アーンドメディアとは?種類・他メディアとの違い・参考事例を解説
Webマーケティングに取り組むなかでアーンドメディアという用語を見聞きし、効果があるなら自社で運用したいと考えている方は少なくないでしょう。ペイドメディア・オウンドメディアと並ぶ、トリプルメディアの一つであるアーンドメディアは、顧客の信頼や評判を獲得する媒体として知られています。
当記事では、アーンドメディアの活用方法やメリット・デメリット、アーンドメディアの参考事例について解説します。Webマーケティング担当者の方や、企業経営者の方はぜひ参考にしてください。
1.アーンドメディアとは
アーンドメディアとは、商品やサービスのユーザーが主体となって情報発信を行う媒体のことです。アーンド(earned)とは「獲得された」という意味を表す英単語で、ユーザーからの評価や信頼を得られる媒体がアーンドメディアと呼ばれるようになりました。
アーンドメディアに分類される媒体には、複数の種類があります。アーンドメディアの具体的な種類や特徴、ほかのメディアとの違いは次の通りです。
1-1.アーンドメディアの種類
アーンドメディアに含まれる主な媒体として、次の3つがあげられます。
○口コミサイト
口コミサイトは、商品を使用した感想や店のサービスに対するレビューなどが、ユーザーによって投稿されるサイトです。飲食店や美容室、家電製品など、商品・サービスの種類に応じた口コミサイトが存在します。
口コミサイトを閲覧するユーザーの主な目的は、これから利用したいと考えている商品やサービスに関する情報を集めることです。そのため、口コミサイトにおける評価は集客効果に影響を与えます。
口コミサイトを活用するポイントは、ユーザーから投稿されたコメントに対して適切に返答することです。よいコメントに対して感謝を伝えたり、低い評価を受けたときは真摯に対応したりすることで、口コミサイト閲覧者からの信頼度が高まります。
○SNS
FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSもアーンドメディアの一種です。SNSではさまざまなユーザーが日常の出来事や気に入った場所・商品に関する情報を投稿しています。
ほかのユーザーと交流できることや、気に入った投稿に対してシェアや「いいね」などで反応できることがSNSの特徴で、活用法によってはPRしたい情報の拡散が見込めます。
SNSをアーンドメディアとして運用する際は、媒体の特性に合わせた投稿を行うことがポイントとなります。画像投稿が中心のInstagramでは目を引くような写真を投稿したり、Twitterではリツイートによって拡散されやすい投稿を考えたりすることが重要です。
○パブリシティ
パブリシティとは、テレビや新聞などのマスメディアによる情報発信を表します。ニュース性の高い新商品やサービスは、パブリシティによって紹介されやすい傾向です。
パブリシティを活用する際は、マスメディアに対するプレスリリースなどの情報提供がポイントとなります。
1-2.オウンドメディア・ペイドメディアとの違い
アーンドメディア・オウンドメディア・ペイドメディアはトリプルメディアとして知られています。アーンドメディアとオウンドメディア・ペイドメディアの最も大きな違いは、情報発信の主体者です。
アーンドメディアは顧客側が情報発信をすることに対して、オウンドメディアとペイドメディアは企業側が情報発信を行います。
マーケティング施策では、どれか一つのメディアに絞るのではなく、自社の商品やサービス、ターゲット層に合わせて適切なメディアを複合的に活用することも必要と言われています。以下では簡単にオウンドメディアとペイドメディアについて紹介します。
○オウンドメディア
オウンドメディアは、企業が運営する自社サイトやブログのことです。商品やブランドに関する情報や、ユーザーに役立つコンテンツなどがオウンドメディアに掲載されます。
メリット |
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デメリット |
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○ペイドメディア
ペイドメディアは、企業が広告費を支払って自社に関する情報を掲載する外部メディアのことです。検索エンジンに表示されるリスティング広告、ニュースサイトやブログ記事の広告枠などがペイドメディアに含まれます。
メリット |
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デメリット |
