「not provided」とは?不明な検索キーワードを調べる方法5選

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「not provided」とは?不明な検索キーワードを調べる方法5選

運営サイトの集客状況を確認するためのアクセス解析ツールとして、Googleアナリティクスを活用する人は多いでしょう。しかし、現在Googleアナリティクスで検索キーワードを確認しても、多くの割合が「not provided」に分類されてしまい、キーワードが表示されません。

そこで今回は、Googleアナリティクスにおける「not provided」の意味と、キーワードが表示されないことの問題点、「not provided」の中身を調べる方法を解説します。

1.Googleアナリティクスで表示される「not provided」の意味とは?

Googleアナリティクスにおける「not provided」は、「ユーザーの検索キーワードが検索エンジン側から提供されなかった」という意味です。

現在日本で使用されている検索エンジンの大半は、GoogleとYahoo!で占められています。ユーザーのプライバシー保護やセキュリティ強化のために、Googleは2013年、Yahoo!は2015年以降に検索サービスをSSL化しました。

SSLとは、Web上の通信情報を暗号化する技術のことです。第三者による重要な情報の奪取を防ぐ効果があるものの、同時にユーザーが入力した内容はすべて暗号化されるため、検索した際のキーワードも判別できないようになりました。

なお、「not provided」とよく似た表示に「not set」があります。こちらは、通信エラーなどのシステム的な原因で、例外的に情報を取得できなかった場合の表示です。サイトの管理者が実施できる対処や対策はありません。

1-1.将来的に「not provided」は増え続ける

将来的に、Googleアナリティクスに表示される「not provided」の割合は増え続けます。

現在、日本における検索エンジンはGoogleとYahoo!が主流です。2つに次いで使用されているBingにおいてもすでにSSL化が適応されており、その他の検索エンジンでもセキュリティ強化のためにSSL化が進んでいます。

そのため、ユーザーがどの検索エンジンから流入したとしても検索キーワードの情報が提供されなくなり、「not provided」への分類が増える傾向です。より一層のセキュリティ強化が求められる現状では、今後「not provided」が減少に転ずる可能性は低いでしょう。

2.検索キーワードが「not provided」化する問題点

「not provided」の割合が増えて、ユーザーが使用した検索キーワードがわからなくなることによって、下記のような問題点が生じます。

  • どのキーワードにユーザーニーズがあるかわからない
  • Webサイトがどのようなイメージで検索されているかわからない
  • 広告を出して検索を促した成果がわからない
  • リスティング広告でよい反応を得られそうなキーワードがわからない

ユーザーがどのキーワードを検索して自社サイトに辿り着いたかを把握することは、SEO対策において非常に重要な取り組みの一つです。検索結果から流入するに至ったキーワードを把握し分析することで、自社サイトにおいて「何を知り、解決・改善したいか」というユーザーの検索意図が読み取れます。

ユーザーの欲求を満足させられるコンテンツこそがユーザーや検索エンジンから評価される条件であり、ニーズを無視したコンテンツでは高い評価を得られません。ユーザーニーズに合わせてコンテンツを改善するためには、検索キーワードを知ることが大切です。

3.「not provided」の中身を調べる5つの方法

ここでは、「not provided」に分類された検索キーワードを調べる5つの方法を紹介します。

ただし、現状では完璧に「not provided」の中身を把握する方法やツールは存在しません。ここで紹介する方法のいずれも、何らかの欠点を持っています。

そのため、各方法の欠点や特性を理解したうえで、複数の方法を組み合わせることによって「not provided」の中身を推測することが大切です。

3-1.Googleアナリティクスの「ランディングページ」から予測する

Googleアナリティクスの「ランディングページ」とは、自社サイトを訪れたユーザーが最初にアクセスしたページのことです。検索結果からアクセスしたページを知ることで、どのようなキーワードが使用されたかを予測することができます。ただし、検索キーワード自体は表示されません。

