BtoBのSEO完全ガイド｜成功のためのポイントやおすすめツールを紹介

公開日:2024/08/31 更新日:2024/09/03

SEO

BtoBマーケティングにおいて、デジタルの力を最大限に活用することが、現代の競争激しい市場で成功を収めるための鍵となっています。

その中でも、SEO（検索エンジン最適化）は、見込み客にリーチし、リードを獲得するための重要な手段です。

そこで本記事では、SEOコンサルティングで1000社以上の実績があるグランネットが、BtoBマーケティングにおけるSEOの基本から、実際の手順や注意点などを徹底解説します。

本記事を通じて、BtoBのSEOを効果的に活用し、競合をリードするための方法を理解し、貴社のビジネス成長を加速させるための確かな知識を身につけましょう。

１．そもそもSEOとは？

SEO（Search Engine Optimization）は、ウェブサイトの検索エンジン順位を向上させるための重要な戦略です。

しかし、その具体的な内容や実践方法については、多くの人にとってまだ馴染みが薄いかもしれません。

そこでまずは、SEOの基本概念から主要な要素まで、順を追って解説していきます。BtoB企業がSEOに取り組む意義をより深く理解するための基礎知識になるのでぜひ参考にしてください。

SEOの定義

SEO（Search Engine Optimization）は、直訳すると「検索エンジン最適化」を意味します。これは、ウェブサイトやウェブページが検索エンジンの検索結果でより上位に表示されるように最適化する一連の施策です。

SEOの主な目的は、オーガニック（自然）検索結果での順位を向上させ、質の高いトラフィックを増やすことです。

具体的には、Google、Bing、Yahoo!などの検索エンジンがウェブサイトを正確に理解し、適切に評価できるようにサイトを構築・改善していきます。これには、技術的な最適化、コンテンツの質の向上、ユーザー体験の改善などです。

しかし、具体的なSEOの評価基準について、それぞれの検索エンジンは一切公表をしていないため、SEO対策を行う人は実際に答えのない中で取り組む必要があります。

SEOは単なる技術的な調整ではなく、ユーザーのニーズに応える価値あるコンテンツを提供することが最も重要です。長期的かつ持続可能なアプローチであり、有料広告とは異なり、一度順位が上がれば比較的長期間その効果を維持できる特徴があります。

【2024年最新】SEOとは？SEO対策や基礎知識についてわかりやすく解説！

インターネット上で集客をしたい場合は、SEOに関する知識が必要になります。しかし、「SEOは難しい」と先入観を持つ人もいるのではないでしょうか。この記事では、SEOの基礎知識・SEOを行うメリットなどについて解説します。

SEO対策の種類

先ほど、検索エンジンは評価基準を公表していないとお伝えしましたが、それでは何を元にSEO対策を行えば良いのか疑問に思う方もいるでしょう。

結論としては、以下の3つの要素からSEO対策を行うのが重要です。

コンテンツSEO
内部対策
外部対策

コンテンツSEOとは、ユーザーと検索エンジンの両方に価値あるコンテンツを作成する戦略です。キーワード調査に基づき、ユーザーのニーズに応える高品質な記事や情報を提供します。読みやすさ、独自性を重視し、検索意図に合致したコンテンツを作成すると、検索順位の向上とユーザーの満足度がアップします。コンテンツSEOはユーザーにとって価値のあるコンテンツかどうかを決める最も重要な戦略です。

内部対策は、ウェブサイト内部の構造やコードを最適化する施策です。主な要素には、タイトルタグやメタディスクリプションの最適化、適切なURL構造の設定、内部リンクの最適化、ページ速度の改善などがあります。また、モバイルフレンドリーなデザインの採用やサイトマップの作成も重要です。これらの対策により、検索エンジンのクローラビリティと理解度を向上させます。

外部対策はウェブサイト外部からの評価を高める施策です。主に、信頼性の高いウェブサイトからの被リンク獲得、ソーシャルメディアでの存在感向上などが含まれます。質の高い外部リンクは、サイトの信頼性と権威性を高め、検索順位の向上に効果的です。ただし、自然で価値あるリンクの獲得が重要で、不自然なリンク構築は避けるべきです。

コンテンツSEOとは｜メリット・デメリットから実施手順まで解説

当記事では「コンテンツSEOとは何か」を分かりやすく解説します。コンテンツSEOのメリット・デメリットや、実施手順も併せて紹介するため、コンテンツを上位化させたい人やコンテンツSEOを実施したい人は、ぜひ参考にしてください。

