プレスリリースとは?配信するメリット・作成時の3つのポイント
プレスリリースは、企業情報を発信する手法のひとつです。これまでは報道関係者に向けた文書でしたが、近年では投資家や一般消費者に対してプレスリリースを配信する企業が増えています。しかし、広報PR活動の経験が浅い人の中には、プレスリリースの概要がよくわからない人もいるでしょう。
そこで今回は、プレスリリースとはどのような文書なのか説明したのち、企業がプレスリリースを配信するメリットや、プレスリリースの情報を効果的に伝えるコツも紹介します。
1.プレスリリースとは?
プレスリリースとは、企業などから発信されるマスコミ向けの文書のことです。「プレス(press:新聞・新聞社)」と「リリース(release:発表・公開)」の2つの単語を組み合わせた造語です。
プレスリリースと似た言葉で「ニュースリリース」がありますが、文書に掲載する内容は変わりません。プレスリリースは報道関係者向けの資料ですが、ニュースリリースはより幅広い層に向けての資料という位置づけとなります。
1-1.プレスリリースを配信するメリット
企業がプレスリリースを配信するメリットは5つ挙げられます。
○メディアに取り上げられる場合がある
プレスリリースは、新聞や雑誌、Webメディアなど、さまざまな媒体の記者が目にします。プレスリリースで開示した新しい情報が、影響力のあるメディアに取り上げられれば、大きな拡散力と広告効果が得られます。
○多くのステークホルダーが閲覧できる
コーポレートサイトにプレスリリースを掲載することで、株主・得意先・顧客・消費者など、多くのステークホルダーに情報発信することが可能です。自社の透明性だけでなく、最新の企業動向もステークホルダーに伝えられます。
○ビジネスチャンスが広がる可能性がある
例えば、有望な投資先を探している投資家や、新たな販路を求めている企業などがプレスリリースを閲覧し、コンタクトを取ってくるケースもあります。そのため、新規事業に関するプレスリリースを発表する際は、事業の魅力や方針が伝わる内容にすると効果的です。
○売上の拡大に貢献することもある
現代は、商品やサービスの質だけでなく、企業の価値も問われる時代です。プレスリリースを通してブランドイメージを構築し、企業の知名度やイメージが向上すれば、中長期的な売上につながるでしょう。
○高い費用対効果が見込める
プレスリリースは、比較的にコストをかけずにできる広報活動です。メディアによる情報拡散やステークホルダーへのアピールなど、低コストでも広告効果は非常に高いため、コストパフォーマンスに優れています。
2.プレスリリースの作り方|基本の構成は7項目
プレスリリースを作るときの基本は「自社の情報を簡潔に伝える」ことです。プレスリリースでは、過度なアピールや装飾表現を使うことは控えましょう。
プレスリリースを作成する際は、以下の7項目が基本の構成となります。
(1)タイトル | メディアの記事タイトルとして使われることが多いため、インパクトのあるタイトルを付けると効果的です。また、内容に沿ったサブタイトルを付けてもよいでしょう。 |
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(2)リード文 | この部分を読むだけですべての内容がわかるように、要点を整理して簡潔に内容を記載します。 |
(3)特徴 | 商品やサービスの概要など、本文でもっとも重要な部分となるため、できる限り詳細な情報を記載しましょう。 |
(4)背景 | 商品やサービスを開発するまでの背景やデータを盛り込むことで、読み手の共感を得ることができます。 |
(5)今後の展望 | 「○年後までに○個の販売を目指す」など、具体的な数値を盛り込むことで、事業計画が伝わりやすくなります。 |
(6)企業情報 | 会社名・住所・電話番号など、基本的な企業情報を掲載します。 |
(7)問い合わせ先 | プレスリリースを閲覧したメディア関係者や消費者がすぐに問い合わせできるよう、連絡先を記します。 |
上記の7項目は、プレスリリースに最低限盛り込みたい内容です。特に(3)から(5)はプレスリリースの本文となるため、伝えるべき情報を簡潔にまとめ、魅力的なプレスリリースに仕上げましょう。
3.プレスリリース作成時の3つのポイント
毎日さまざまな企業が膨大な量のプレスリリースを配信しています。そのため、魅力のないプレスリリースは埋もれてしまい、メディア配信しても無駄になる可能性があります。報道関係者や一般消費者に見てもらえるプレスリリースを作成するためには、いくつかのポイントを意識することが大切です。
最後に、プレスリリースを作成する際に意識したい3つのポイントを紹介します。
3-1.読み手の興味を引く文言を入れる
プレスリリースの文中に読み手の興味を引く文言を入れると宣伝効果が高まります。回りくどく冗長な書き方は使用せず、インパクトのあるキャッチフレーズを盛り込みましょう。具体的には、以下の要素を入れると、読み手の関心を引き付けることが可能です。
○新規性や斬新さをアピールする要素
「世界初」「最新」「一番」などの単語を用い、商品やサービスの新しさをアピールします。
○意外性や希少性をアピールする要素
独自のネーミングや新ジャンルを強調することで、今までにない商品やサービスであると訴求します。
○社会性や時代性をアピールする要素
「トレンド」「流行の」などの単語を用いることで、ニュース性の高さや流行の最先端であると謳います。
○お得さをアピールする要素
「得する○○」「今なら○%引」「○○プレゼント」など、消費者にとってお得で価値のある情報だと伝えます。
こうした要素を効果的に組み合わせることで、簡潔に情報の魅力を伝えることが大切です。
3-2.客観的で正確な数字・データを使う
プレスリリースには、客観的で正確な数字やデータを使用しましょう。企業が提供する新規情報であるプレスリリースは、情報の信頼性や正確性が重要なポイントです。
例えば、過去の限定商品をレギュラー化する際のプレスリリースでは、「多くの人に支持された」と書くよりも、「○○個の販売実績」と書くほうが効果的です。また、「多くの満足度」という抽象的な表現ではなく、「リピート率80%」と具体的な表現を心がけるとよいでしょう。
プレスリリースで誤った情報を発信すると、メディアにニュースを掲載する担当者だけでなく、企業自体の信頼低下にもつながります。客観的で正確な数字・データを添えると、情報の説得力が高まります。
3-3.図や画像を入れて内容の理解を助ける
プレスリリースの情報は、わかりやすさと見やすさが第一です。文章で長々と説明するのではなく、グラフなどの図や見栄えのよい商品画像を取り入れ、一目で内容が把握できるプレスリリースにすることを意識しましょう。
新発売のプレスリリースでは製品画像、業務提携のプレスリリースでは企業のトップ同士の画像など、プレスリリースの内容を端的に伝えるわかりやすい画像を選ぶことが大切です。最近は文書よりパソコンやスマホでプレスリリースを閲覧するケースが多いため、Webでの見やすさも求められます。広報担当者は、メディア掲載時の画像サイズや画質にもこだわりましょう。
なお、プレスリリース配信サービスを利用する際は、サムネイル画像も用意しておくと効果的です。サムネイル画像の有無で、記事のクリック率が変わります。より多くの人に読まれるプレスリリースを発信するためには、サムネイル画像が欠かせません。
まとめ
プレスリリースは、企業PRの絶好のチャンスです。プレスリリースを効果的に活用することで、多くのメディアやステークホルダーに情報を発信できます。プレスリリースを積極的に発信する企業はブランドイメージも高まるなど、大きなメリットがあります。
自社のプレスリリース発信の内容に迷っている人は、ぜひ当記事で紹介したプレスリリースの作り方や作成時のポイントを参考にしてください。基本となる内容を押さえ、簡潔にわかりやすいプレスリリースを配信し、自社の企業価値をより高めましょう。