CMSとは?メリット・デメリットと代表例2つを分かりやすく紹介!
Webサイトの運用に関わる人の中には、「CMS」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。CMSは、Webに関する高度な知識がない人でも、Webサイトの作成・管理・更新が簡単に行えるツールのことであり、多くの企業や個人が導入しています。
今回は、CMSの主な機能や種類、導入によって生じるメリット・デメリットを解説します。導入前のチェックポイントと代表例2つの概要も紹介するため、CMSの導入を検討している人はぜひ参考にしてください。
1.CMSとは?
CMSとは、Webの専門知識がなくても簡単にWebサイトを作成・管理できる「Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)」の略称です。
CMSなしでWebサイトを制作する場合、タグ・コードなどを入力しなければなりません。修正事項がわずかでも、HTMLやCSSといった知識がなければ外部業者への依頼が必要です。
一方、CMSを利用すると、初心者であっても簡単にWebページの作成や編集が行えます。
1-1.CMSの主な機能
CMSにはさまざまな製品・プログラムがあり、サービスごとに搭載されている機能が異なるものの、基本的な機能は共通しています。下記は、各CMSサービスで共通する基本機能の例です。
- ブラウザからWebサイトのコンテンツを編集・更新できる
- 各ページで共通するパーツを一括で管理できる
- 複数人の管理者に権限を割り当てて共同で運営できる
- CMSの公式サイトからプラグインなどの機能を追加できる
どのCMSも、Webサイトを1から構築する専門知識がない人でも簡単に扱える工夫がされています。
1-2.CMSの2つの種類
CMSの製品は、大きく「オープンソース型」「商用型」の2種類に分類されます。下記は、それぞれの特徴をまとめた表です。
オープンソース型 | |
---|---|
利用方法 |
|
ドメイン |
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利用料金 | 通常の利用は無料 |
拡張機能 |
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セキュリティ | 必要な機能を正しく設定すれば安全に利用できる |
利用対象 |
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商用型 | |
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利用方法 |
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ドメイン | 独自ドメインの利用が可能 |
利用料金 | 有料 |
拡張機能 |
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セキュリティ | セキュリティレベルを自由に設定できる |
利用対象 |
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CMSは、作成するWebサイトの規模や目的によって使い分けることが大切です。
2.CMSのメリット・デメリット
CMSを導入する際は、メリット・デメリットを事前に把握することが不可欠です。CMSのメリットだけでなくデメリットも理解しておくことで、Webサイトの管理・運営に必要な対策をしっかりと整えておくことができます。
ここでは、CMSのメリット・デメリットの一部を解説します。
2-1.メリット1:Webサイトの更新が簡単にできる
CMSのメリットは、Webサイトの更新が簡単にできることです。CMSはWeb上のサーバーで稼働しており、特定のパソコンで作業する必要がありません。サーバーにアクセスできる通信環境とブラウザがあれば、場所や時間を選ばず更新作業が可能です。
また、CMSはWebサイトの構造を設定する場所と、コンテンツページを作成・編集する場所が分かれています。そのため、専門知識がない人が触れても、誤ってWebサイトの構造データが変更される心配はありません。文章や画像を挿入できれば、初心者でも短時間でコンテンツや記事が更新できるため、外注コストを削減できます。
2-2.メリット2:Webサイトの統一感を保つことができる
CMSのメリットは、誰が作成・編集してもWebサイトの統一感を保てることです。CMSでは、Webサイトの基本構造と各ページコンテンツの管理が個別に行え、テンプレートも設定できます。
Webサイト内で共通するパーツは一括で設定するため、複数の人間がコンテンツの更新担当者となっても、ページごとのデザイン性に差異が生じません。コンテンツのレイアウトに登録したテンプレートを利用することで、一貫性のあるWebサイトを作成できます。
2-3.デメリット1:設定に苦労する場合がある
CMSのデメリットは、初期設定や設定変更を行う際に苦労する場合があることです。CMSを使った更新作業は簡単であるものの、Webサイトの基本構造などを設定・変更する場合にはそれなりの知識とスキルが求められます。
また、初心者でも簡単に扱えるとはいえ、CMSやプラグイン・テンプレートを活用するためには、機能を覚えて操作方法を身に付けなければなりません。
2-4.デメリット2:セキュリティ面を考慮する必要がある
CMSのもう一つのデメリットは、セキュリティ面を考慮して対策を打たなければならないことです。CMSは、通信環境とブラウザがあれば場所や時間を選ばず、サーバーにアクセスできます。そのため、第三者にパスワードが知られてしまえば、不正なアクセスを受けたりWebサイトを改ざんされたりしかねません。
加えて、オープンソース型のCMSは基本となる構成が知られているため、プログラムの脆弱性が狙われる恐れもあります。
3.CMS導入前のチェックポイント
CMSの導入を検討している場合は、以下の項目をしっかりとチェックしましょう。
□導入する目的
CMSのメリットを享受するためには、CMSを導入する目的を明確にすることが大切です。CMSの種類によって作成できるWebサイトの形や機能は異なります。「更新頻度を増やす」「商品の売上をアップさせる」など、Webサイトの運営目的に合ったタイプのCMSを選びましょう。
□更新する内容
Webサイトで更新する内容によっては、CMSの導入が不要である可能性もあります。例えば、定期的に開催するキャンペーンページの更新が主であり、キャンペーンごとに新しくページを作り直す必要があるケースです。CMSの多くは、基本となる形式から逸脱したデザインや機能は設定できません。そのため、同一のデザインでページを作成する必要がない場合は、個別に作成することをおすすめします。
運営するWebサイトの方向性や更新内容によっては、CMSとの相性が悪いほか、導入の必要性がないケースもあります。
4.CMSの代表例2つ
最後に、CMSの中で利用者が多い「concrete5」「WordPress」の概要を紹介します。
concrete5
concrete5は、企業や店舗などのWebサイトを作成することに適したCMSです。Web上で公開されるページ画面と同じ見た目でコンテンツを編集でき、HTMLやCSSの知識が全くない人でも簡単に操作できます。基本機能が豊富であり、プラグインなしでも十分に高性能なWebサイトを構築することが可能です。一方、自由度が高い反面、ブログ形式の更新には向いていません。
WordPress
WordPressは、個人から企業まで幅広い層のWebサイトを作成できるCMSです。利用者が多いため、WordPressの基礎知識から活用方法まで、あらゆる情報をウェブ上で手に入れることができます。ブログ形式の更新が容易でプラグインの種類も豊富な反面、機能を活用するためにはある程度の知識とスキルが必要です。
CMS自体はどちらも無料で利用できます。作成するWebサイトの向き不向きが異なるため、使い勝手を試してみてから本格的に導入するとよいでしょう。
まとめ
CMSは、HTMLやCSSといった基本的な知識がない初心者でも、文章や画像の挿入さえできれば簡単にWebサイトの情報更新が行えるシステムです。
設定には知識やスキルが必要であり、セキュリティ対策には気を配らなければなりません。しかし、場所を選ばずいつでもアクセスでき、誰が更新しても各ページの統一感が保てることはCMSの大きなメリットといえます。
CMSごとに機能の種類や向き不向きが異なるため、作成したいWebサイトの方向性に合った製品を選ぶことが大切です。