中心になっている場合、被リンクの獲得だけが目的のページだとみなされ、ペナルティを受ける危険性が高まります。
また、下記のようなリンクは自作自演もしくは不自然だとみなされる恐れがあります。
- 大量の相互リンクが張られている
- リンクでつながっているページに関連がない
- ユーザーから見えづらい隠しリンク
コンテンツがユーザーの役に立つ内容になっているか、必ず確認しましょう。
4-3.パターン化されオリジナリティがないサイト
サテライトサイトの質にこだわっていても、同様のサテライトサイトが複数存在していた場合、重複コンテンツのコピペサイトとみなされてペナルティを受けます。サテライトサイトを作る際は、テンプレート化やパターン化しないようにしましょう。
多少文章の内容や構成を変えても、サテライトサイトとして同じ情報コンテンツを扱ったサイトを複数作ることは、SEO上では全くの無意味です。Googleから「似たコンテンツのサイト」という判定を受けてしまうと、すべてのサテライトサイトがペナルティ対象となる可能性があります。
良質なサテライトサイトを作るためには、ある程度コンテンツのボリュームを確保しながら、専門性の高いテーマを扱う必要があります。メインサイトで扱う情報と、サテライトサイトで扱う情報をしっかり整理して、それぞれ違った切り口によるコンテンツSEOを心がけてください。
4-4.更新頻度が低いサイト
更新が止まってしまい放置されたサイトを、Googleは品質の低いサイトとみなします。
定期的にコンテンツの見直しや更新を行うことで、新しい情報をユーザーに届けることができ、結果的に有益性の高いサイトだと評価されるでしょう。
メインサイトの管理を優先するがあまり、サテライトサイトの更新をおろそかにしないようにしましょう。
5.SEO対策に効果的なサテライトサイトを作るには?
効果的なサテライトサイトを作るためには、メインサイトとの関連性を持たせたり、ユーザー目線に立った有益なコンテンツ制作を行ったりする必要があります。重要なポイントを以下で3点解説します。
5-1.メインサイトと関連するテーマを扱う
サテライトサイトは、メインサイトの方針に合わせ、関連性のあるテーマで構築する必要があります。全く関連性のないサテライトサイトをやみくもに量産しても質の悪いリンクとみなされ、Googleからペナルティが課されます。
メインサイトで自社商品を紹介する場合、サテライトサイトは別の切り口から商品を紹介する内容にしましょう。
例えば、メインサイトが女性向け化粧品の商品紹介であれば、サテライトサイトは下記のような切り口で展開することが可能です。
種類 | サイトのテーマ |
---|---|
メインサイト | 女性向け美白化粧品の紹介 |
サテライトサイトA | 30代におすすめの美白化粧水 |
サテライトサイトB | 人気プチプラ美白化粧水5選 |
サテライトサイトC | 美白化粧水の売上ランキング |
ただし、メインサイトに掲載しても違和感のない情報は、無理にサイトを分ける必要はありません。上記の例でいえば、商品の口コミや使用レポートは商品紹介の一部として考えられるため、メインサイトの1コンテンツに組み込んでもよいでしょう。
テーマを細分化しすぎるとサイトの内容が薄くなり、質の低下につながります。サテライトサイトのコンテンツ制作の際は、メインサイトと関連性を持たせつつ、異なるユーザーを呼び込めるようなテーマ設定にすると効果的です。
5-2.サテライトサイト単体で有益なサイトにする
サテライトサイト単体で検索上位に上げられるほど質の高いコンテンツを充実させることで、Googleからの評価も上がりメインサイトへの流入数アップが見込めます。
以前は、更新のないサテライトサイトからメインサイトへリンクを設定しても、SEOの効果が得られました。ただし、現在その方法では効果が期待できないどころか、ペナルティを受けるリスクがあります。
重要なのは、高品質なサイトからの被リンクです。低品質なサイトに誘導リンクを設置したり、ほとんど同じ内容を複製したサイトを大量に作成したりするのでは効果が見込めません。存在意義のある高品質なサテライトサイトを1つ構築し、そこからリンクを張るようにしましょう。
5-3.独自ドメインを使用しIPアドレスを分散させる
サテライトサイトを運営する際は、独自ドメインを使用しましょう。
メインサイトのサブドメインを使用すると、サテライトサイトがメインサイトの1コンテンツまたは自作自演リンクとして認識されます。また、同じIPアドレスを使うとSEO効果がなくなるため、IPアドレスを分散させることも重要です。高品質なサテライトサイトを作り、独自ドメインでリンク設定を行う場合は、ドメインの質にもこだわるとよいでしょう。
サテライトサイトに独自ドメインを使用するときは、ドメインパワーの高い中古ドメインを使うことがおすすめです。価値のあるドメインからの被リンクは優良リンクと認定され、メインサイトの評価向上が期待できます。
6.サテライトサイトの活用事例
メインサイトと関連があり、ユーザーにとって有益なサテライトサイトを作ることができれば、流入数アップから集客につながるでしょう。実際にサテライトサイトを上手く活用している事例を以下で2つ紹介します。
6-1.英語学習スクールを運営しているケース
「THE ENGLISH CLUB」は、ユーザーの英単語学習のニーズを的確にとらえ、別ドメインで下記のような有益なサイト構築を行っています。
事例1:英語学習スクール
メインサイト | |
---|---|
THE ENGLISH CLUB | 英語学習スクールのウェブサイト |
サテライトサイト | |
---|---|
英語の語源 | 英単語の語源について網羅しているサイト |
このサイトでは、英語学習者が単語を効率的に覚えられるように、語源を体系的にまとめています。また、関連記事で英文法についても解説を行うなど、ユーザーにとって有益なコンテンツを数多く提供しています。
6-2.人材紹介系のサイトを運営しているケース
同じブランド内で、ドメインを分けてさまざまなユーザーに特化させたサービス展開を行っている事例として「リクナビ」が挙げられます。
求人サイトとして就活サイトをメインで運営しているリクナビですが、その他にも下記のように、それぞれのターゲットに特化した専門的なサイトを複数運用しています。
事例2:人材紹介系のサイト
メインサイト | |
---|---|
THE リクナビ2025 CLUB | 学生や既卒者を中心とした求人サイト |
サテライトサイト | |
---|---|
リクナビNEXT | 社会人向けの転職活動をサポートするサイト |
リクナビ派遣 | 派遣の求人情報に特化したサイト |
リクナビ薬剤師 | 薬剤師の転職のサポートに特化したサイト |
上記のように、さまざまなターゲット層のニーズを満たす有益なサテライトサイトを複数運営することで、高い集客力を発揮できるでしょう。
メインサイトには無い明確な強みや役割をサテライトサイトに持たせることで、はじめて存在価値が生まれ成果につながります。アプローチしたいユーザー層を決定したら、別の切り口からアプローチできないかよく考え、サテライトサイトの構築を進めましょう。
まとめ
サテライトサイトの運営は、メインサイトの集客効果アップやSEO効果を高めるために有効です。質の高いコンテンツを安定して供給できるサテライトサイトを作れば、メインサイトの運営に大きなメリットがあります。
しかし、コピペサイトや更新の少ないサイトなど、質の低いサテライトサイトはGoogleからペナルティを受ける可能性が高くなります。サテライトサイトの運営で困っている人は、ぜひ当記事で紹介した注意点を参考にしてください。
良質なサテライトサイトを運営し、メインサイトの評価アップに役立てましょう。