リファラとは?ノーリファラの意味やリファラを確認するメリット
「リファラ」は、Webサイト運営者にとっては外せないアクセス解析項目のひとつです。リファラを分析することで、自社サイトに訪問したユーザーの流入データを調査できます。ユーザーの流入経路を把握することは、自社サイトに施したSEO対策の効果や、張られているリンク元を確かめるために重要です。
今回は、リファラおよびノーリファラの意味と、リファラをデータ分析するメリット、リファラの確認方法、分析する際の注意点・対処法についても解説します。
1.リファラとは?
リファラとは、自社サイトを訪れたユーザーが直前に滞在していたWebページのことです。「参照元」「流入元」「リンク元」とも呼ばれます。
たとえば、リファラにGoogle検索やYahoo!などが検出された場合、ユーザーの参照元は検索エンジンであると把握することが可能です。リファラで提示されたアクセス情報からは、「どのようなキーワードの検索結果から流入したのか」「どこに掲載された広告からアクセスしたのか」という内容も知ることができます。
1-1.ノーリファラとは?
ノーリファラとは、ユーザーが自社サイトの訪問直前に滞在していたWebページの情報を取得できず、参照元を分析できていない状態のことです。通常であれば、ブラウザがWebページの情報を要求すると同時に、参照元となるWebページの情報をサーバーに提供します。しかし、ユーザーの閲覧状況によっては、サーバーにWebページの情報が提供されず、参照元を得られません。
ユーザーの参照元が把握できないためにノーリファラとなる事例には、以下が挙げられます。
- ブラウザの起動直後に表示されるホームページに設定されている
- お気に入り・ブックマークからWebサイトを開いた
- アドレスバーに直接URLを入力した
- メール・アプリ・QRコードから訪問した
- SSLに対応したWebページから、SSLに対応していないWebページに訪問した
- ユーザーが使用するブラウザが参照元を提供しない仕様になっている
- ユーザーがブラウザの設定で参照元の申告を拒否した
2.リファラを分析するメリット
リファラを分析することによって、ユーザーの流入経路を調査することができます。しかし、リファラを分析することで得られるメリットは、ただユーザーの参照元を把握できることだけではありません。
ここでは、リファラを分析することによる2つのメリットを解説します。
2-1.SEO対策やWeb広告の効果を調べられる
過去に実施したSEO対策や出稿したWeb広告の効果を調べられることが、リファラからユーザーの参照元を特定するメリットです。
たとえば、検索結果からの流入が増えていれば、正しくSEO対策が行えた結果、自社サイトの検索順位が上昇したと考えられます。さらに、自社サイトへの流入キーワードを分析することで、どのキーワードで行った対策にどれほど効果があったのかも把握できます。
また、Web広告からのアクセス数を分析することで、自社サイトと相性がよく、効果が高い広告媒体を判別することも可能です。流入数とコストを比較して、「今後も広告の出稿を継続するのか」「広告の露出を増やす、あるいは見合わせる」といった判断もできるでしょう。
2-2.参照元から商品・サービスの改善点を知れる
リファラの分析で特定したユーザーの参照元をチェックすることによって、自社の商品やサービスに対する評価を調べることも可能です。
リファラの参照元には、検索エンジンやWeb広告だけでなく、WebサイトのURLなども並びます。検索結果や広告ではない一般のWebサイトからユーザーが訪れている場合、そのWebサイト内で自社の商品・サービスを紹介してくれている可能性があります。利用者の感想や口コミなど、商品・サービスのリアルな評価が載っていることも少なくありません。
参照元のWebサイトのコンテンツを確認し、ユーザーの本音に触れることできれば、そこから商品・サービスの改善点や有効な販促方法を探れるでしょう。
3.リファラを確認する方法
自社サイトのリファラは、Googleアナリティクスの「参照元/メディア」もしくは「参照元」で確認することができます。リファラの確認方法は、下記のとおりです。
■「参照元/メディア」で確認する方法
(1) | Googleアナリティクスのサイドメニューから「集客」をクリックする |
---|---|