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2.アーンドメディアのメリット・デメリット
ユーザーによって情報発信が行われるアーンドメディアにはメリットとデメリットがあるため、特徴を押さえたうえで運用することが大切です。
アーンドメディアの主なメリットとして、以下の項目があげられます。
【メリット】
- ユーザーから信頼されやすく、商品やサービスの購入につながる可能性が高い
- ユーザーからの率直な意見や感想を集められる
- 広告費をかけずに自社の商品情報を広げられる可能性がある
アーンドメディアは商品やサービスを利用した消費者自身の率直な意見が投稿されるため、ほかのユーザーからの信頼が得やすい傾向です。また、ユーザーによって情報が自発的に拡散された場合、広告費をかけずに見込み顧客にリーチできる点もメリットとなっています。
一方、アーンドメディア運用の主なデメリットは次の通りです。
【デメリット】
- ユーザーによって投稿された情報が誤っている可能性がある
- 悪評が広まってしまわないために正しい運用ノウハウが必要となる
アーンドメディアに投稿される情報は、自社でコントロールすることができません。そのため、事実とは異なる情報が拡散されたり、商品やサービスに関するネガティブな意見が投稿されたりする場合があります。
ただし、投稿される内容やユーザーの心情に配慮した誠実なコミュニケーションにより、否定的な反応を抑え、アーンドメディアのよい側面を活かすことが可能です。
3.アーンドメディアの参考事例4つ
アーンドメディアを運営する際は、他社が実施するマーケティング活動が参考となります。SNS活用により、自社の販促やプロモーションに成功している企業の事例は次の通りです。
○任天堂(Nintendo Switch)
家庭用ゲーム機を手掛ける任天堂は、Nintendo SwitchのFacebookアカウントをアーンドメディアとして活用しています。
Nintendo Switch用のアカウントは任天堂の会社アカウントとは別に作られており、新作ゲームの情報に対してファンからのコメント投稿を受け付けていることが特徴です。
ファンとコメントのやりとりをするだけでなく、Facebook上でイベントを開催するなど積極的な運用を行っていることが成功のポイントとなっています。
○資生堂
化粧品などの販売を行う資生堂は、YouTubeチャンネルを開設し、アーンドメディアとして活用している企業の1つです。資生堂は、商品に関する情報を動画で発信しています。
YouTubeチャンネルでは、企業の活動や商品の情報だけでなく、商品の使い方や開発秘話など、ユーザーが興味を持ちやすい情報も投稿していることが特徴です。YouTubeの動画はほかのSNSで手軽に共有できるため、ユーザーから拡散されやすくなっています。
○無印良品
雑貨や家具などを販売する無印良品は、Twitter、Facebook、InstagramなどさまざまなSNSをアーンドメディアとして活用しています。
商品の魅力や特徴、使い方をわかりやすく説明し、ユーザーからのコメントを受け付けている点が、無印良品の運営するアカウントの特徴です。また、タイムセールなどSNSを活用したプロモーションを行っている点も成功のポイントとなっています。
○シャープ
家電製品などを販売するシャープは、Twitterをアーンドメディアとして活用し、親しみやすい投稿内容や面白いキャラクター性により、人気を獲得しています。
また、ユーザーとのやりとりも活発に行っている点が、シャープが運営するTwitterアカウントの特徴です。シャープ製品に関する消費者のツイートをリツイートしたり、他社による投稿も役立つ内容は積極的に紹介したりしている点が成功のポイントとなっています。
まとめ
アーンドメディアとはユーザーによって情報発信されるメディアです。アーンドメディアには、口コミサイトやSNSなどが含まれており、情報発信者が自社ではない点が、オウンドメディアやペイドメディアとの違いと言えます。
アーンドメディアのメリットとして、信頼性の高さや、拡散されやすさなどがあげられます。一方、運用に技術が必要な点や、情報のコントロールが難しい点などがデメリットです。地道なアカウント運用により、高い集客効果が見込めるでしょう。
アーンドメディアを活用したい方は、ぜひSNS運営などのメディア戦略に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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