２．BtoB企業がSEOに取り組んだほうが良い理由

BtoB企業がSEOに取り組む一番の理由として、見込み客の効果的な獲得です。多くのBtoB購買者がオンラインで情報収集を行うため、検索結果の上位表示は潜在顧客との重要な接点となります。

また、ブランド認知度の向上や業界内での優位性の確立にも効果的です。長期的な視点で見ると、有料広告よりもコスト効率が良く、持続的なトラフィックを獲得できるのも大きな利点です。

さらに、顧客の購買サイクルに合わせた情報提供が可能で、各段階で適切なアプローチができます。

SEO分析を通じたデータ駆動型マーケティングの実現や、質の高いリード獲得による営業活動の効率化も重要なメリットです。これらの理由から、SEOはBtoB企業にとって不可欠なマーケティング戦略と言えます。

３．BtoB企業がSEOを取り組むメリット

BtoB企業にとって、SEOは単なるウェブサイト最適化以上の価値があります。長期的な集客効果、質の高いリード獲得、ブランド認知度の向上など、ビジネスの成長に直結するメリットは多いです。

ここでは、BtoB企業がSEOに取り組むことで得られる具体的なメリットについて、詳しく解説していきます。これらの利点を理解することで、SEOへの投資の重要性がより明確になるでしょう。

長期的な集客が見込めるので費用対効果が高い

SEOは初期投資や継続的な努力が必要ですが、長期的には非常に高い費用対効果を発揮します。有料広告とは異なり、一度検索順位が上がれば、継続的なトラフィックの獲得が可能です。

また、コンテンツの寿命が長いBtoB分野では、過去に作成したコンテンツが長期間にわたって価値を生み出し続けます。

さらに、SEOによって獲得したオーガニックトラフィックは、クリック単価の高いBtoBキーワードに対しても無料で集客できるため、広告費の大幅な削減につながります。

時間とともに蓄積される効果により、投資対効果は年々向上していくのがSEOの大きな特徴です。

確度が高いユーザーを集客できる

SEOを通じて集客されるユーザーは、特定のキーワードや課題に関心を持って能動的に情報を探している人です。特にBtoB分野では、製品やサービスに関する専門的な検索クエリを使用するため、集客されるユーザーの購買意欲や適合性が高い傾向にあります。

例えば、「企業向けCRMソリューション」といった具体的なキーワードで検索するユーザーは、すでに製品導入を検討している可能性が高く、質の高いリードとなるでしょう。

また、サイト上で提供する詳細な情報により、ユーザーは自社製品やサービスの理解を深めることができ、商談や成約につながりやすくなります。

業界内における第一想起を獲得できる可能性がある

SEOを通じて検索結果の上位に常に表示されることで、業界内での認知度と信頼性が大幅に向上します。

ユーザーは頻繁に目にするブランドや企業を信頼する傾向があり、検索結果のトップに表示されることは、その分野の権威としての地位を確立することにつながるのです。

とくにBtoB分野では、専門性や信頼性が重視されるため、この効果は非常に大きいです。

また、検索結果で常に上位に表示されると、潜在顧客の意思決定プロセスの早い段階から自社ブランドを印象づけられ、後の商談や提案時に有利に働きます。

コンテンツを通じて見込みの顧客と接点を持てる

SEOの一環として提供する質の高いコンテンツは、見込み顧客との継続的な接点を生み出します。

BtoB取引では意思決定までの期間が長いため、この継続的な接点は非常に重要です。例えば、業界トレンドや課題解決のためのノウハウを提供するブログ記事や、詳細な製品情報を掲載したホワイトペーパーなどを通じて、顧客の購買プロセスの各段階でアプローチできます。

また、メールマガジンやSNSと連携することで、コンテンツを通じた継続的なエンゲージメントが可能となり、長期的な関係構築につながります。

４．BtoB企業のSEO対策の手順

BtoB企業のSEO対策は、戦略的かつ体系的なアプローチが必要です。効果的なSEO施策を展開するには、適切な手順を踏むことが重要です。ここでは、BtoB企業がSEO対策を進める上で必要な具体的なステップを順を追って解説していきます。