Googleアナリティクスのサイドメニューから、「集客」→「キャンペーン」→「オーガニック検索」の順にクリックします。画面右側のデータ表上部にある「セカンダリディメンション」からメニューを開き、「行動」→「ランディングページ」を選択しましょう。

「ランディングページ」を調べることは、検索結果からの流入が多いWebサイトで有効です。

3-2.Googleサーチコンソールの「検索パフォーマンス」から調べる

Googleサーチコンソールでは、自社サイトに流入しているキーワードを表示できます。

Googleサーチコンソールのトップページから画面右上の「レポートを開く」か、サイドメニューの「検索パフォーマンス」をクリックしましょう。グラフ上にある「合計クリック数」「合計表示回数」「平均CTR」「平均掲載順位」のすべてにチェックを入れます。

グラフ下の「ページ」から任意のURLを選択し「クエリ」をクリックすることで、そのページがどのキーワードで検索結果に表示されクリックされたかを確認可能です。

ただし、この方法で取得できるキーワードは、Google検索経由で訪れたユーザー分のみとなっています。Yahoo!を始めとしたほかの検索エンジンによる検索結果は含まれません。
また、Googleサーチコンソールのデータは3カ月間しか保存されないため、長期的に必要な場合は定期的にデータを保存しましょう。

3-3.検索連動型広告の検索クエリから予測する

広告から検索クエリを予測する方法で表示されるキーワードは、あくまでもリスティング広告で設定したキーワードのみです。「not provided」の中身自体はわからないものの、ユーザーの反応がよいキーワードを知ることができます。

Google AdWordsであれば、「すべてのキャンペーン」→「キーワード」→「検索語句」を選択しましょう。Yahoo!広告の場合は、「検索広告」→「キャンペーン管理」→「キャンペーン」→「すべてのキーワード」を選択します。

GoogleやYahoo!などから提供されている、検索連動型広告を配信している人限定の方法です。

3-4.SimilarWebやahrefsを利用して調べる

GoogleやYahoo!以外のツールを使用することで、サイトに流入した検索キーワードを調べることが可能です。

SimilarWebは、Google Chromeの拡張機能やMozilla Firefoxのアドオンで利用可能です。プラグインをダウンロードし、検索キーワードを調べたいページを表示したら、プラグインを起動して「Search」を選択しましょう。「Top Organic Keywords」で、そのページにアクセスしている検索キーワードを取得することが可能です。

ahrefsはサイト・エクスプローラーに調べたいWebサイトのURLを入力すると、そのサイトの詳細な情報を確認することができます。

なお、これらのツールはGoogleやYahoo!といった検索エンジンを提供している会社が開発したものではありません。そのため、データの信頼性については参考程度に止めておくほうが賢明です。

3-5.過去データからキーワードの割合を推測する

コンテンツの大幅な改修がない限り、Webサイトにユーザーがアクセスするキーワードは、時期によって大きな変化はないと考えられています。そのため、やや古いデータでも、一定の信頼性があります。

Googleは2013年、Yahoo!は2015年以降に検索エンジンのSSL化に対応しているため、それ以前の検索データを確認しましょう。ただし、この方法は過去に十分なデータが蓄積されていることが前提です。また、ページを改善した後に検索キーワードが変化したケースには当てはまりません。

まとめ

「not provided」は、ユーザーに検索されたキーワードの情報が検索エンジンから提供されなかったケースで表示されます。検索流入キーワードが隠されるようになった理由は、プライバシーの保護やセキュリティの問題から検索エンジンのSSL化対応が進み、情報が暗号化されたためです。

「not provided」の中身を調べる方法はいくつかあるものの、どの方法にも欠点があるため、完璧とはいえません。SEO対策に効率的なコンテンツの作成・改善を行うためにも、複数の方法を併用してどのような検索キーワードでユーザーが流入しているかを把握しましょう。

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