(2) | 「すべてのトラフィック」をクリックする |
(3) | 「参照元/メディア」をクリックする |
(4) | メイン画面下部の「参照元/メディア」一覧を確認する |
■「参照元」で確認する方法
(1) | Googleアナリティクスのサイドメニューから「集客」をクリックする |
---|---|
(2) | 「すべてのトラフィック」をクリックする |
(3) | 「参照元」をクリックする |
(4) | メイン画面下部の「参照元」一覧を確認する |
Googleアナリティクスにおける参照元は流入元となった検索エンジンの種類やWebサイトのURLを、メディアは流入のタイプを表しています。
4.【リファラ】分析時の注意点と対処法
リファラのデータを活用することでユーザーの流入元を把握でき、SEO対策の効果やユーザーの本音を知れるというメリットがあるものの、いくつかの注意点も存在します。リファラを分析する際は、注意点を理解したうえで、対策を練ることがポイントです。
最後に、リファラを分析する際の注意点と対処法を解説します。
4-1.ノーリファラが多いとアクセス解析が難しい
ノーリファラの割合が高くなると、ユーザーの増減と流入経路の関係性を把握できないため、SEO対策やWeb広告の効果がわかりにくくなります。ただし、下記の2種類が原因であれば、適切な対策を講じることによって、ノーリファラを防ぐことが可能です。
- 自社サイトがSSLに対応していない場合
自社サイトがSSLに未対応の場合は、SSLに対応することでリファラを取得できます。 - メール・アプリ・QRコードからの訪問者が多い場合
メールなどに張るリンクのURLにパラメータを付与することで、ユーザー情報を読み取れます。アクセス元だけでなく、日付などの詳細情報も取得できるよう設定が可能です。
スマホユーザーの利用が増えていることもあり、今日ではSSLに対応したWebサイトが増えています。セキュリティの観点からも、Webサイト内の全ページをSSL対応にすることをおすすめします。
4-2.リファラスパムで悪質サイトに誘導される恐れがある
Googleアナリティクスで解析できるリファラの中には、リファラスパムと呼ばれる悪質なURLが混ざっているケースがあります。リファラスパムとは、リファラの分析で参照元をチェックする行動に乗じて、アクセス解析者を自社サイトに誘導する行為です。リファラスパムであるURLにアクセスすると、悪質なWebサイトに誘導され、ウイルスに感染する恐れがあります。
Googleアナリティクスから設定することで、リファラスパムの被害を防ぐことが可能です。リファラスパムの対応策は、ボットフィルタリング機能とフィルタ設定の2種類があります。
■ボットフィルタリング機能を設定する
(1) | 「管理」のビュー内、「ビューの設定」をクリックする |
---|---|
(2) | 「ボットのフィルタリング」の下、「既知のボットやスパイダーからのヒットをすべて除外します」にチェックを入れる |
(3) | 「保存」をクリックする |
■フィルタを設定する
(1) | 「管理」のアカウント内、「すべてのフィルタ」をクリックする |
---|---|
(2) |
「+フィルタを追加」→「新しいフィルタを作成」
をクリックする |
(3) | フィルタの種類は「カスタム」、フィルタフィールドから「参照」を選択する |
(4) | フィルタパターンにリファラスパムのURLを入力する |
(5) | フィルタを適用するビューを選択する |
(6) | 「保存」をクリックする |
リファラスパムには、言語設定が行われていないケースがほとんどです。上記の手順の(4)で、フィルタフィールドに「言語」を選び、フィルタパターンに「(not set)」を選択すると、言語設定のないユーザーを除外できます。
まとめ
リファラとは、ユーザーが自社サイトに訪問する直前に滞在していたWebページがどこかを示す情報のことです。リファラを分析することで、SEO施策の効果やユーザーの本音を知ることができます。
ただし、Webサイトやリンクの設定、ユーザーの閲覧状況によっては、参照元を特定できないノーリファラに分類されるケースも少なくありません。また、リファラの中にはスパムが紛れ込んでいるケースもあります。リファラを分析する際は、注意点への対策も忘れずに行いましょう。