ペルソナの選定からコンバージョンポイントの検討、そして実際の施策実行まで、各段階での重要ポイントを詳しく見ていきましょう。

STEP1：ペルソナ選定

BtoB企業のSEO対策における最初のステップは、ターゲットとなるペルソナの選定です。ペルソナとは、理想的な顧客像を具体化したものです。BtoB市場では、意思決定に関わる複数の役割を考慮する必要があります。

ペルソナ選定のポイントは以下の通りです。

家族構成、収入、、休日の過ごし方などの基本情報
年収
抱える課題
情報収集の方法や好むコンテンツタイプ

これらの要素を明確にすると、SEO戦略の方向性が定まり、効果的なキーワード選定やコンテンツ作成が可能です。

STEP2：コンバージョンポイントを検討する

ペルソナ選定の次は、コンバージョンポイントの検討です。BtoB企業のウェブサイトでは、即時の購入よりも、リード獲得が主なゴールとなります。

主なコンバージョンポイントは以下の通りです。

資料請求フォーム
お問い合わせフォーム
ホワイトペーパーのダウンロード
ウェビナー・セミナーの申し込み
メールマガジン登録

各コンバージョンポイントは、顧客の購買プロセスの段階に応じて設計します。例えば、初期段階では情報提供型のコンテンツダウンロード、中期では詳細な資料請求、後期では具体的な見積もり依頼などです。

これらのコンバージョンポイントを明確にし、サイト内での適切な配置や導線設計を行うと、SEOによって獲得したトラフィックを効果的にリードへと転換できます。

STEP3：著者・監修者を決める

BtoB企業のSEO対策において、コンテンツの信頼性と専門性を高めるために、適切な著者や監修者を決めることは非常に重要です。

業界での経験や実績がある社内専門家を起用
必要に応じて外部の専門家や有識者と協力
著者のプロフィールページを作成し、経歴や専門性を明確に示す
各コンテンツに著者名や監修者名を明記
Google E-A-T（専門性、権威性、信頼性）を意識した人選

適切な著者・監修者の選定により、コンテンツの質が向上し、読者からの信頼を得やすくなります。

また、検索エンジンもこれらの要素を評価するため、SEOの観点からも効果的です。著者の専門性を活かしたコンテンツ作成により、業界内での権威性も高まり、長期的なSEO効果につながります。

STEP4：コンテンツを作成する

ここまで決めたことを踏まえて、実際にコンテンツの作成に取り組んでいきます。BtoB企業のSEO対策において、高品質なコンテンツの作成は核心となる部分です。

ペルソナのニーズと検索意図に合致したテーマ選定
キーワード調査に基づいた最適化
専門性の高い、深い洞察を提供する内容
読みやすい構造化（見出し、箇条書き、表の活用）
ユーザーの必要としているの情報の提示
データ、図表、事例を用いた説得力のある展開
適切な内部リンク、外部リンクの使用
マルチメディア（画像、動画、インフォグラフィック）の活用

コンテンツタイプとしては、ブログ記事、ホワイトペーパー、ケーススタディ、製品/サービス紹介ページ、FAQ、業界レポートなどが効果的です。
各コンテンツは、購買プロセスの各段階に合わせて設計し、ユーザーを次のステップへ導くCTAを適切に配置するのが良いでしょう。

また、何度もお伝えすることになりますが、そのページに訪れたユーザーにとって価値があるかどうかが重要です。

STEP5：成果を計測する

実際にコンテンツを作成し、ウェブ上に公開し、数日経過したら成果を測定しましょう。公開して間もないと、順位の変動が活発なので、安定してから測定するのがおすすめです。

目処としては1週間程度になります。主な計測ポイントは以下の通りです。

オーガニック検索トラフィックの増減
キーワードランキングの変動
コンバージョン率（資料請求、お問い合わせなど）
ページごとの滞在時間やバウンス率
新規リード獲得数と質
ブランド関連検索の増減

成果の測定はツールの活用が必要です。Google AnalyticsやGoogle Search Console、その他SEO専門ツール（Ahrefs、 SEMrush など）で定期的なレポーティングを行い、KPIの達成状況を確認します。

データに基づいて戦略の見直しや改善点の特定を行い、PDCAサイクルを回すことで、長期的なSEOの成功につながります。また、SEOの効果を経営陣に報告する際は、リード獲得やROIなどのビジネス指標と関連付けて説明することが重要です。

STEP6：リライトをする

SEO対策は一度行えば終わりではなく、継続的な改善が必要です。定期的なコンテンツのリライトは、その重要な施策の一つです。

リライトのポイントは以下に気をつけて行いましょう。

最新の業界動向や統計データの反映
新たなキーワードトレンドへの対応
ユーザーエンゲージメントの改善（構成の見直し、読みやすさの向上）
内部リンク構造の最適化
新しい事例や成功例の追加
競合分析に基づく差別化ポイントの強化
検索意図の変化への対応

とくに、過去のコンテンツで検索順位が下がっているものや、アクセス数が減少しているページを優先的にリライトしましょう。

また、季節性のあるコンテンツは、適切なタイミングで更新し、再度の検索順位向上を狙います。リライトを通じて、常に最新かつ価値ある情報を提供し続けることで、長期的なSEO効果の維持・向上を図るのがポイントです。

５．BtoB企業のサイトのSEO対策で意識すべきポイント

BtoB企業のSEO対策は、専門性の高い市場特性や長期的な顧客関係構築の重要性を踏まえ、効果的なSEO戦略を展開する必要があります。

ここでは、BtoB企業がSEO対策を行う上で特に意識すべき重要なポイントについて詳しく解説します。これらの要点を押さえることで、より効果的なSEO施策の実施が可能となり、質の高いリード獲得につながるでしょう。

競合分析は徹底的に行う

BtoB市場では、競合他社との差別化が極めて重要です。そのため、SEO対策においても徹底的な競合分析が不可欠となります。

また、現在検索順位が上位にある競合は、検索エンジンから高評価を得ているので、言ってしまえばSEO対策の模範解答です。

なので、競合分析を行い、自社でも取り入れられる要素は積極的に取り入れましょう。
競合分析は以下のポイントです。

キーワード戦略：競合他社がターゲットとしているキーワードを特定し、そのキーワードでの順位を分析します。これにより、自社が注力すべきキーワードや、差別化可能な新たなキーワードを見出すことができます。
コンテンツ戦略：競合他社のコンテンツタイプ、トピック、更新頻度などを分析します。特に高評価を得ているコンテンツの特徴を研究し、自社のコンテンツ戦略に活かします。
バックリンクプロファイル：競合他社がどのようなサイトから被リンクを獲得しているかを分析し、自社のリンク構築戦略に活用します。
サイト構造：競合他社のサイト構造やナビゲーションを分析し、ユーザビリティの向上につなげます。
技術的SEO：ページ速度、モバイル対応性、構造化データの使用など、技術的な側面も比較分析します。

競合分析を通じて得られた洞察を自社のSEO戦略に反映させることで、市場での差別化と競争優位性の確立を目指します。

ただし、全く同じように真似をするのは良くありません。検索エンジンからの評価が下がってしまいます。

業界によってはEEATが重要

EEAT（Expertise, Experience, Authoritativeness, Trustworthiness）は、Googleが重視する品質評価の指標です。特に、ユーザーの生活や経済などに重大な影響を与える可能性のある「YMYL（Your Money or Your Life）」サイトにとって、EEATは極めて重要です。

例えば、クレジットカードや投資、税金などの金融領域、病気や保険などの健康領域が該当します。

BtoB企業のEEAT対策ポイントをが以下の通りです。

専門性（Expertise）：業界に特化した深い知識を示すコンテンツを提供します。専門家による記事執筆や監修を行い、その経歴や資格を明確に表示します。
経験（Experience）：実際の経験に基づいた情報や事例を提供します。顧客の声や成功事例を積極的に掲載し、実績を示します。
権威性（Authoritativeness）：業界内での評判や影響力を示します。受賞歴、メディア掲載、業界団体での活動などを明示します。また、他の権威あるサイトからの被リンクを獲得することも重要です。
信頼性（Trustworthiness）：透明性の高い情報開示、プライバシーポリシーの明確化、セキュリティ対策の実施などを通じて、サイトの信頼性を高めます。
About UsページやAuthor Pageの充実：会社や執筆者の詳細な情報を提供し、透明性と信頼性を高めます。

EEATを意識したSEO対策により、検索エンジンからの評価向上だけでなく、ユーザーからの信頼獲得にもつながります。特に、専門性や信頼性が重視されるBtoB分野では、EEATの重要性が高いと言えます。